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コラム「【弁護士が解説】交通事故の被害者が請求できる損害とは?補償の全リスト」

2025-03-10

交通事故の被害者が請求できる損害とは?

 交通事故の被害者になってしまった場合、加害者に対してどのような損害を請求できるのでしょうか?

 加害者が任意保険に加入している場合、通常、保険会社が窓口となり交渉を進めます。しかし、被害者自身が「請求できる損害」を正しく把握していないと、十分な補償を受けられないケースもあります。そこで、請求できる主な損害について詳しく解説します。


1. 物的損害(財産的損害)

車両損害

  • 修理費:修理可能な場合は、必要かつ相当な修理費を請求可能。
  • 買替差額:修理不能や重大な損傷の場合、事故当時の車両価格と売却代金の差額を請求可能。
  • 買替諸費用:自動車取得税、自動車重量税、登録法定費用なども補償対象。

代車使用料

 事故による修理期間中に必要な代車費用を請求可能。

休車損害

 営業車が損傷した場合、修理期間中の営業損失を請求可能。

評価損(格落ち損害)

 修理後も機能や価値が下がった場合、事故前後の価格差を請求可能。


2. 人身損害(怪我・死亡による損害)

治療費

入院・通院付添費

 医師の指示や年齢・症状に応じて認められる。

将来介護費

 後遺障害が残り介護が必要な場合、長期的な介護費を請求可能。

入院雑費・通院交通費・装具購入費

葬儀費用(死亡事故の場合)

休業損害

 事故前の収入を基に、休業による減収分を請求可能。

後遺障害による逸失利益

 後遺障害で労働能力が低下した場合、将来的な収入減を請求可能。

死亡による逸失利益

 死亡しなければ得られたであろう収入から生活費を控除した額を請求可能。

慰謝料(傷害・後遺障害・死亡慰謝料)

 ただし、物損のみの場合、慰謝料は原則認められない。


3. 保険会社との示談交渉に注意!

 保険会社の示談金提示額は、裁判基準と比べて低額になることが多いです。そのため、示談の提案を受けた際は、請求できる損害がすべて含まれているか、金額が適正かを弁護士に確認することをおすすめします。


4. 弁護士に相談するメリット

 結の杜総合法律事務所では、交通事故の損害賠償について、弁護士が直接丁寧に説明し、納得いただいた上で対応いたします。無理な勧誘は一切ありません。

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コラム「強制執行で財産を差し押さえるには?債務者の財産を調べる方法」

2025-02-28

 「お金を払ってもらえない…」「判決を取ったのに回収できない…」そんなお悩みをお持ちの方へ。

 売掛金、請負代金、養育費、慰謝料など、支払い義務があるにもかかわらず相手が支払わない場合、まずは交渉を行うのが一般的です。しかし、話し合いでは解決しないケースも多く、その場合は法的手続きを進め、裁判で「債務名義(=強制執行の根拠となる書面)」を取得する必要があります(なお、債務名義取得までの流れは「債権回収」のページを御覧ください。)。

 では、債務名義を得た後、相手の財産をどのように特定し、回収につなげるのか?今回は、強制執行の前段階として重要な 「財産開示手続」と「第三者からの情報取得手続」 について分かりやすく解説します。


1. 債務者の財産を調べる方法

 債務者の財産を把握しなければ、差し押さえができません。しかし、債権者(お金を請求する側)が個人で財産を特定するのは簡単ではありません。

 そのため、以下の2つの方法を活用します。

(1)財産開示手続とは?

 財産開示手続 とは、裁判所の手続きにより、債務者に自身の財産状況を開示させる制度です。

  • 対象者:判決や公正証書などの債務名義を持つ金銭債権者
  • 開示対象:債務者の不動産、預貯金、給与、車などの財産
  • 手続きの流れ
    1. 債務者の住所地を管轄する裁判所に申し立てる
    2. 裁判所が「財産開示命令」を出す
    3. 債務者が財産目録を提出し、開示期日に裁判所で説明

違反すると罰則あり!

