Author Archive

コラム「会社に対するインターネット上の誹謗中傷にはどのように対応すべきか(口コミ・掲示板・SNSの誹謗中傷への法的対応)」

2026-03-13

1 はじめに

近年、Google口コミ、SNS、掲示板サイト、口コミサイトなどにおいて、企業や店舗に対する誹謗中傷の投稿が増加しています。

例えば、

  • 「この会社は詐欺会社だ」
  • 「この会社の商品は危険だ」
  • 「ブラック企業なので絶対に働かない方がよい」

といった投稿がされると、企業の信用やブランドイメージが大きく毀損されるおそれがあります。

もっとも、インターネット上の投稿には表現の自由があるため、すべての投稿が違法になるわけではありません。
そのため、誹謗中傷を発見した場合には、まず

  • 法的に違法な投稿なのか
  • 削除請求や投稿者特定が可能なのか

を慎重に検討する必要があります。

本コラムでは、会社に対するインターネット上の誹謗中傷への対応方法について、法律上のポイントを解説します。


2 企業に対する誹謗中傷は「名誉毀損」に該当する可能性

会社に対する誹謗中傷の場合、主に問題となるのは名誉毀損(信用毀損)です。

個人の場合には

  • 名誉権
  • プライバシー権
  • 名誉感情

などが問題になりますが、法人の場合は基本的に名誉感情やプライバシーは問題となりません

したがって、会社に対する誹謗中傷では社会的評価を低下させる投稿かどうかが重要な判断ポイントになります。


3 名誉毀損の判断基準

刑法では、

  • 事実を摘示して名誉を毀損した場合
     → 名誉毀損罪(刑法230条)
  • 事実を示さなくても侮辱した場合
     → 侮辱罪(刑法231条)

が成立する可能性があります。

ここでいう「人」には、法人(会社)も含まれるとされています(大審院大正15年3月24日判決)。

また裁判所は、

社会から受ける客観的評価を違法に侵害された者は、損害賠償請求や名誉回復措置を求めることができる

と判示しています(最判昭61・6・11)。

そのため企業の担当者としては、その投稿が会社の社会的評価を低下させる内容かどうかを検討する必要があります。

なお、この判断は

一般の閲覧者の普通の注意と読み方

を基準として判断されます(最判昭31・7・20、最判平24・3・23)。


4 事実の摘示か、意見・論評か

誹謗中傷の投稿には大きく分けて

① 事実の摘示
② 意見・論評

の2種類があります。

裁判例では、

社会的評価を低下させるものであれば、事実の摘示か意見・論評かを問わず名誉毀損は成立し得る

とされています(最判平9・9・9)。

例えば、

事実摘示の例

  • 「この会社は違法行為をしている」
  • 「この会社の商品は不良品ばかり」

意見・論評の例

  • 「この会社は信用できない」
  • 「この会社の商品はひどい」

このような場合でも、社会的評価を低下させる投稿であれば違法と判断される可能性があります。


5 商品の品質に関する投稿も信用毀損になり得る

企業に関する投稿では、商品の品質やサービス内容についての書き込みが問題になることもあります。

最高裁判所は、

商品の品質に対する社会的信頼も刑法233条の「信用」に含まれる

と判断しています(最判平成15年3月11日)。

また裁判例では、

LED製品の製造環境を問題視する投稿について

製品の品質が低いとの印象を与え、会社の信用を毀損する

として名誉毀損を認めています(徳島地裁令和2年2月17日)。

そのため

  • 商品の品質
  • サービス内容
  • 衛生状態

などに関する虚偽投稿も、信用毀損として違法となる可能性があります。


6 投稿内容が真実である場合の注意点

投稿が会社の評価を低下させる内容であっても、

  • 公共の利害に関する事実
  • 公益目的
  • 内容が真実

である場合には、違法にならない可能性があります。

これを「真実性の抗弁」といいます。

さらに

  • 真実と信じる合理的理由がある場合

には「真実相当性」が認められる可能性があります(最判昭41・6・23、最判昭58・10・20)。

そのため企業としては、まず

  • 投稿内容が事実かどうか
  • 社内に証拠があるか

を慎重に調査する必要があります。


7 匿名投稿の場合の対応(発信者情報開示請求)

