コラム「退職者による顧客情報・営業秘密の持ち出しが発覚したら?企業が取るべき対応を弁護士が解説」

はじめに

従業員の退職後、次のような問題が発覚することがあります。

  • 退職直前に顧客名簿を大量にダウンロードしていた
  • 顧客情報を私用メールやクラウドストレージへ送信していた
  • USBメモリに営業資料や技術資料を保存していた
  • 退職後、元従業員や転職先から顧客への勧誘が始まった
  • 価格表、仕入先情報、見積書などが競合他社で使用されている
  • 設計図、製造方法、ソースコードなどが持ち出された
  • 会社のデータを生成AIサービスへ入力していた
  • 退職者が会社のアカウントへログインし続けていた

顧客情報や技術情報は、会社の重要な財産です。流出すると、顧客の喪失、価格競争力の低下、信用毀損、個人情報保護法上の対応など、重大な問題につながります。

もっとも、会社が保有する情報のすべてが、不正競争防止法上の「営業秘密」として保護されるわけではありません。また、退職者が競合他社へ転職したことや、在職中に得た一般的な知識・経験を利用したことだけで、直ちに違法になるわけでもありません。

本記事では、退職者による顧客情報・営業秘密の持ち出しが発覚した場合に企業が取るべき初動対応、法的措置、平時からの予防策について解説します。

1 持ち出されやすい情報とは

退職時に問題となる情報には、主に次のようなものがあります。

顧客・営業関係の情報

  • 顧客名簿
  • 顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレス
  • 担当者名や決裁権者に関する情報
  • 顧客ごとの購入履歴、取引条件、要望
  • 商談記録、営業日報
  • 見積書、価格表、値引率
  • 仕入先、外注先、販売ルート
  • 営業戦略、新規事業計画

技術・製造関係の情報

  • 設計図、図面
  • 製造方法、作業手順
  • 実験データ、研究開発情報
  • 製品の配合、レシピ
  • ソースコード、プログラム
  • 不具合情報、改善履歴
  • 未公開の製品情報
  • 技術上のノウハウ

経営・管理関係の情報

  • 事業計画
  • 原価や利益率
  • 財務情報
  • M&Aや業務提携に関する情報
  • 人事評価、給与情報
  • 採用計画、組織再編計画
  • 社内マニュアル

これらの情報が不正競争防止法上の営業秘密に当たるか、個人情報に当たるか、契約上の秘密情報に当たるかによって、企業が取れる法的措置が異なります。

2 顧客名簿は当然に「営業秘密」になるわけではない

不正競争防止法上、「営業秘密」として保護されるためには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 秘密として管理されていること(秘密管理性)
  2. 事業活動に有用な情報であること(有用性)
  3. 一般に知られていないこと(非公知性)

経済産業省も、この3要件を満たす情報が不正競争防止法上の営業秘密に当たると説明しています。

(1)秘密管理性

会社が、その情報を秘密として管理していることが必要です。

具体的には、次のような事情が考慮されます。

  • ファイルに「社外秘」「秘密」などと表示している
  • 情報へアクセスできる従業員を限定している
  • IDやパスワードによって管理している
  • 閲覧・ダウンロードの権限を役職や業務ごとに設定している
  • 秘密保持規程を整備している
  • 従業員に秘密情報の範囲を説明している
  • 紙資料を施錠できる場所で保管している
  • USBメモリや私用クラウドへの保存を制限している

顧客名簿に誰でもアクセスでき、社外への持ち出しも事実上自由だった場合には、秘密管理性が否定される可能性があります。

高度で複雑なセキュリティ対策が常に必要なわけではありませんが、少なくとも従業員から見て「会社が秘密として扱っている情報だ」と分かる状態にしておく必要があります。

(2)有用性

その情報が、会社の営業、技術、経営などの事業活動に役立つ情報であることが必要です。

顧客ごとの取引実績、担当者との関係、価格条件、需要、過去の交渉経過などを整理した顧客情報は、営業活動に有用な情報と評価される可能性があります。

一方、犯罪行為や法令違反を隠すための情報などは、通常、営業秘密として保護されません。

(3)非公知性

一般には知られておらず、容易に入手できない情報であることが必要です。

会社名、所在地、代表電話番号など、ウェブサイトや業界名簿で容易に確認できる情報を集めただけでは、非公知性が否定される可能性があります。

しかし、公開情報を含んでいても、長年の営業活動によって蓄積した取引履歴、担当者の特性、決裁時期、予算、値引条件などが一体となった情報であれば、非公知性が認められる余地があります。