 債務者が開示を拒否したり、虚偽の報告をした場合、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金 が科される可能性があります。

(2)第三者からの情報取得手続とは?

 債務者本人に聞いても財産が分からない場合、第三者(銀行・勤務先・法務局など)から財産情報を取得する手続き を利用できます。

  • 取得できる情報の種類
    • 不動産情報(法務局から取得)
    • 給与情報(市町村・厚生年金機関から取得)
    • 預貯金情報(銀行・信用金庫・証券会社から取得)
  • 申立て条件
  • すでに強制執行を試みたが、回収できなかったこと
  • 財産開示手続を実施し、3年以内であること(預貯金情報の取得には不要)

2. 強制執行で財産を差し押さえる流れ

 債務者の財産を特定できたら、次はいよいよ 強制執行 の手続きを進めます。

  1. 裁判所に強制執行を申立て
  2. 裁判所が差押命令を発令
  3. 銀行・勤務先・不動産管理会社などに差押通知
  4. 債権者が回収(銀行預金の引き出し、給与の天引きなど)

強制執行が成功すれば、未回収の債権を回収できる可能性が高まります!


3. こんなお悩みはありませんか?

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コラム「中小企業の後継者問題解決策:MBOとM&Aの活用法」

2025-02-14

1. はじめに

 近年、多くの中小企業で後継者不足が深刻な課題となっています。事業の承継が難しくなり、廃業を余儀なくされるケースも増加しています。この問題は地域経済や日本経済にも大きな影響を与えており、解決策が求められています。

 この記事では、後継者問題に対する具体的な対応策として「MBO(マネジメント・バイアウト)」と「M&A(合併・買収)」について詳しく解説します。


2. 企業内承継(MBO)とは?

 MBO(マネジメント・バイアウト)とは、企業の経営陣や従業員が会社の株式を取得し、経営を引き継ぐ方法です。

MBOのメリット

  • 親族以外の有能な人材が後継者となれる
  • 既存の経営基盤や組織文化を維持できる
  • 従業員の理解を得やすい

MBOのデメリット

  • 株式譲渡や事業譲渡に必要な資金が不足しがち
  • 所有と経営が分離するリスクがある
  • 事業承継時の金融機関の対応が課題になることも

MBOの進め方

  1. 株式譲渡:現経営者が保有する株式を後継者が買い取る
    1. メリット:手続きが比較的簡単、経営の自由度が高い
    1. デメリット:不採算事業も承継する必要がある
  2. 事業譲渡:会社の一部または全事業を後継者に譲渡
    1. メリット:優良事業のみ引き継ぐことが可能
    1. デメリット:法人税が発生する、手続きが煩雑

MBOの資金調達方法

 後継者個人ではなく、新会社(SPC:特別目的会社)を設立し、金融機関からの融資を受ける方法が一般的です。これにより、後継者個人の負担を減らし、スムーズな事業承継が可能になります。


3. 企業外承継(M&A)とは?

 M&A(合併・買収)は、会社を親族や社内の人間ではなく、第三者へ譲渡する方法です。特に近年は、中小企業でもM&Aが積極的に活用されています。

M&Aのメリット

  • 同業他社との統合により、事業の継続・発展が期待できる
  • 経営者は会社を売却し、まとまった資産を得ることが可能
  • 事業のノウハウや信用をそのまま引き継げる

M&Aのデメリット

  • 適切な譲渡先を見つけるのが難しい
  • 希望する条件での譲渡が実現しない可能性がある
  • 取引先や従業員の反発を招くことがある

M&Aの進め方

  1. M&A戦略の立案
  2. 買収候補企業の選定
  3. 秘密保持契約(NDA)の締結
  4. 基本合意書の締結
  5. デューデリジェンス(企業価値の調査)
  6. 最終条件の交渉・契約書の締結
  7. クロージング(取引完了)