多くの誹謗中傷は匿名で投稿されています。

この場合、発信者情報開示請求という手続を利用して投稿者を特定することになります。

この制度は「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(情報流通対処法)」に基づくものです。

発信者情報開示請求が認められるためには

  • 権利侵害が明らかであること

が必要とされています。

そのため

  • 投稿が違法であること
  • 投稿が真実ではないこと

を企業側で主張・立証する必要があります。


8 削除請求・投稿者特定の判断ポイント

誹謗中傷投稿への対応では、次の点を総合的に検討することが重要です。

① 投稿内容の違法性

  • 社会的評価を低下させるか
  • 事実か意見か

② 投稿内容の真実性

  • 事実かどうか
  • 社内資料で裏付けできるか

③ 投稿者が匿名かどうか

  • 投稿者特定の必要性
  • 削除請求の可否

④ 証拠資料の有無

  • 社内資料
  • 契約書
  • メール
  • 録音等

など証拠の有無は対応方針を決める重要な要素になります。


9 企業がとるべき誹謗中傷対策

インターネット上の誹謗中傷に対しては、

  • 投稿削除請求
  • 発信者情報開示請求
  • 損害賠償請求
  • 慰謝料請求
  • 刑事告訴

などの法的手段をとることが可能です。

もっとも、投稿内容によっては

  • 逆に企業側が批判される
  • いわゆる炎上につながる

といったリスクもあるため、専門家による慎重な判断が重要です。


10 インターネット誹謗中傷でお困りの企業様へ

結の杜総合法律事務所では、

  • インターネット上の誹謗中傷
  • 口コミサイトの削除請求
  • 発信者情報開示請求
  • 投稿者への損害賠償請求

など、企業のインターネットトラブルに関する法的サポートを行っております。

また、継続的にインターネットリスク対策を行いたい企業様には、顧問契約による継続サポートもご案内しております。

ご相談の際には、弁護士が事案ごとに丁寧にご説明いたします。
内容をご理解・ご納得いただいた上でご依頼いただけますのでご安心ください。

インターネット上の誹謗中傷や風評被害でお困りの企業様は、まずはお気軽に結の杜総合法律事務所までお問い合わせください。

👉 「インターネット上での誹謗中傷」のページはこちら

『令和8年4月の土曜相談日』のお知らせ

2026-03-12

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月2回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料

令和8年4月の相談日は次の通りです。

① 4月 4日(土)(担当弁護士:髙橋)

② 4月11日(土)(担当弁護士:三塚)

お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。

相談場所は、原則として五橋本店となります。

(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)

また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。

皆様のご予約をお待ちしております。

コラム「相続した空き家の管理・売却で注意すべきポイントとは?相続空き家問題・特定空き家・相続放棄などを弁護士が解説」

2026-03-06

【はじめに】

近年、「親が亡くなり実家が空き家になった」「相続した家の管理に困っている」といったご相談が増えています。

空き家は、適切に管理しない場合、

  • 倒壊や火災などの事故
  • 近隣トラブル
  • 固定資産税の増額
  • 行政からの指導や強制解体

などのリスクが生じることがあります。

また、相続人が複数いる場合には、共有関係・管理責任・相続登記・売却方法など、法律的に注意すべき点が多く存在します。

そこで本コラムでは、相続財産に空き家がある場合の管理方法・法的リスク・承継方法について、弁護士がわかりやすく解説します。


1 相続した空き家の管理方法

(1)空き家とは何か

「空家等」とは、居住その他の使用がなされていない状態が常態である建物およびその敷地をいいます(空家等対策の推進に関する特別措置法2条1項)。

一般的には、概ね1年間利用されていない状態が一つの目安とされています。

空き家の所有者又は管理者は、周辺環境に悪影響を与えないよう適切に管理する義務があります(同法5条)。


(2)相続人が複数いる場合の管理

被相続人が死亡した場合、空き家は相続財産となります。

相続人が複数いる場合、遺産分割が完了するまでの間は相続人全員の共有財産となります(民法898条)。

この場合の行為は次のように区分されます。

①保存行為(単独で可能)