3 営業秘密に当たらなくても保護される場合がある

持ち出された情報が不正競争防止法上の営業秘密に該当しないからといって、企業が一切の請求をできないとは限りません。

次のような法的根拠を検討できます。

  • 秘密保持契約違反
  • 雇用契約上の秘密保持義務違反
  • 就業規則違反
  • 退職時の誓約書違反
  • 不法行為
  • 個人情報保護法違反
  • 著作権侵害
  • 不正アクセス禁止法違反
  • 電子計算機使用詐欺などの犯罪
  • 会社所有の資料・記録媒体の返還請求

契約上の「秘密情報」は、不正競争防止法上の営業秘密よりも広く定めることができます。

もっとも、「会社に関する一切の情報を永久に使用してはならない」といった過度に広い条項は、有効性や適用範囲が争われる可能性があります。秘密情報の範囲、利用目的、返還・削除義務などを具体的に定めることが重要です。

4 退職者による競業や顧客への連絡は、すべて違法なのか

退職者には、職業選択の自由があります。そのため、競合会社へ転職したことや、同じ業種で独立したことだけで、直ちに違法になるわけではありません。

また、従業員が在職中に身に付けた一般的な知識、経験、技能、人脈まで、会社が全面的に独占できるものではありません。

問題になるのは、例えば次のような行為です。

  • 顧客名簿をコピーして転職先で使用する
  • 秘密の価格情報を利用して既存顧客へ安値を提示する
  • 退職前から会社の顧客を計画的に転職先へ移す
  • 設計図や製造ノウハウを転職先へ開示する
  • 会社のシステムへ退職後も不正にアクセスする
  • 同僚に秘密情報を持ち出させる
  • 会社の資料を削除し、業務を妨害する

退職後の競業避止義務を定める場合には、会社側の正当な利益、退職者の地位、禁止される業務、地域、期間、代償措置などを踏まえ、合理的な範囲に限定する必要があります。

広範囲かつ長期間にわたって一切の競業を禁止する条項は、無効と判断される可能性があります。

5 持ち出しが発覚した直後にすべきこと

情報の持ち出しが疑われる場合、最初の対応が非常に重要です。

(1)関係者を限定する

調査していることが退職者や関係者へ早期に伝わると、データやメッセージが削除される可能性があります。

まず、経営者、法務担当者、情報システム担当者など、必要最小限のメンバーで対応します。社内で憶測や情報が広がらないよう、連絡経路も一本化します。

(2)証拠を保全する

次のような資料を速やかに保全します。

  • ファイルサーバーへのアクセスログ
  • ダウンロード履歴
  • USB機器の接続履歴
  • 電子メールの送受信履歴
  • クラウドストレージの操作履歴
  • 印刷履歴
  • パソコンのログイン履歴
  • ファイルの作成・コピー・削除履歴
  • 社用スマートフォンの通信記録
  • 入退室記録、防犯カメラ映像
  • 退職前後の顧客との連絡履歴
  • 就業規則、情報管理規程
  • 雇用契約書、秘密保持誓約書
  • 退職時の面談記録や返却確認書

パソコンを通常どおり起動したり、担当者が独自にファイルを開いたりすると、更新日時などの証拠が変化する可能性があります。

重大な事案では、端末を保全し、デジタル・フォレンジックの専門業者に解析を依頼することも検討します。

(3)アカウントとアクセス権限を確認する

退職者が利用していた次のアカウントを確認します。

  • 社内ネットワーク
  • 電子メール
  • 顧客管理システム
  • チャットツール
  • クラウドストレージ
  • VPN
  • ソースコード管理システム
  • ウェブサービス
  • 共有アカウント