4. まとめ

 企業の存続と発展のためには、適切な後継者問題の解決が不可欠です。

  • MBOは社内の従業員に引き継ぐ方法で、経営の継続性を確保しやすい
  • M&Aは外部の第三者に譲渡することで、事業の新たな可能性を拓ける

 結の杜総合法律事務所では、後継者問題に悩む経営者の皆様をサポートします。弁護士と税理士が連携し、最適な承継方法をご提案いたします。

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コラム「【相続の話】生前贈与があると、遺産が減る?知っておくべき『特別受益』のルール」

2025-01-31

相続の際、「生前贈与を受けた人は遺産が少なくなるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

実は、相続人の中に生前贈与を受けた人がいると、その人が他の相続人と同じ割合で遺産をもらうと不公平になる場合があります。そのため、法律では「特別受益」というルールを設け、相続財産の計算方法を調整しています。

本コラムでは、生前贈与が相続にどう影響するのか、特別受益とは何か、具体的な計算方法についてわかりやすく解説します。


1. 特別受益とは?

「特別受益」とは、被相続人(亡くなった方)から生前に特別な贈与を受けた相続人がいる場合、その贈与分を考慮して相続財産を調整する制度です。

たとえば、被相続人が生前に子どもAに600万円を贈与していた場合、相続財産の分配に影響が出る可能性があります。

具体例

  • 相続財産:3000万円
  • 相続人:子どもA、B、C(各1/3ずつ)
  • Aは生前に600万円を贈与されていた

この場合、相続財産に600万円を加えた「3600万円」を基準に相続分を計算します。

  • 各相続人の基本相続分:3600万円 × 1/3 = 1200万円
  • Aの受け取る最終額:1200万円 - 600万円 = 600万円
  • BとCの受け取る額:各1200万円

このように、生前贈与を考慮することで、相続人間の公平性が保たれます。

2. 「持戻し免除」のルールとは?

被相続人が「生前贈与分は相続財産に含めない」と意思表示をしていた場合、「持戻し免除」が適用されます。これにより、生前贈与を受けた相続人が不利にならないケースもあります。

この意思表示は、

  • 明示(書面や口頭で明確に伝える)
  • 黙示(状況から判断できる)

どちらでも可能です。また、遺贈(遺言による財産の譲渡)の場合は、遺言書に記載が必要です。

3. 特別受益の期間制限

特別受益の持戻しには、期間制限があることにも注意しましょう。

重要なポイント

  • 遺産分割の請求は、相続開始から10年以内に行う必要がある
  • 生前贈与の持戻し対象は、相続開始前10年以内のものに限定される(遺留分を算定する場合)

この期間を過ぎると、特別受益を主張できなくなる可能性があります。遺産分割が長引かないよう、早めに対応することが大切です。

4. まとめ

生前贈与があると、相続財産の計算方法が変わることがあります。特別受益や持戻し免除のルールを理解し、相続トラブルを防ぎましょう。

「自分のケースではどうなるの?」と不安な方は、専門家に相談するのが一番です。

結の杜総合法律事務所では、相続に関するご相談を丁寧にサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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コラム「【相続対策】自筆証書遺言とは?書き方・メリット・デメリットを徹底解説!」

2025-01-17

「自筆証書遺言」とは、自分一人で手軽に作成できる遺言書のことです。
公証人に頼る必要がなく、費用もかかりませんが、書き方を間違えると無効になるリスクも。
本記事では、自筆証書遺言の正しい作成方法、メリット・デメリット、そして確実に遺言を残すためのポイントを解説します。


1. 自筆証書遺言とは?

自筆証書遺言は、自分の手で全文を直筆し、日付・氏名を記入して押印 することで作成できる遺言書です。
法律で決められたルールに従わなければ無効となるため、慎重に作成する必要があります。


2. 自筆証書遺言の正しい書き方【5つのルール】

  1. 全文を直筆する
    → パソコンやワープロはNG。ただし、「財産目録」はパソコンで作成OK(その場合、各ページに署名・押印が必要)。
  2. 日付を正確に書く
    → 「令和7年1月吉日」など曖昧な表記はNG。「2025年1月10日」など、具体的な日付を記載する。
  3. 氏名を記載する
    → 通称・ペンネームでも可。ただし、本人特定ができるものを使用する。
  4. 押印する
    → 実印でなくてもOK。認印・指印でも有効。
  5. 訂正する場合のルールを守る
    → 訂正箇所を明示し、署名・押印をする必要あり。