各相続人は単独で行うことができます(民法252条)。


・空き家の簡易修繕
・庭木の剪定
・雑草除去
・固定資産税の支払い
・不法占拠者への明渡請求


②管理行為(持分の過半数で決定)


・空き家を誰が使用するかの決定
・軽微な改修


③変更・処分行為(相続人全員の同意)

・空き家の売却
・賃貸
・大規模修繕
・建物の解体


(3)空き家管理の重要性

空き家は人が住まない状態が続くと、急速に劣化します。

また

・放火
・窃盗
・不法侵入

などの犯罪リスクも高まります。

さらに、空き家の管理が不十分で第三者に損害が生じた場合、所有者は工作物責任(民法717条)を負う可能性があります。

そのため

・定期的な見回り
・清掃
・修繕

などを行う必要があります。

遠方に住んでいる場合は、空き家管理業者への委託も検討すべきでしょう。


2 「特定空き家」に指定されるリスク

空き家の中でも、次のような状態にあるものは
「特定空家等」に指定される可能性があります。

・倒壊の危険
・衛生上有害
・著しく景観を損なう
・周辺生活環境に悪影響

(空家等対策特別措置法2条2項)

指定されると、自治体から

・助言
・指導
・勧告
・命令

が出されることがあります。

さらに改善されない場合には

・過料
・行政代執行(強制解体)

が行われる可能性があります。

解体費用は所有者負担となるため注意が必要です。

また勧告を受けると

固定資産税の住宅用地特例が解除される

可能性があり、固定資産税が最大6倍程度に増えるケースもあります。


3 空き家を相続放棄する場合の注意点

空き家の管理負担や費用を考えると、相続放棄を検討するケースもあります。

ただし注意が必要です。

相続放棄をした場合でも、放棄時に空き家を占有している場合には次の管理者へ引き渡すまで保存義務を負います(民法940条)。

つまり

・建物の最低限の管理
・損壊防止

などの義務が残ることがあります。


4 相続人の所在が不明な場合

【不在者財産管理人】

相続人の所在が分からない場合には、家庭裁判所に

不在者財産管理人の選任

を申し立てることができます(民法25条)。

管理人は

・空き家の管理
・裁判所の許可を得た売却

などを行うことができます。


5 相続人がいない場合

【相続財産清算人】

相続人全員が相続放棄した場合やそもそも相続人がいない場合には、家庭裁判所に

相続財産清算人の選任申立て

を行うことができます(民法952条)。

清算人は

・空き家の管理
・売却
・債務整理

などを行い、最終的には財産を国庫に帰属させます。


6 所有者不明建物管理制度

近年の民法改正により

・所有者不明建物管理制度
・管理不全建物管理制度

などが創設されました。

これにより

・所有者不明の空き家
・管理不全の空き家

について、裁判所が管理人を選任し、適切な管理や処分を行うことが可能となっています。


7 空き家の評価

空き家の評価は基本的には通常の不動産評価と同様です。

もっとも

・老朽化
・解体費用
・立地

などにより

実質的に価値がない

と評価される場合もあります。

そのため、相続人間で合意して評価を決めるケースも少なくありません。


8 空き家の相続登記(義務化)

相続により空き家を取得した場合、相続登記が必要です。

2024年4月から相続登記は義務化されています。

期限内に登記しない場合には過料が科される可能性があります。


9 空き家売却時の3000万円特別控除

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと

譲渡所得から最大3000万円の特別控除

を受けることができます。

主な要件

・被相続人が居住していた家屋
・相続開始から3年以内の売却
・耐震基準を満たす(又は解体)

