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コラム「相続における寄与分・特別寄与料とは?」

2024-12-13

1. はじめに

被相続人(亡くなられた方)を介護したり、一緒に仕事をするなどして財産の維持・増加に貢献した方は、相続の際にどのような取り扱いを受けるのでしょうか?

本記事では、相続における「寄与分」と「特別寄与料」について、要件や請求方法をわかりやすく解説します。

2. 寄与分とは?

寄与分とは、相続人の中で特別な貢献をした方に対し、法定相続分より多くの遺産を取得できる制度です。これにより、相続人間の公平が図られます。

2-1. 寄与分が認められる要件

寄与分が認められるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 特別な貢献があること
    • 一般的な親族間の扶養義務を超えた貢献が必要です。
    • 例:日常的な買い物の付き添い程度では不十分。
  • 相続開始前の行為であること
    • 被相続人が亡くなった後の葬儀や遺品整理などは寄与分に該当しません。
  • 被相続人の財産の維持・増加に貢献していること
    • 具体的に財産を守った、または増やした事実が求められます。
  • 無償で行われたこと
    • 介護や事業への関与などが報酬を受けずに行われていた必要があります。

2-2. 寄与行為の具体例

寄与分として認められる主な行為は、以下の5つに分類されます。

  1. 家事従事型(家業や事業に無償で従事)
  2. 金銭等出資型(被相続人の事業や生活のために資金を提供)
  3. 療養看護型(長期間にわたる介護)
  4. 扶養型(生活費負担などで被相続人の財産減少を防ぐ)
  5. 財産管理型(不動産管理や投資などを行い財産を増加させる)

2-3. 寄与分の主張期限

寄与分は、原則として相続開始から10年以内に主張する必要があります。

ただし、2023年4月1日以前に開始した相続では、相続開始から10年経過時点と2028年3月31日のいずれか遅い方まで主張可能です。

3. 特別寄与料とは?

特別寄与料とは、被相続人に無償で療養介護などを行い、財産の維持・増加に貢献した相続人以外の親族が相続人に対し請求できる金銭です。

3-1. 特別寄与料の要件

  • 相続人ではない親族であること(6親等以内の血族・配偶者・3親等以内の姻族)
  • 特別の寄与があること(長期間の無償介護など)
  • 無償で行われたこと(給与や報酬を受けていない)

3-2. 特別寄与料の請求方法

特別寄与料は、相続人との協議で決定します。

協議がまとまらない場合、相続開始及び相続人を知った日から6か月以内または相続開始から1年以内に家庭裁判所へ調停・審判を申し立てる必要があります。

ただし、2019年7月1日より前に開始した相続には特別寄与料の制度は適用されません。

4. まとめ

寄与分・特別寄与料は、相続において重要な役割を持つ制度です。

  • 相続人であれば寄与分を主張可能(ただし、特別な貢献が必要)
  • 相続人でない親族も特別寄与料を請求可能(療養介護などの無償の貢献が前提)

寄与分や特別寄与料の具体的な算定方法や調停・審判の手続きについて詳しく知りたい方は、ぜひ結の杜総合法律事務所へご相談ください。

専門の弁護士が丁寧にご説明し、最適な解決策をご提案いたします。

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コラム「【完全解説】相続時の配偶者居住権・配偶者短期居住権とは?」

2024-11-29

1. 配偶者居住権・配偶者短期居住権とは?

 配偶者が亡くなった後も、残された配偶者がそのまま自宅に住み続けられるのか、不安に思う方も多いでしょう。相続が発生すると、他の相続人との関係で、配偶者が自宅の権利を直ちに得られない可能性があります。そのため、2018年の民法改正により「配偶者居住権」と「配偶者短期居住権」が創設され、2020年4月1日より施行されました。

 このコラムでは、配偶者居住権・配偶者短期居住権の違いやメリット、注意点を詳しく解説します。


2. 配偶者居住権とは?