退職後もアクセスできる状態であれば、速やかに利用を停止し、パスワードや認証情報を変更します。

ただし、アカウントを削除するとログやメールまで消えるサービスもあります。証拠を保存したうえで、無効化や権限変更を行う必要があります。

(4)持ち出された情報を特定する

「顧客情報が盗まれた」と抽象的に主張するだけでは、差止めなどが認められにくくなります。

次の点をできるだけ具体的に特定します。

  • どの情報が持ち出されたか
  • どこに保存されていたか
  • 誰がアクセスできたか
  • いつ、どの方法で持ち出されたか
  • どこへ送信・保存されたか
  • 転職先や第三者へ提供されたか
  • すでに使用されたか
  • 会社や顧客にどのような損害が生じるか

営業秘密として保護を求める場合には、対象となる情報を他の一般情報と区別できる程度に特定することが重要です。

(5)退職者への連絡は慎重に行う

証拠を十分に確保する前に退職者を問い詰めると、データを削除されたり、証拠を隠されたりする可能性があります。

また、「顧客情報を盗んだ」などと社内外へ断定的に伝えると、名誉毀損などの別の問題が生じるおそれがあります。

退職者へ通知する前に、証拠の内容、通知の目的、要求事項、法的措置の見通しを整理する必要があります。

6 退職者に対して何を要求できるか

事実関係と証拠を確認したうえで、退職者に対し、次のような要求を行うことが考えられます。

  • 情報の使用・開示の中止
  • 紙資料、USBメモリ、端末などの返還
  • 私用端末やクラウドに保存したデータの削除
  • 転職先や第三者への提供状況の説明
  • 複製物の作成状況の開示
  • 転職先や第三者へ提供した情報の回収
  • 顧客への勧誘の停止
  • 削除・廃棄を証明する報告書の提出
  • 今後使用・開示しない旨の誓約
  • 損害賠償

ただし、会社が退職者の私用パソコンやスマートフォンを一方的に操作・回収することはできません。

本人の同意を得て確認するか、証拠保全、仮処分、訴訟上の手続など、適法な方法を検討する必要があります。

7 転職先にも責任を問える場合がある

転職先企業が、持ち出された情報が他社の営業秘密であると知りながら取得・使用した場合や、重大な過失によって知らずに取得・使用した場合には、転職先に対しても差止めや損害賠償を請求できる可能性があります。

例えば、採用したばかりの従業員が、前職の顧客名簿や設計図を大量に持ち込んだにもかかわらず、転職先が出所を確認せずに利用した場合です。

企業が中途採用者を受け入れる際には、前職の秘密情報を持ち込ませないことも重要です。

入社時の誓約書などに、次の事項を記載しておくことが考えられます。

  • 前職の秘密情報を持ち込まない
  • 前職の資料を会社のシステムへ保存しない
  • 前職の秘密情報を業務で使用しない
  • 問題が生じた場合は速やかに申告する

自社の情報を守るだけでなく、他社の営業秘密を意図せず侵害しない体制も必要です。

8 企業が取り得る法的措置

(1)警告書・通知書の送付

退職者や転職先に対して、内容証明郵便などで警告書を送付します。

警告書には、持ち出された情報、持ち出し行為、法的根拠、使用・開示の停止、返還・削除、回答期限などを記載します。

もっとも、証拠が不十分な段階で断定的な警告を行うと、相手方に証拠を整理する時間を与えたり、反対に損害賠償を請求されたりする可能性があります。

(2)差止請求

不正競争防止法上の要件を満たす場合には、営業秘密の使用や開示の差止めを請求できます。

また、侵害行為を組成した物の廃棄、侵害行為に使用した設備の除却など、侵害の停止・予防に必要な措置を求められる場合があります。

差止請求では、実際に損害が発生した後だけでなく、営業上の利益を侵害されるおそれがある段階で対応できる可能性があります。

(3)仮処分

情報が使用され続けており、通常の訴訟の判決を待っていては重大な損害が生じる場合には、裁判所へ使用・開示の差止めを求める仮処分を申し立てることがあります。

仮処分では、持ち出された情報が営業秘密に該当すること、相手方が取得・使用したこと、緊急に差し止める必要があることなどを、短期間で立証する必要があります。

そのため、アクセスログ、メール、ファイルの一致、顧客への勧誘状況などの客観的証拠が重要です。

(4)損害賠償請求

情報の不正取得・使用・開示によって損害が生じた場合には、退職者や転職先に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