3. 自筆証書遺言のメリット・デメリット

メリット

  • いつでもどこでも書ける(公証人・証人不要)
  • 費用ゼロで作成可能
  • 内容を誰にも知られずに作成できる

デメリット

  • 紛失・改ざん・破棄のリスクがある
  • 書式ミスで無効になる可能性
  • 相続人が「検認手続」をしないと開封できない

4. 【注意】遺言書は「法務局」で保管できる!

「遺言が見つからない」「偽造されるかも…」と心配な方は、**法務局の「自筆証書遺言保管制度」**を活用しましょう。
法務局に預けておけば、原本とデータが長期間保管され、相続人に確実に遺言が伝わります。
さらに、家庭裁判所での「検認手続」が不要になるメリットも!

詳しくは専門家にご相談ください!


5. 失敗しない遺言書作成はプロに相談を!

自筆証書遺言は手軽ですが、法的なミスで無効になるケースが多いです。
「これで本当に大丈夫?」と不安な方は、ぜひ当事務所へご相談ください。

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コラム「相続における寄与分・特別寄与料とは?」

2024-12-13

1. はじめに

被相続人(亡くなられた方)を介護したり、一緒に仕事をするなどして財産の維持・増加に貢献した方は、相続の際にどのような取り扱いを受けるのでしょうか?

本記事では、相続における「寄与分」と「特別寄与料」について、要件や請求方法をわかりやすく解説します。

2. 寄与分とは?

寄与分とは、相続人の中で特別な貢献をした方に対し、法定相続分より多くの遺産を取得できる制度です。これにより、相続人間の公平が図られます。

2-1. 寄与分が認められる要件

寄与分が認められるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 特別な貢献があること
    • 一般的な親族間の扶養義務を超えた貢献が必要です。
    • 例:日常的な買い物の付き添い程度では不十分。
  • 相続開始前の行為であること
    • 被相続人が亡くなった後の葬儀や遺品整理などは寄与分に該当しません。
  • 被相続人の財産の維持・増加に貢献していること
    • 具体的に財産を守った、または増やした事実が求められます。
  • 無償で行われたこと
    • 介護や事業への関与などが報酬を受けずに行われていた必要があります。

2-2. 寄与行為の具体例

寄与分として認められる主な行為は、以下の5つに分類されます。

  1. 家事従事型(家業や事業に無償で従事)
  2. 金銭等出資型(被相続人の事業や生活のために資金を提供)
  3. 療養看護型(長期間にわたる介護)
  4. 扶養型(生活費負担などで被相続人の財産減少を防ぐ)
  5. 財産管理型(不動産管理や投資などを行い財産を増加させる)

2-3. 寄与分の主張期限

寄与分は、原則として相続開始から10年以内に主張する必要があります。

ただし、2023年4月1日以前に開始した相続では、相続開始から10年経過時点と2028年3月31日のいずれか遅い方まで主張可能です。

3. 特別寄与料とは?

特別寄与料とは、被相続人に無償で療養介護などを行い、財産の維持・増加に貢献した相続人以外の親族が相続人に対し請求できる金銭です。

3-1. 特別寄与料の要件

  • 相続人ではない親族であること(6親等以内の血族・配偶者・3親等以内の姻族)
  • 特別の寄与があること(長期間の無償介護など)
  • 無償で行われたこと(給与や報酬を受けていない)

3-2. 特別寄与料の請求方法

特別寄与料は、相続人との協議で決定します。

協議がまとまらない場合、相続開始及び相続人を知った日から6か月以内または相続開始から1年以内に家庭裁判所へ調停・審判を申し立てる必要があります。

ただし、2019年7月1日より前に開始した相続には特別寄与料の制度は適用されません。

4. まとめ

寄与分・特別寄与料は、相続において重要な役割を持つ制度です。

  • 相続人であれば寄与分を主張可能(ただし、特別な貢献が必要)
  • 相続人でない親族も特別寄与料を請求可能(療養介護などの無償の貢献が前提)

寄与分や特別寄与料の具体的な算定方法や調停・審判の手続きについて詳しく知りたい方は、ぜひ結の杜総合法律事務所へご相談ください。

専門の弁護士が丁寧にご説明し、最適な解決策をご提案いたします。

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コラム「【完全解説】相続時の配偶者居住権・配偶者短期居住権とは?」

2024-11-29

1. 配偶者居住権・配偶者短期居住権とは?