 配偶者居住権は、被相続人が所有していた建物に住み続ける権利を、配偶者に認める制度です。相続発生後も、配偶者は無償でその建物を使用し続けることができます。

◼️ 配偶者居住権が成立する条件

  • 相続開始時に、配偶者が被相続人所有の建物に住んでいたこと
  • 遺産分割で配偶者居住権を取得することが決まった場合、または遺贈の対象とされた場合
  • その建物が、被相続人の単独所有または被相続人と配偶者の共有であること

◼️ 配偶者居住権の期間

 原則として、配偶者が生存している限り有効です。ただし、遺産分割協議や遺言によって異なる取り決めが可能です。

◼️ 配偶者居住権の評価額の計算式

  配偶者居住権には財産的価値があり、相続税の対象となります。一般的な評価方法は以下の通りです。

配偶者居住権の価額 = 建物敷地の現在価額 - 配偶者居住権付所有権の価額

3. 配偶者短期居住権とは?

 一方で、遺産分割が完了する前に、配偶者の住む権利が不安定にならないように設けられたのが配偶者短期居住権です。

◼️ 配偶者短期居住権の条件

  • 配偶者が相続開始時に、被相続人所有の建物に無償で住んでいたこと
  • 遺産分割が完了していない、または遺贈がない場合

◼️ 居住できる期間

  • 「遺産分割で建物の帰属が確定した日」または「相続開始から6ヶ月経過した日」のいずれか遅い日まで
  • 建物が第三者に遺贈された場合は、所有者が配偶者に対し消滅申入れを行ってから6ヶ月間

◼️ 相続税との関係

 配偶者短期居住権は「使用借権」に類似した法定債権であるため、財産価値がゼロとされ、相続税の課税対象にはなりません。


4. まとめ:配偶者居住権を活用して安心の相続対策を!

 配偶者居住権と配偶者短期居住権を正しく理解し、適切に活用することで、残された配偶者の生活を守ることができます。

  • 配偶者居住権:終身にわたり住み続けることができるが、相続税の課税対象となる
  • 配偶者短期居住権:相続発生後、一定期間無償で住めるが、財産価値はゼロ

 相続手続きをスムーズに進めるためには、遺言の作成や相続対策の事前準備が重要です。

 「具体的にどう手続きすればいいの?」「相続税がどのくらいかかるの?」といった疑問がある方は、ぜひ結の杜総合法律事務所までご相談ください。

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コラム「法人破産とは?手続きの流れとメリット・デメリットを解説」

2024-11-14

 経営が厳しくなり、資金繰りが困難な状況に陥った場合、会社の将来について悩む方は多いでしょう。 法人が取ることのできる手続きとしては、『民事再生・会社更生(再建型)』や、『特別清算・破産(清算型)』などがあります。

 本記事では、『法人破産(会社破産)』の手続きについて、詳しく解説します。


1. 法人破産とは?

 法人破産とは、支払不能・債務超過に陥った会社を清算するための法的手続きです。裁判所へ破産申立を行い、破産手続きが開始されると、裁判所が選任した破産管財人が財産の管理・処分を行い、債権者に分配を行います。

法人破産のポイント

借金返済の義務がなくなる(法人の債務が消滅)
債権者からの取り立てが止まる
経営者個人が連帯保証している場合、個人破産の可能性も


2. 法人破産のメリットとデメリット

【メリット】

① 債権者からの取り立てを止められる
 弁護士が破産手続きを受任すると、債権者へ受任通知を送付し、以降の連絡・交渉を弁護士が対応します。これにより、経営者が直接対応する必要がなくなり、精神的負担が軽減されます。