損害としては、例えば次のものが考えられます。

  • 失った売上・利益
  • 顧客流出による損害
  • 価格低下による損害
  • 原因調査やデータ復旧の費用
  • 顧客対応や通知の費用
  • 信用回復のための費用

もっとも、情報持ち出しと売上減少との因果関係や損害額の立証が問題になります。不正競争防止法には損害額の推定等に関する規定もありますが、証拠収集は不可欠です。

(5)刑事告訴・被害相談

不正の利益を得る目的や会社に損害を加える目的で営業秘密を領得、使用、開示した場合には、不正競争防止法上の営業秘密侵害罪が成立する可能性があります。

また、具体的な行為によっては、不正アクセス禁止法違反、窃盗、背任などが問題になることもあります。

警察への相談や刑事告訴を検討する場合には、対象情報、秘密管理の状況、持ち出し方法、使用状況などを整理した資料が必要です。

刑事手続を交渉上の圧力として安易に利用するのではなく、証拠と事案の重大性を踏まえて慎重に判断する必要があります。

9 顧客の個人情報が含まれている場合の対応

持ち出された顧客情報に、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、購入履歴などの個人データが含まれている場合には、個人情報保護法上の対応も必要です。

まず、漏えいまたはそのおそれがある個人データについて、次の事項を調査します。

  • 対象となる顧客数
  • 情報の項目
  • 要配慮個人情報の有無
  • クレジットカード情報など財産的被害のおそれ
  • 第三者への提供・利用の有無
  • 情報の回収・削除可能性
  • 二次被害のおそれ

従業者が不正な目的で個人データを持ち出した場合には、人数が少なくても、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要になる可能性があります。個人情報保護委員会も、従業者による不正な持ち出しを漏えい等の事例として示しています。

報告対象となる場合には、事態を知った後、速やかに速報を行い、その後、調査結果を踏まえて確報を行います。

顧客への通知、公表、警察への相談、取引先への説明については、事案の内容や二次被害のおそれを踏まえて判断する必要があります。

10 退職時に実施すべき対策

情報持ち出しを防ぐためには、退職の申出があってから次の対策を実施することが重要です。

退職前

  • アクセス権限を業務上必要な範囲に見直す
  • 大量ダウンロードや外部送信の有無を確認する
  • USBメモリ等の利用状況を確認する
  • 業務の引継ぎを行う
  • 秘密保持義務を改めて説明する
  • 有給休暇消化中のアクセス権限を検討する

退職時

  • パソコン、スマートフォン、USBメモリなどを回収する
  • 社員証、鍵、入館証を回収する
  • 紙資料の返還を確認する
  • 私用端末・クラウドへの保存がないか確認する
  • 会社情報を返還・削除した旨の確認書を取得する
  • 秘密保持義務を記載した退職時誓約書を取得する
  • 退職後の連絡先を確認する

退職後

  • アカウントを速やかに停止する
  • 共有パスワードを変更する
  • メールの転送設定を解除する
  • 顧客管理システム等へのログインを確認する
  • 不審なアクセスや顧客流出がないか確認する

誓約書への署名を拒否されたからといって、直ちに情報持ち出しがあったと判断することはできません。しかし、拒否の経緯を記録し、アクセス状況等を確認する必要性は高まります。

11 平時から講じるべき情報管理対策

退職後に営業秘密としての保護を求めるには、在職中から秘密として管理していることが重要です。

企業規模や情報の重要度に応じて、次の対策を検討します。

  • 重要情報を特定・分類する
  • 「社外秘」「秘密」などの表示を行う
  • アクセス権限を必要な従業員に限定する
  • 退職・異動時に権限を速やかに変更する
  • ダウンロード、印刷、外部送信のログを保存する
  • USBメモリや私用メールの利用を制限する
  • クラウドサービスの利用ルールを定める
  • 私用端末を使用する場合の規程を整備する
  • 生成AIへ入力してよい情報の基準を定める
  • 就業規則、秘密情報管理規程を整備する
  • 入社時・退職時に秘密保持誓約書を取得する
  • 定期的な研修を行う
  • 違反発覚時の報告・調査体制を決めておく