 配偶者が亡くなった後も、残された配偶者がそのまま自宅に住み続けられるのか、不安に思う方も多いでしょう。相続が発生すると、他の相続人との関係で、配偶者が自宅の権利を直ちに得られない可能性があります。そのため、2018年の民法改正により「配偶者居住権」と「配偶者短期居住権」が創設され、2020年4月1日より施行されました。

 このコラムでは、配偶者居住権・配偶者短期居住権の違いやメリット、注意点を詳しく解説します。


2. 配偶者居住権とは?

 配偶者居住権は、被相続人が所有していた建物に住み続ける権利を、配偶者に認める制度です。相続発生後も、配偶者は無償でその建物を使用し続けることができます。

◼️ 配偶者居住権が成立する条件

  • 相続開始時に、配偶者が被相続人所有の建物に住んでいたこと
  • 遺産分割で配偶者居住権を取得することが決まった場合、または遺贈の対象とされた場合
  • その建物が、被相続人の単独所有または被相続人と配偶者の共有であること

◼️ 配偶者居住権の期間

 原則として、配偶者が生存している限り有効です。ただし、遺産分割協議や遺言によって異なる取り決めが可能です。

◼️ 配偶者居住権の評価額の計算式

  配偶者居住権には財産的価値があり、相続税の対象となります。一般的な評価方法は以下の通りです。

配偶者居住権の価額 = 建物敷地の現在価額 - 配偶者居住権付所有権の価額

3. 配偶者短期居住権とは?

 一方で、遺産分割が完了する前に、配偶者の住む権利が不安定にならないように設けられたのが配偶者短期居住権です。

◼️ 配偶者短期居住権の条件

  • 配偶者が相続開始時に、被相続人所有の建物に無償で住んでいたこと
  • 遺産分割が完了していない、または遺贈がない場合

◼️ 居住できる期間

  • 「遺産分割で建物の帰属が確定した日」または「相続開始から6ヶ月経過した日」のいずれか遅い日まで
  • 建物が第三者に遺贈された場合は、所有者が配偶者に対し消滅申入れを行ってから6ヶ月間

◼️ 相続税との関係

 配偶者短期居住権は「使用借権」に類似した法定債権であるため、財産価値がゼロとされ、相続税の課税対象にはなりません。


4. まとめ:配偶者居住権を活用して安心の相続対策を!

 配偶者居住権と配偶者短期居住権を正しく理解し、適切に活用することで、残された配偶者の生活を守ることができます。

  • 配偶者居住権:終身にわたり住み続けることができるが、相続税の課税対象となる
  • 配偶者短期居住権:相続発生後、一定期間無償で住めるが、財産価値はゼロ

 相続手続きをスムーズに進めるためには、遺言の作成や相続対策の事前準備が重要です。

 「具体的にどう手続きすればいいの?」「相続税がどのくらいかかるの?」といった疑問がある方は、ぜひ結の杜総合法律事務所までご相談ください。

📞 無料相談受付中! 法律の専門家が、あなたの状況に応じた最適なアドバイスをいたします。

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コラム「法人破産とは?手続きの流れとメリット・デメリットを解説」

2024-11-14

 経営が厳しくなり、資金繰りが困難な状況に陥った場合、会社の将来について悩む方は多いでしょう。 法人が取ることのできる手続きとしては、『民事再生・会社更生(再建型)』や、『特別清算・破産(清算型)』などがあります。

 本記事では、『法人破産(会社破産)』の手続きについて、詳しく解説します。


1. 法人破産とは?