② 会社の借金が免除される
 破産手続きが完了すると、法人の借金はすべて消滅し、返済義務はなくなります。

③ 債権者も「貸倒処理」が可能
 破産により、債権者は貸倒損失として処理できるため、適切な解決策となることがあります。


【デメリット】

① 事業継続が不可能になる
 破産手続きが完了すると、会社は法人格を消滅させるため、事業を継続することはできません

② 従業員の雇用が終了する
 会社が破産すると、従業員は全員解雇となるため、適切な対応が必要です。

③ 取引先や関係者の信用を失う可能性
 破産により、取引先や金融機関との信用が失われることもありますが、適切な手続きを踏むことで法的に整理することが可能です。


3. 法人破産の流れ

① 弁護士に相談(無料相談あり)
 まずは弁護士に相談し、会社の財務状況を確認します。

② 受任通知の送付
 弁護士が債権者へ通知を送り、取り立てをストップさせます。

③ 必要書類の準備
 財務資料や契約書などを弁護士と共に準備します。

④ 裁判所へ破産申立
 必要書類が揃い次第、裁判所へ破産手続きを申立てます。

⑤ 破産手続開始(破産管財人の選任)
 裁判所が破産手続開始決定を行い、破産管財人が会社の財産を管理します。

⑥ 債権者集会の実施
 債権者集会で財産の状況や配当について説明が行われます。

⑦ 債務確定・配当手続き
 会社の財産を換価(現金化)し、債権者への配当を実施します。

⑧ 破産手続の終結
 配当が終了すると、会社は法人格を消滅し、清算が完了します。


4. まとめ:法人破産は早めの相談がカギ

 法人破産は、借金問題を法的に解決する手続きですが、 「本当に破産すべきなのか?」「他に選択肢はないのか?」と悩む方も多いでしょう。

 当事務所では、初回無料相談を実施しており、 専門の弁護士が状況に応じた最適な解決策をご提案します。

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🔹 法人破産の詳細な解説 → [法人破産(会社破産)ページ]

 お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

コラム「相続登記を放置するとどうなる?義務化とリスクを徹底解説」

2024-11-01

こんなお悩みはありませんか?

  • 「遺産分割がまとまらず、土地の名義が亡くなった方のままになっている」
  • 「長年放置していたら相続人が増え、手続きが複雑になってしまった」

 相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産の名義を相続人に変更する手続きのことです。

 しかし、相続登記をせずに放置すると、相続人が増え、名義変更がますます難しくなるだけでなく、不動産の売却ができない、税金トラブルが発生するなどのリスクがあります。

 さらに、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化され、違反すると過料が科される可能性があるため、注意が必要です。


相続登記の義務化とは?

 法改正により、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。主な内容は以下のとおりです。

✅ 相続登記の義務と期限

  1. 相続によって不動産を取得した相続人(遺言も含む)は、取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
  2. 遺産分割協議によって不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に相続登記をする必要があります。
  3. 過去の相続も対象
    1. 2024年4月1日より前に相続が発生している場合でも、2027年3月31日までに相続登記を完了しなければなりません。

✅ 義務違反のペナルティ

 正当な理由なく上記の期限を超えて相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。


相続登記を放置すると発生するリスク

 相続登記を放置すると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

❌ 不動産の売却ができない

 登記上の名義人が亡くなったままだと、売却や担保設定ができず、不動産の有効活用が難しくなります。

❌ 相続人が増えて手続きが複雑化

 時間が経過するほど相続人の数が増え、遺産分割協議が困難になります。最悪の場合、数十人規模の協議が必要になることも。

❌ 税金や管理トラブルが発生

 固定資産税の納付や管理責任が不明確になり、トラブルが発生するケースもあります。


相続登記をスムーズに行うためには?

 相続登記を迅速に進めるためには、弁護士に相談するのが有効です。

🎯 結の杜総合法律事務所のサポート内容

✅ 遺産分割協議・調停の手続きの流れを丁寧に説明 ✅ 遺産分割がまとまらない場合の解決策を提案 ✅ 相続人が多数に及ぶ場合の手続きサポート

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相続登記を放置すると、後々大きな問題に発展する可能性があります。早めの対応が重要ですので、お気軽にご相談ください!

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コラム「相続における『特別縁故者』とは?条件や手続き、実際の事例を解説」

2024-10-18

特別縁故者とは?相続できる条件と基準

 相続では、原則として法定相続人のみが遺産を取得できます。しかし、被相続人(亡くなった方)に相続人がいない場合、遺産は最終的に国庫に帰属してしまいます。

 しかし、被相続人に配偶者や子どもがおらず、親族や知人が生前に介護や生活の支援をしていた場合、その方々が一切の遺産を受け取れないのは不公平に思えることもあるでしょう。

 そこで民法では、「特別縁故者」として認められた場合に限り、家庭裁判所の決定によって相続財産の一部または全部を受け取ることができると規定されています(民法958条の2)。

特別縁故者に該当する可能性があるのはどんな人?

