遺言・相続の相談事例

相談事例

 

遺言や相続に関して、皆さまからよくお問合せ頂く質問内容を弁護士の回答と合わせQ&A形式でご紹介しております。

2020.5.13弁護士法人結の杜総合法律事務所の遺言・相続の専門サイトが開設されました。詳しくはこちらをご覧ください。

 

遺産相続のQ&A

 Q.先月、父が亡くなりました。母も数年前に亡くなっています。私は長女で、兄が2人います。兄は2人とも結婚しており、一番上の兄は東京に住んでいて何年も実家に帰って来ていません。二番目の兄は実家の近くに住んでおり週に1回は実家に来て父の介護の手伝いをしてくれました。私は兄夫婦たちに代わって実家に同居をしながら長年病気だった父親の介護をしてきました。このような場合でも、遺産は兄妹3人で平等に分けなくてはならないのでしょうか。なんだか不公平な感じがします。

 

A.このような場合、必ずしも平等に分けなければならないというわけではありません。相続人の中に、被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与(貢献)をした人がいる場合には、その相続人に、その寄与に相当する金額を加えた財産を取得させて、相続人間の公平を図る「寄与分」の制度というものがあります。
今回のケースは、ご相談者様の行ってきた看護によって、お父様が看護費用を支出せずに済み、財産を維持できたと言えますので、その他の具体的状によって「特別の寄与」に該当するとされれば、寄与分が認められます。
しかし、二番目のお兄様の場合は、週に1回介護のお手伝いをしていたという程度では、お父様の財産の維持や増加に特別の寄与をしたとは言えませんので、寄与分は認められないでしょう。
したがって、ご相談者様の遺産の取り分はお兄様達よりも多くなる可能性はありますが、お兄様2人の取り分は平等になります。

 

Q.寄与分はどのような手続きで決めればよいのです?

 

A,まずは、相続人全員で話し合い(協議)をすることによって決めます。もし、それで決まらなかった場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることとなります。

 

Q.家庭裁判所!?相続のことでそこまで大事(おおごと)にはしたくないのですが・・・

 

A.裁判所などと聞くととても大げさに感じるかもしれませんが、相続に関する手続きは家庭裁判所のみでしか行えないものがとても多いのです。したがって相続問題で家庭裁判所を利用するのはよくあることで、まったく珍しいことではありません。

 

 

相続放棄のQ&A

Q.父が亡くなったのですが、先日、父に多額の借金があることが判明しました。父には特に財産はありませんでした。やはり相続人である私が支払わなくてはならないのでしょうか。

 

A.相続放棄をすれば、お父様の借金を相続しませんので、支払う義務はありません。相続放棄は、借金などのマイナスの財産だけでなく、預貯金や不動産などのプラスの財産も相続できなくなりますが、お父様には財産はなかったようですので、あまり問題はないでしょう。
ただし、相続放棄は、原則として相続の開始を知った日から3か月(熟慮期間)以内に、家庭裁判所へ申述して行わなければなりません。

 

Q.父が亡くなったのは、3年前なのです。今回、金融機関から通知が来て、初めて父に借金があることが分かったのです。もう相続放棄はできないのでしょうか。

 

A.そんなことはありません。すでに熟慮期間が経過してしまっていても、その後に借金があることが判明した場合には、相続放棄が認められるケースがあります。ご相談者様の場合も相続放棄が認められる可能性がありますので、すぐに家庭裁判所の相続放棄の申述をするべきでしょう。

 

 

遺言のQ&A

Q.私には、3人の子供がいます。3人は仲も良く、私の財産もそれほど多くはないのですが、遺言は残した方がよいのでしょうか。

 

A.「うちは大丈夫」という普通の家庭ほど一番危ないのが、相続トラブルの特徴的な落し穴なのです。今、お子様の仲が悪くなくても、実際にご相談者様が亡くなられた時に遺産の分配でもめてしまい、相続が「争続」となってしまう場合が実はよくあるのです。遺言はできる限り、作成しておいた方がよいでしょう。

 

Q.遺言にはどのように作成すればよいのでしょうか。

 

A.まず、最も簡単な方法として、「自筆証書遺言」があります。これは、遺言の全文、日付、氏名を自筆し、押印することで作成できます。しかし、自筆証書遺言は、隠匿や変造される恐れがあったり、遺言の内容を実現するには、家庭裁判所で相続人全員の立会いの機会を与えた上で、検認という手続を経なければならないというようなデメリットもあります。
次に、「公正証書遺言」というものがあります。これは、証人2人以上の立会いの下で、公証人の遺言の趣旨を口頭で伝えて、公証人がそれを元に遺言内容を筆記し、遺言者、証人、公証人がそれぞれ署名押印することによって作成する方法です。費用が多少かかることや証人の立会いが必要になることはデメリットですが、変造や隠匿を防ぐことができる、検認が不要などのメリットがあります。
また、「秘密証書遺言」というものもあります。これは、遺言を自ら作成し、署名押印した上で、封筒等に封印し、公証人及び証人2名以上の前で、その存在を証明してもらうという方法です。内容を秘密にすることはできますが、作成に手間がかかること、遺言の内容に不備があれば無効になってしまう可能性があることなどのデメリットがあります。
遺言の作成には、以上のような方法がありますが、それぞれメリット、デメリットがありますので、ご自身にあった方法を選択するのが良いでしょう。

 

2020.5.13弁護士法人結の杜総合法律事務所の遺言・相続の専門サイトが開設されました。詳しくはこちらをご覧ください。

 

お問い合わせはこちら

 

ページの上部へ戻る

By弁護士・司法書士専門のホームページ制作