 法人破産とは、支払不能・債務超過に陥った会社を清算するための法的手続きです。裁判所へ破産申立を行い、破産手続きが開始されると、裁判所が選任した破産管財人が財産の管理・処分を行い、債権者に分配を行います。

法人破産のポイント

借金返済の義務がなくなる(法人の債務が消滅)
債権者からの取り立てが止まる
経営者個人が連帯保証している場合、個人破産の可能性も


2. 法人破産のメリットとデメリット

【メリット】

① 債権者からの取り立てを止められる
 弁護士が破産手続きを受任すると、債権者へ受任通知を送付し、以降の連絡・交渉を弁護士が対応します。これにより、経営者が直接対応する必要がなくなり、精神的負担が軽減されます。

② 会社の借金が免除される
 破産手続きが完了すると、法人の借金はすべて消滅し、返済義務はなくなります。

③ 債権者も「貸倒処理」が可能
 破産により、債権者は貸倒損失として処理できるため、適切な解決策となることがあります。


【デメリット】

① 事業継続が不可能になる
 破産手続きが完了すると、会社は法人格を消滅させるため、事業を継続することはできません

② 従業員の雇用が終了する
 会社が破産すると、従業員は全員解雇となるため、適切な対応が必要です。

③ 取引先や関係者の信用を失う可能性
 破産により、取引先や金融機関との信用が失われることもありますが、適切な手続きを踏むことで法的に整理することが可能です。


3. 法人破産の流れ

① 弁護士に相談(無料相談あり)
 まずは弁護士に相談し、会社の財務状況を確認します。

② 受任通知の送付
 弁護士が債権者へ通知を送り、取り立てをストップさせます。

③ 必要書類の準備
 財務資料や契約書などを弁護士と共に準備します。

④ 裁判所へ破産申立
 必要書類が揃い次第、裁判所へ破産手続きを申立てます。

⑤ 破産手続開始(破産管財人の選任)
 裁判所が破産手続開始決定を行い、破産管財人が会社の財産を管理します。

⑥ 債権者集会の実施
 債権者集会で財産の状況や配当について説明が行われます。

⑦ 債務確定・配当手続き
 会社の財産を換価(現金化)し、債権者への配当を実施します。

⑧ 破産手続の終結
 配当が終了すると、会社は法人格を消滅し、清算が完了します。


4. まとめ:法人破産は早めの相談がカギ

 法人破産は、借金問題を法的に解決する手続きですが、 「本当に破産すべきなのか?」「他に選択肢はないのか?」と悩む方も多いでしょう。

 当事務所では、初回無料相談を実施しており、 専門の弁護士が状況に応じた最適な解決策をご提案します。

🔹 無料相談のご予約はこちら → [お問い合わせページ]
🔹 法人破産の詳細な解説 → [法人破産(会社破産)ページ]

 お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

コラム「相続登記を放置するとどうなる?義務化とリスクを徹底解説」

2024-11-01

こんなお悩みはありませんか?

  • 「遺産分割がまとまらず、土地の名義が亡くなった方のままになっている」
  • 「長年放置していたら相続人が増え、手続きが複雑になってしまった」

 相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産の名義を相続人に変更する手続きのことです。

 しかし、相続登記をせずに放置すると、相続人が増え、名義変更がますます難しくなるだけでなく、不動産の売却ができない、税金トラブルが発生するなどのリスクがあります。

 さらに、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化され、違反すると過料が科される可能性があるため、注意が必要です。


相続登記の義務化とは?