 特別縁故者として認められる可能性があるのは、以下のような方々です。

  • 被相続人と生計を共にしていた人(内縁の配偶者、同居していた親族など)
  • 被相続人の療養看護に努めた人(長年介護をしていた人、医療費を支援していた人など)
  • その他、被相続人と特別な縁故があった人(長年の支援者や恩人など)

 裁判所は、

  • 被相続人の意向
  • 血縁関係の有無
  • 生前の交流の度合い
  • 被相続人が精神的・物質的に受けた恩恵の程度
  • 死後の供養の状況

などの事情を総合的に考慮し、特別縁故者に該当するかどうかを判断します。(大阪高裁決定 昭和44年12月24日 判タ255・317)

実際の成功事例:9,000万円の相続財産分与を獲得!

 結の杜総合法律事務所では、特別縁故者に関する豊富な実績があります。

 例えば、相続人のいない被相続人が約1億1,000万円の遺産を残して亡くなったケースにおいて、長年身の回りの世話をしていた親族の代理人として特別縁故者による相続財産分与の申立てを行いました。その結果、9,000万円の分与を獲得することに成功しました。

特別縁故者として遺産を受け取るための手続き

 特別縁故者として相続財産を受け取るためには、以下の手続きが必要です。

  1. 相続財産清算人の選任申立て(家庭裁判所に申請)
  2. 相続財産管理人による相続財産の処分・債務整理(相続財産を現金化し、債務があれば整理される)
  3. 特別縁故者による相続財産分与の申立て
  4. 家庭裁判所の判断・決定(分与の可否と割合が決まる)

 これらの手続きは専門的で複雑ですが、当事務所では特別縁故者としての認定の可能性や相続財産分与の見込みについて、丁寧にご説明いたします。

まずはお気軽にご相談ください(初回相談無料)

 結の杜総合法律事務所では、五橋本店・泉中央支店にて新規のお客様は初回相談無料で承っております。

  • 特別縁故者に該当するか知りたい
  • どの程度の遺産が分与される可能性があるか知りたい
  • 相続財産清算人の選任や申立て手続きについて詳しく知りたい

 このようなお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な弁護士が、あなたの状況に応じた最適なアドバイスをいたします。

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コラム「【相続の話】相続法改正のポイント」

2019-08-25

平成30年7月に,約40年ぶりに相続法が大きく改正されました。すでに施行されているものもありますが,以下,主な改正のポイントをご紹介します。

1 配偶者の居住権を保護するための方策

① 配偶者短期居住権の新設(令和2年4月1日施行)

 被相続人の配偶者は,被相続人の財産に属した建物に相続開始時の時に無償で居住していたときは,遺産分割によりその建物の帰属が確定した日また相続開始の時から6カ月を経過する日のずれか遅い日までの間,その建物を無償で使用できる。

・相続放棄をした場合や遺言により相続分のゼロと指定された場合等は配偶者短期居住権は含まない。

・上記のほか居住建物を配偶者以外の相続人に相続させる旨の遺言がある場合等は,その建物の所有権を取得した者が配偶者短期居住権の消滅を申入れた日から6か月を経過するまでの間。

② 配偶者居住権の新設(令和2年4月1日施行)

 配偶者は,被相続人の財産に属した建物に相続開始時の時に居住していた場合で,遺産分割によって配偶者居住権を取得するものとされた時,配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき,のいずれかに該当するときは,その建物全部について無償で使用収益する権利を取得する。

・配偶者居住権の存続期間は,遺産分割において自由に定めることができる。定めがないときは,終身。

・登記可。

2 遺産分割等に関する見直し

① 配偶者保護のための方策(持ち戻し免除の意思表示推定規定)(令和元年7月1日施行)

 婚姻期間が20年以上の夫婦間で,居住用不動産の遺贈又は贈与がされたときは,持ち戻し免除の意思表示があったと推定。

② 遺産分割前の払戻し制度の創設等(令和元年7月1日施行)

 相続人は,遺産に属する預貯金のうち,その相続開始時の金額の3分の1に当該相続人の法定相続分を乗じた額については,他の相続人の同意がなくても単独で払戻しをすることができる。ただし,金融機関ごとの上限は150万円。