などです(租税特別措置法35条)。

適用期限は令和9年12月31日までです。


【まとめ】相続した空き家は早期対応が重要

相続した空き家は

・管理責任
・固定資産税
・近隣トラブル
・特定空き家指定

など、さまざまなリスクがあります。

そのため早期に

・売却
・解体
・賃貸
・相続放棄

などを検討することが重要です。


空き家相続・不動産相続のご相談は結の杜総合法律事務所へ

結の杜総合法律事務所では

・相続問題
・空き家トラブル
・遺産分割
・相続放棄
・不動産相続

などのご相談を多数取り扱っています。

当事務所は弁護士法人と税理士法人を併設している東北でも数少ない事務所であり、弁護士と税理士が連携して

・相続手続
・相続税対策
・不動産売却

まで一体的にサポートしております。

まずはお気軽にご相談ください。

「遺言・相続」ページはこちら

「遺言・相続の専門サイト」はこちら

コラム「検察官がする事件処理とは?起訴・不起訴・略式命令の違いを弁護士が解説」

2026-02-27

「家族が逮捕された後、これからどうなるのか?」
「不起訴になる可能性はあるのか?」
「略式命令とは何か?」

刑事事件では、警察の捜査後、事件は検察官に送致されます。
その後の判断を行うのが検察官です。

本コラムでは、検察官が行う事件処理の種類と流れについて、仙台の弁護士がわかりやすく解説します。

1 検察官の事件処理とは何か

刑事事件は、原則として警察から検察官へ送致されます(刑事訴訟法246条)。

検察官は、

  • 追加捜査を行う(同法191条1項)
  • 証拠を精査する
  • 起訴するかどうかを判断する

という役割を担っています。

この一連の判断を「事件処理」といいます。

事件処理は大きく

  • ✅ 終局処分(起訴・不起訴)
  • ✅ 中間処分(中止・移送)

に分かれます。


2 中間処分とは(中止・移送)

(1)中止処分

以下のような場合に、いったん処理を見合わせます。

  • 犯人が不明
  • 被疑者の所在不明
  • 長期入院などで捜査不能

将来の処分を見据えた暫定措置です。

(2)移送処分(他管送致)

事件の管轄が他の検察庁にある場合、管轄庁へ送致されます(刑訴法258条)。


3 終局処分とは(起訴・不起訴)

(1)起訴とは

検察官が裁判を求める処分です。

判断にあたっては、

  • 公訴時効の有無
  • 犯罪の成立要件
  • 証拠の十分性
  • 処罰の必要性(刑訴法248条)

などを総合的に検討します。

(2)不起訴とは

裁判を起こさない処分です。

主な種類は:

  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 罪とならず
  • 心神喪失
  • 起訴猶予

特に多いのが起訴猶予です。
これは犯罪の成立は認められるが、事情を考慮して起訴しない場合です。

👉 早期に弁護士が活動することで不起訴の可能性が高まるケースもあります。


4 略式命令とは?(約8割がこの手続)

比較的軽微な事件では、正式裁判をせずに処理されることがあります。

これが略式命令請求(刑訴法461条)です。

特徴

  • 書面審理のみ
  • 100万円以下の罰金・科料
  • 被疑者の同意が必要
  • 正式裁判の請求が可能(14日以内)