 法改正により、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。主な内容は以下のとおりです。

✅ 相続登記の義務と期限

  1. 相続によって不動産を取得した相続人(遺言も含む)は、取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
  2. 遺産分割協議によって不動産を取得した相続人は、遺産分割協議が成立した日から3年以内に相続登記をする必要があります。
  3. 過去の相続も対象
    1. 2024年4月1日より前に相続が発生している場合でも、2027年3月31日までに相続登記を完了しなければなりません。

✅ 義務違反のペナルティ

 正当な理由なく上記の期限を超えて相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。


相続登記を放置すると発生するリスク

 相続登記を放置すると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。

❌ 不動産の売却ができない

 登記上の名義人が亡くなったままだと、売却や担保設定ができず、不動産の有効活用が難しくなります。

❌ 相続人が増えて手続きが複雑化

 時間が経過するほど相続人の数が増え、遺産分割協議が困難になります。最悪の場合、数十人規模の協議が必要になることも。

❌ 税金や管理トラブルが発生

 固定資産税の納付や管理責任が不明確になり、トラブルが発生するケースもあります。


相続登記をスムーズに行うためには?

 相続登記を迅速に進めるためには、弁護士に相談するのが有効です。

🎯 結の杜総合法律事務所のサポート内容

✅ 遺産分割協議・調停の手続きの流れを丁寧に説明 ✅ 遺産分割がまとまらない場合の解決策を提案 ✅ 相続人が多数に及ぶ場合の手続きサポート

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相続登記を放置すると、後々大きな問題に発展する可能性があります。早めの対応が重要ですので、お気軽にご相談ください!

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コラム「相続における『特別縁故者』とは?条件や手続き、実際の事例を解説」

2024-10-18

特別縁故者とは?相続できる条件と基準

 相続では、原則として法定相続人のみが遺産を取得できます。しかし、被相続人(亡くなった方)に相続人がいない場合、遺産は最終的に国庫に帰属してしまいます。

 しかし、被相続人に配偶者や子どもがおらず、親族や知人が生前に介護や生活の支援をしていた場合、その方々が一切の遺産を受け取れないのは不公平に思えることもあるでしょう。

 そこで民法では、「特別縁故者」として認められた場合に限り、家庭裁判所の決定によって相続財産の一部または全部を受け取ることができると規定されています(民法958条の2)。

特別縁故者に該当する可能性があるのはどんな人?

 特別縁故者として認められる可能性があるのは、以下のような方々です。

  • 被相続人と生計を共にしていた人(内縁の配偶者、同居していた親族など)
  • 被相続人の療養看護に努めた人(長年介護をしていた人、医療費を支援していた人など)
  • その他、被相続人と特別な縁故があった人(長年の支援者や恩人など)

 裁判所は、

  • 被相続人の意向
  • 血縁関係の有無
  • 生前の交流の度合い
  • 被相続人が精神的・物質的に受けた恩恵の程度
  • 死後の供養の状況

などの事情を総合的に考慮し、特別縁故者に該当するかどうかを判断します。(大阪高裁決定 昭和44年12月24日 判タ255・317)

実際の成功事例:9,000万円の相続財産分与を獲得!

 結の杜総合法律事務所では、特別縁故者に関する豊富な実績があります。

 例えば、相続人のいない被相続人が約1億1,000万円の遺産を残して亡くなったケースにおいて、長年身の回りの世話をしていた親族の代理人として特別縁故者による相続財産分与の申立てを行いました。その結果、9,000万円の分与を獲得することに成功しました。

特別縁故者として遺産を受け取るための手続き

 特別縁故者として相続財産を受け取るためには、以下の手続きが必要です。

  1. 相続財産清算人の選任申立て(家庭裁判所に申請)
  2. 相続財産管理人による相続財産の処分・債務整理(相続財産を現金化し、債務があれば整理される)
  3. 特別縁故者による相続財産分与の申立て
  4. 家庭裁判所の判断・決定(分与の可否と割合が決まる)

 これらの手続きは専門的で複雑ですが、当事務所では特別縁故者としての認定の可能性や相続財産分与の見込みについて、丁寧にご説明いたします。

まずはお気軽にご相談ください(初回相談無料)

 結の杜総合法律事務所では、五橋本店・泉中央支店にて新規のお客様は初回相談無料で承っております。

  • 特別縁故者に該当するか知りたい
  • どの程度の遺産が分与される可能性があるか知りたい
  • 相続財産清算人の選任や申立て手続きについて詳しく知りたい

 このようなお悩みがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な弁護士が、あなたの状況に応じた最適なアドバイスをいたします。

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