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はじめに
ここまで4回にわたり、生成AIを活用した契約書作成や、そのメリット・リスク、企業が整備すべきAI利用ルールについて解説してきました。
AIは、契約書の作成や文章の要約、情報整理など、多くの業務を効率化できる非常に優れたツールです。
その一方で、
「AIがここまで進化したのだから、顧問弁護士は必要なくなるのではないか。」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちが日々企業からご相談を受ける中で感じるのは、AIが普及した現在だからこそ、弁護士に求められる役割はむしろ大きくなっているということです。
本コラムでは、AIにはできないこと、そしてAI時代における顧問弁護士の役割について解説します。
AIは「答え」を示せても、「経営判断」はできない
生成AIは、大量の情報をもとに回答を作成できます。
例えば、
- 契約書のひな型を作る
- 法律の概要を説明する
- メール文を作成する
- 会議の議事録を要約する
といった作業は非常に得意です。
しかし、企業経営では、
- この契約を締結すべきか
- 相手方の要求を受け入れるべきか
- どこまで譲歩できるか
- 今回は裁判より交渉を優先すべきか
といった「経営判断」が日々求められます。
これらは、法律だけでは答えが出ません。
会社の規模、資金繰り、取引先との関係、将来の事業戦略など、多くの事情を総合的に考慮して判断する必要があります。
このような判断は、現在のAIでは代替できません。
顧問弁護士は「問題が起きてから相談する相手」ではない
「弁護士はトラブルになってから相談するもの」と思われがちです。
しかし、企業法務において最も重要なのは、トラブルが起こる前にリスクを減らすことです。
例えば、
- 契約締結前の確認
- 新しいサービスの法的チェック
- 社内規程の整備
- 労務トラブルの予防
- クレーム対応のアドバイス
など、日常的な相談を通じて、紛争そのものを防ぐことができます。
これは「予防法務」と呼ばれ、企業経営において非常に重要な役割を果たします。
AIが普及すると、法的リスクも増える
AIは便利ですが、利用が広がるほど、新しいリスクも生まれます。
例えば、
- 社員が顧客情報をAIへ入力した
- AIが誤った内容を顧客へ回答した
- AIで作成した広告が他社の権利を侵害した
- AIが作成した契約書をそのまま利用してトラブルになった
これらは、今後ますます増えていくことが予想されます。
つまり、AIを導入する企業ほど、法的なリスク管理が重要になるのです。
AIと顧問弁護士は「競争相手」ではなく「最良のパートナー」
「AIか、弁護士か」という二者択一ではありません。
実際には、それぞれ得意分野が異なります。
| AIが得意なこと | 顧問弁護士が得意なこと |
|---|---|
| 契約書のたたき台作成 | 自社に合わせた契約内容への修正 |
| 法律情報の整理 | 最新の法令・裁判例を踏まえた助言 |
| 文書の要約 | 紛争を見据えたリスク分析 |
| 定型業務の効率化 | 交渉・紛争対応・経営判断のサポート |
| アイデア出し | 会社の実情に応じた最適な解決策の提案 |
AIが得意な業務はAIに任せ、人でなければできない判断を弁護士が担う。
この役割分担こそが、AI時代の企業法務の理想的な姿です。
顧問弁護士がいる企業のメリット
顧問契約というと、「大企業だけのもの」と考えられることがあります。
しかし、近年では中小企業やスタートアップでも、継続的に法務相談ができる体制を整える企業が増えています。
顧問弁護士がいることで、
- 小さな疑問を早めに相談できる
- トラブルが大きくなる前に対応できる
- 契約書を安心して締結できる
- 労務や取引先対応について継続的な助言を受けられる
- 経営判断の法的な裏付けを得られる
といったメリットがあります。
「問題が起きたら相談する」のではなく、「問題を起こさないために相談する」という考え方が重要です。
AI時代だからこそ求められる「相談しやすい顧問弁護士」
AIは、気軽に質問できる便利なツールです。
だからこそ、顧問弁護士にも「相談しやすさ」がより求められる時代になっています。
「こんなことを聞いてもよいのだろうか。」
「まだトラブルではないけれど相談したい。」
そのような段階で相談できることが、結果として大きなトラブルの予防につながります。
顧問弁護士は、法律だけでなく、企業の事業内容や経営方針を理解したうえで、継続的なパートナーとして助言を行います。
結の杜総合法律事務所が目指す企業法務
結の杜総合法律事務所では、契約書の作成・レビューや労務問題への対応はもちろん、AI時代に対応した企業法務にも力を入れています。
生成AIの活用が進む中で、
- AIを利用した契約書のレビュー
- AI利用ガイドラインの整備
- 情報管理体制の構築
- 新しいサービスの法的チェック
- 日常的な企業法務相談
など、企業の実情に応じたサポートを行っています。
また、代表弁護士は税理士資格を有し、税理士事務所を併設しているため、契約内容だけでなく、税務や事業全体を見据えた総合的なアドバイスが可能です。
法律だけでなく、経営全体を見据えた支援を行えることが、当事務所の強みの一つです。
まとめ
生成AIは、企業活動を大きく変える可能性を持つ非常に優れたツールです。
しかし、AIはあくまで「業務を支援するツール」であり、企業ごとの事情を踏まえた経営判断や、紛争を予防するための法的判断まで代替することはできません。
AIを上手に活用しながら、重要な契約や経営判断については顧問弁護士と連携することが、これからの企業経営においてますます重要になるでしょう。
シリーズをお読みいただいた皆さまへ
本シリーズでは、AIと契約書、AI利用ルール、企業法務について5回にわたり解説してきました。
AIは、企業にとって非常に有用なツールですが、その力を最大限に活かすためには、法的リスクを正しく理解し、適切に管理することが欠かせません。
結の杜総合法律事務所では、AIを積極的に活用する企業を、法務・税務の両面から支援しています。
「AIを安心して業務に取り入れたい」「契約書や社内ルールを見直したい」「日常的に相談できる顧問弁護士を探している」という企業の皆さまは、ぜひお気軽にご相談ください。
AI時代だからこそ、人にしかできない判断と経験を活かし、企業の持続的な成長をサポートいたします。
【全シリーズ】
コラム「【保存版】AIで作成した契約書はそのまま使って大丈夫?弁護士が徹底解説|企業が知るべきリスク・チェックポイント・安全な活用方法(第1回)」
コラム「【保存版】AIで作成した契約書に潜む落とし穴とは?実際に起こり得るトラブル事例と企業が整備すべきAI利用ルール(第2回)」
コラム「【保存版】AIが作成した契約書を弁護士はどこまでチェックする?企業を守る「契約書レビュー」のポイントを解説(第3回)」
コラム「【保存版】中小企業もAI利用ルールは必要?ChatGPT時代に企業が整備しておきたいAI利用規程とは(第4回)」
宮城県仙台市に拠点を置く弁護士法人結の杜総合法律事務所は、2012年の開設以来、地域の皆様の法的ニーズに応えてまいりました。代表の髙橋和聖は、地元宮城で生まれ育ち、弁護士・税理士としての資格を持ち、法律と税務の両面からサポートを提供しています。当事務所は、青葉区五橋に本店、泉区泉中央に支店を構え、2022年10月には東京支店も開設しました。これからも、仙台・宮城の皆様に寄り添い、親しみやすい法律事務所として、質の高いサービスを提供してまいります。