重要なのは、規程を作成するだけでなく、実際の運用と一致させることです。

「秘密情報」と表示していても、全従業員が自由にアクセスし、外部への送信も制限されていない場合には、秘密管理性が争われる可能性があります。

12 よくある質問

Q1 退職者が顧客へ連絡しただけで差し止められますか

顧客へ連絡したという事実だけで、常に差止めが認められるわけではありません。

公開情報や退職者自身の記憶に基づいて連絡したのか、会社の顧客名簿や取引情報を使用したのか、在職中から計画的に顧客を移そうとしていたのかなどを検討します。

競業避止義務や顧客勧誘禁止条項がある場合でも、その内容が合理的な範囲かを確認する必要があります。

Q2 秘密保持誓約書がなければ請求できませんか

誓約書がなくても、不正競争防止法上の営業秘密に該当すれば、差止めや損害賠償を請求できる可能性があります。

また、雇用契約に付随する義務や不法行為を根拠とする請求も考えられます。

ただし、誓約書や情報管理規程があれば、秘密情報の範囲や従業員が義務を認識していたことを立証しやすくなります。

Q3 退職者の私用メールやクラウドを調査できますか

会社が、本人の同意なく私用メールや私用クラウドへログインすることは避けるべきです。

会社側のメール送信記録、アクセスログ、端末記録など、適法に管理している資料から調査します。必要に応じて、本人への開示要求、証拠保全、裁判上の手続を検討します。

Q4 退職者のパソコンを初期化してもよいですか

社用パソコンであっても、初期化すると情報持ち出しを示すログや削除ファイルなどが失われる可能性があります。

問題が疑われる場合には、初期化や他の従業員への再貸与をいったん控え、証拠を保全してから対応を決めることが重要です。

Q5 転職先へ直接連絡してもよいですか

証拠と法的根拠を整理したうえで、転職先に対して情報を使用しないよう通知することは考えられます。

しかし、証拠がないまま「営業秘密を盗んだ人物である」などと伝えると、退職者との新たな紛争を招く可能性があります。連絡前に弁護士へ相談することをおすすめします。

Q6 会社に実害が出ていなくても対応できますか

営業秘密が使用・開示されるおそれがあり、会社の営業上の利益が侵害される可能性がある場合には、実際の売上減少が生じる前でも差止めを検討できることがあります。

早期の証拠保全と事実調査が重要です。

まとめ

退職者による顧客情報や営業秘密の持ち出しが疑われる場合には、まず証拠を保全し、持ち出された情報と持ち出し方法を具体的に特定する必要があります。

対応のポイントは、次のとおりです。

  • 関係者を限定し、秘密裏に初期調査を行う
  • アクセスログ、メール、端末などの証拠を保全する
  • アカウント停止前に必要なログを保存する
  • 持ち出された情報を具体的に特定する
  • 営業秘密の3要件を満たすか確認する
  • 個人情報保護委員会への報告・本人通知の要否を検討する
  • 退職者や転職先への通知は証拠保全後に行う
  • 必要に応じて差止め、仮処分、損害賠償、刑事対応を検討する

情報持ち出し事件では、対応が遅れるほど、情報が転職先や第三者へ拡散し、証拠が失われるおそれがあります。

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、仙台・宮城を中心に、退職者による顧客情報・営業秘密の持ち出し、競業行為、顧客勧誘、秘密保持契約、損害賠償など、企業の情報管理に関するご相談をお受けしています。

「退職直前に大量のデータがダウンロードされている」「元従業員から顧客への勧誘が始まった」「転職先で自社資料が使われている可能性がある」といった場合には、退職者へ連絡する前に、早めに当事務所へご相談ください。

※本記事は令和8年(2026年)9月時点の法令・公表資料に基づく一般的な説明です。個別の事案では、対象情報の内容、管理状況、持ち出し方法、契約条項、証拠などによって適切な対応が異なります。

【参考資料】

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