③ 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲(令和元年7月1日施行)

 遺産分割前に遺産に属する財産が処分された場合,相続人全員の同意があれば,当該処分された財産が遺産分割時に遺産として存在するものとみなされる。なお,相続人の一人又は数人より財産処分がされたときは,当該相続人の同意は不要。

3 遺言制度に関する見直し

① 自筆証書遺言の方式緩和(平成31年1月13日施行)

 自筆証書遺言に財産目録を添付する場合,当該財産目録は自筆ではなく,パソコン,ワープロ,代筆,登記や通帳の写しを添付する方法等で作成してもよい。なお,各ページに署名押印が必要。

② 遺言執行者の権限の明確化(令和元年7月1日施行)

③ 公的機関(法務局)における自筆証書遺言の保管制度の創設(令和2年7月10日施行)

・自筆証書遺言の場合,通常,家庭裁判所での検認が必要であるが,この場合は検認が不要になる。

4 遺留分制度に関する見直し

 遺留分権の行使によって,遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずることとなった(遺留分侵害額請求)。

(令和元年7月1日施行)

5 相続の効力等に関する見直し

 遺言等により承継された財産のうち,相続分を超える部分については,登記等の対抗要件がなければ第三者に対抗できない。

(令和元年7月1日施行)

6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより,被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族は,相続開始後,相続人に対し,特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求できる。

(令和元年7月1日施行)

結の杜総合法律事務所では,遺産相続に関するご相談はもちろん,遺産分割手続の流れや利用の適否,実際にかかる料金等を事前に直接弁護士より丁寧にご説明させて頂いております。説明を聞き,ご納得された上でお申込み頂けます。また,無理な勧誘なども一切しておりません。
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コラム「自宅を手放さずに借金の整理をする方法」

2017-08-02

 自宅を所有している方が,多額の借金を理由に自己破産をすると,借金の支払義務はなくなりますが,自宅も手放さざるを得なくなります。

 しかし,自宅を手放さずに借金を整理する方法もあります。

 

(1)任意整理又は特定調停

 これは債権者との間で,分割払いを求めて交渉・協議を行う手続きです。債権者との間で,交渉・協議が成立すれば,もちろん自宅を手放す必要はありません。

 しかし,これはあくまでも債権者の同意がなければ成立させることはできませんので,債権者が分割払いに応じてくれない場合や,分割払いに応じたとしても毎月の支払額等で折り合いがつかない場合には,この手続きによる解決は難しくなります。

 また,任意整理や特定調停では,原則として元本カットは困難であると言わざるを得ません。

 

(2)個人再生手続

 この手続では,将来において継続的又は反復した収入を得る見込みがあるサラリーマンや個人事業主等(法人は除外)が,裁判所に申立を行い,その認可決定を得ることによって,「最低弁済額」といわれる一定の額(元本カットが可能)を原則3年間で支払うことにより,残額について免除を受けることができます。

 そして,個人再生手続の大きな特徴としては,①住宅ローンを抱えている場合でも,自宅を手放すことなく,元本カットを伴う債務整理ができること(ただし,一定の要件があります。),また,②借金の原因が浪費やギャンブル等の問題がある行為(これを「免責不許可事由」といいます。)で自己破産手続をとることが出来ない場合でも利用できるということ等が挙げられます。

 そのため,住宅ローンがある方で,自宅を手放したくないという場合には,任意整理や特定調停のほか,個人再生手続の利用も検討すべきでしょう。

 

 結の杜総合法律事務所では,手続の流れや,利用の適否,実際にかかる料金等を事前に直接弁護士より丁寧にご説明させて頂いております。説明を聞き,ご納得された上でお申込み頂けます。また,無理な勧誘なども一切しておりません。

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コラム「遺産分割協議と成年後見制度|認知症の親がいる場合の対応」

2017-05-02

遺産分割協議は可能? 認知症の親がいるケース

「父が亡くなり、遺産分割協議をしなくてはなりませんが、母が認知症で施設に入所しています。このような場合でも遺産分割を進めることはできるのでしょうか?」

遺産分割協議を成立させるには、相続人全員の合意が必要です。しかし、相続人の中に認知症や精神障害などで判断能力が欠けている方がいる場合、その方を交えた遺産分割協議は無効となります。

