コラム「保釈とは?保釈の現状・要件・保証金を弁護士が解説」

Ⅰ 保釈とは何か|刑事事件における重要性

保釈とは、起訴後に勾留されている被告人について、一定の条件のもとで身柄拘束を解き、社会生活を送りながら裁判を受けることを認める制度です。

刑事事件において身体拘束が長期化することは、仕事・家族関係・社会的信用に極めて大きな影響を及ぼします。そのため、
👉 早期に保釈を実現できるかどうかは、刑事弁護における最重要課題の一つ
といえます。


Ⅱ 保釈の現状|日本の保釈率は高いとは言えない

近年、日本における保釈率は緩やかに上昇しています。

  • 令和2年度
    • 勾留された人員:49,216人
    • 保釈された人員:15,431人
    • 保釈率:約31.35%

また、平成28年から令和元年までの推移を見ると、

  • 平成28年:30.47%
  • 平成29年:32.47%
  • 平成30年:33.35%
  • 令和元年:32.87%

と、30%台を維持しているものの、決して高い水準とは言えません。

保釈率を見る際の注意点

この保釈率には、

  • 第1回公判後の保釈
  • 結審後、判決前の短期間の保釈

も含まれています。

否認事件や裁判員裁判では、起訴から初公判まで長期間を要することも多く、実質的には長期間身体拘束が続くケースも少なくありません。

だからこそ、
弁護人による早期・的確な保釈活動が極めて重要
となります。


Ⅲ 保釈の要件|いつ・どのように認められるのか

1 保釈は「起訴後」に請求できる(刑訴法88条)

保釈は、起訴された後にはじめて請求可能です。
一般的な流れは次のとおりです。

  1. 保釈請求書の提出
  2. 検察官の意見聴取
  3. 裁判官との面接
  4. 保釈許可または却下の決定

Ⅳ 権利保釈とは|刑事訴訟法89条

刑事訴訟法89条各号の除外事由がなければ、保釈は「権利」として認められます。

主な除外事由(概要)

  • ① 重罪事件(死刑・無期・長期懲役が予定される罪)
  • ② 一定の前科がある場合
  • ③ 常習性が認められる場合
  • ④ 罪証隠滅のおそれ
  • ⑤ 被害者・証人への働きかけのおそれ
  • ⑥ 逃亡のおそれ

もっとも、これらに形式的に該当しても、直ちに保釈が不可能になるわけではありません。


Ⅴ 裁量保釈とは|平成28年改正で重要性が拡大

裁量保釈(刑訴法90条)

権利保釈の除外事由がある場合でも、
裁判所が「適当」と判断すれば、職権で保釈を許可できます。

平成28年の法改正により、裁判所が考慮すべき事情が明確化されました。

裁判所が考慮する主な事情

  • 逃亡・罪証隠滅のおそれの程度
  • 身体拘束が続くことによる
    • 健康上の不利益
    • 経済的影響
    • 社会生活への支障
    • 防御権行使への影響

裁量保釈を実現するために重要な主張例

  • 捜査がほぼ終了していること
  • 関係者との接触のおそれがないこと
  • 示談成立や被害回復の状況
  • 家族・雇用主などの身元引受人の存在
  • 定職・住居が安定していること
  • 偶発的犯行で再犯のおそれが低いこと

👉 具体的な事実・資料を示して説得的に主張できるかが、結果を大きく左右します。


Ⅵ 保釈保証金はいくらか|相場と減額の可能性

一般的な相場

  • 約150万円~300万円程度

ただし、刑事訴訟法93条2項により、

  • 犯罪の性質・内容
  • 被告人の資産・収入
  • 性格・生活状況

などを考慮し、「相当な金額」でなければならないとされています。

そのため、

  • 資力が乏しい
  • 逃亡のおそれが低い

といった事情を丁寧に主張・立証すれば、
👉 150万円未満となるケースも実際に存在します。


Ⅶ 保釈が却下された場合の対応

保釈が却下されても、

  • 準抗告
  • 抗告
  • 再度の保釈請求

など、引き続き身体解放を目指す手段は残されています。

あきらめず、状況の変化や追加資料を踏まえて再チャレンジすることが重要です。


Ⅷ 弁護士に早期相談する重要性

保釈は、

  • 弁護士の経験・判断力・主張の組み立て方
  • 裁判官・検察官への説明力

によって、結果が大きく左右されます。

特に、
「起訴直後の初回保釈請求」
が極めて重要です。


Ⅸ 最後に|刑事事件・保釈のご相談はお早めに

保釈は、被告人本人だけでなく、
ご家族の生活・将来を守るためにも極めて重要な制度です。

結の杜総合法律事務所では、

  • 刑事事件の今後の見通し
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