成年後見制度を利用する方法

判断能力がない相続人がいる場合、まず家庭裁判所に**「後見開始の審判」**を申し立て、成年後見人を選任してもらう必要があります。成年後見人が選任されると、その方が被後見人(認知症の親など)を代理し、遺産分割協議に参加できます。

ただし、成年後見人が他の相続人である場合、そのまま遺産分割協議を行うと利益相反が生じます。そのため、以下の方法で手続きを進めることになります。

  1. 成年後見監督人がいる場合 → 成年後見監督人が被後見人を代理する

  2. 成年後見監督人がいない場合 → 家庭裁判所に「特別代理人の選任」を申し立て、特別代理人が遺産分割協議を行う

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コラム「【相続の話】預貯金と遺産分割(最高裁平成28年12月19日決定)」

2017-03-01

「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。」(最高裁平成28年12月19日決定)

従来,預貯金債権は相続の開始と同時に当然に,つまり遺産分割協議を経ることなく各相続人間において法定相続分に従って分割,取得されるものと考えられてきました。このような考え方によると,各相続人は,自己が取得した預貯金債権を他の相続人の同意なく単独で行使することができ,それぞれ金融機関に払い戻しを請求できることになります。

しかし,実務上は,遺産分割手続において,預貯金債権も遺産分割の対象とする運用が広く行われてきました。

上記最高裁決定は,このような実務上の運用や預貯金債権の内容及び性質を踏まえ,預貯金債権は相続開始と同時に当然には分割されず,遺産分割の対象となる旨判示し,従来の判例を変更しました。

これにより,今後は金融機関において,遺産分割協議を経ずに払い戻しを受けることは難しくなると考えられます。

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コラム「【国税不服申立制度とは?】改正後の手続きとポイントを解説」

2016-07-01

国税不服申立制度とは?

国税不服申立制度とは、税務署長等が行った更正処分などに不服がある場合に、その処分の取消しや変更を求めるための制度です。
平成26年に行政不服審査法が大幅に改正され、それに伴い国税通則法も改正されました。

今回の改正により、手続きの流れや申し立ての選択肢が広がり、納税者にとってより利用しやすい制度となりました。


【改正前後の手続きの違い】

📌 改正前の手続き

1️⃣ 異議申立(処分後2か月以内に税務署長等に申し立て)

2️⃣ 審査請求(異議決定に不服がある場合、決定後1か月以内に国税不服審判所長に申し立て)

3️⃣ 訴訟提起(裁決に不服がある場合、6か月以内に裁判所へ提訴)

📌 改正後の手続き(現行制度)

1️⃣ 再調査の請求 or 審査請求(処分後3か月以内に申立て可能)
「異議申立」は「再調査の請求」に名称変更
申立期間が「2か月」から「3か月」に延長

2️⃣ 審査請求(再調査の請求に不服がある場合、決定後1か月以内)
改正前は異議申立を経なければ審査請求できなかったが、改正後は自由に選択可能

3️⃣ 訴訟提起(裁決に不服がある場合、6か月以内に提訴)

このように改正後は、「異議申立」の廃止や**「直接審査請求が可能」**など、手続きの選択肢が増えています。


【改正によるその他の変更点】

証拠書類等の閲覧・写しの交付が可能に(改正前は閲覧のみ)
口頭意見陳述の際に、税務署長等への質問権が新設
審理手続の計画的遂行(口頭意見陳述や証拠書類提出要求の明確化)

これにより、納税者がより適正な判断を求めやすくなっています。


【国税不服申立を検討されている方へ】

国税不服申立制度は、適切に活用すれば不当な税務処分を取り消すことが可能ですが、
どの手続きを選択すべきか
申立の根拠となる証拠の準備
審査請求・訴訟へ進むべきかの判断
といった専門的な知識が必要になります。

当事務所では、国税不服申立の流れや費用、成功の可能性について、弁護士が丁寧にご説明いたします。
無理な勧誘は一切ありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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結の杜総合法律事務所代表高橋が代表を務める税理士法人s.m.consultingのホームページはこちら

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