実際には、起訴事件の約8割が略式手続で処理されています。

⚠ 正式裁判を請求すると、より重い刑になる可能性もあります。


5 少年事件の場合

少年事件は、原則として家庭裁判所に送致されます(少年法42条)。

ただし、

  • 家庭裁判所が刑事処分相当と判断した場合
  • 検察官は原則起訴しなければならない

という例外もあります(少年法45条)。


6 心神喪失・医療観察制度

心神喪失などが認められ不起訴となった場合でも、「医療観察法」に基づき地方裁判所へ入院決定の申立てがなされることがあります。

刑事責任とは別に、医療的対応が検討される制度です。


7 処分結果の通知制度

(1)被疑者への通知

不起訴の場合、請求があれば通知されます(刑訴法259条)。

(2)告訴人・告発人への通知

起訴・不起訴の結果は通知義務があります(刑訴法260条)。

不起訴理由の告知請求も可能です(261条)。

(3)不服申立て制度

  • 付審判請求
  • 検察審査会申立て
  • 上級庁への申立て

などの制度があります。


8 被害者等通知制度

1999年から導入された制度で、

  • 処分結果
  • 公判期日
  • 判決結果

などを通知してもらうことが可能です。


刑事事件でお困りの方へ【仙台の弁護士に早期相談を】

刑事事件では、検察官送致後の対応が極めて重要です。

  • 不起訴を目指したい
  • 起訴猶予の可能性を高めたい
  • 早期釈放を目指したい
  • 略式命令に同意すべきか迷っている

このような場合は、できる限り早く弁護士にご相談ください。


結の杜総合法律事務所の刑事弁護

  • ✅ 逮捕直後の迅速対応
  • ✅ 示談交渉の実績多数
  • ✅ 明確な費用説明
  • ✅ 無理な勧誘は一切なし

仙台・宮城で刑事事件の弁護士をお探しの方は、まずはお気軽にご相談ください。

「刑事事件」ページはこちら

コラム「【消滅時効の完成猶予と更新とは?】― 催告6か月の落とし穴と、確実に時効を止める方法を弁護士が解説 ―」

2026-02-20

1 時効が迫っている!どうすればよいか?

「売掛金を整理していたら、消滅時効まであと3か月しかない債権が見つかった」
「請求書は送っているが、法的手続はしていない」
「催告を出せば安心だと思っている」

このようなご相談は、企業法務・債権回収の現場で非常に多く見られます。

✅ 結論

  • 催告(内容証明郵便など)だけでは6か月しか延命できません
  • 6か月以内に訴訟・支払督促等をしなければ時効は完成します
  • 確定判決等を取得して初めて「時効の更新(リセット)」が生じます

本記事では、改正民法(令和2年施行)に基づく「完成猶予」と「更新」の違いを、実務目線でわかりやすく解説します。


2 改正民法で何が変わった?「中断」はなくなった

平成29年改正民法により、従来の

  • 時効の「中断」
  • 時効の「停止」

という用語は廃止され、次の2つに整理されました。

用語意味効果
完成猶予一定期間、時効が完成しない時効は進行中
更新時効がゼロから再スタート完全リセット

👉 実務上、最も重要なのは「猶予」と「更新」の違いを誤解しないことです。


3 時効の「完成猶予」とは?

(1)催告(民150条)

もっとも多いのが「裁判外の催告」です。

  • 内容証明郵便などで請求
  • 効果:6か月間のみ時効完成をストップ

⚠ 注意
再度の催告には完成猶予の効力はありません(民150②)。

つまり、

催告 → 6か月以内に訴訟等をしない → 時効完成

となります。

「催告すれば安心」は大きな誤解です。


(2)仮差押え・仮処分(民149条)

  • 手続終了後6か月間のみ完成猶予
  • それ自体では「更新」にならない

⚠ 保全手続をしただけで安心していると、時効が完成する危険があります。


(3)裁判上の請求・支払督促等(民147条)

以下の手続を取ると、

  • 手続終了まで時効は完成しない
  • 却下・取下げの場合は終了から6か月猶予

対象例:

  • 訴訟提起
  • 支払督促
  • 調停
  • 即決和解
  • 破産手続参加

(4)強制執行等(民148条)

  • 強制執行
  • 担保権実行
  • 財産開示手続
  • 第三者からの情報取得

も同様の扱いです。


4 時効の「更新」とは?(完全リセット)

更新とは、

時効期間がゼロから再スタートすること

をいいます。


(1)確定判決等の取得(民147②)

裁判上の請求により、

  • 確定判決
  • 和解調書
  • 認諾調書
  • 調停調書
  • 仲裁判断確定

などで権利が確定すると、時効は更新します。

さらに重要なのは、

✅ 更新後の時効期間は原則10年(民169条)

となる点です。


(2)強制執行終了時(民148②)

強制執行が通常終了すれば更新します。


(3)債務の承認(民152条)

  • 一部弁済
  • 債務承認書の提出
  • 分割払い合意

などは直ちに更新事由になります。

🔎 最高裁令和2年12月15日判決

弁済充当指定のない一部弁済は、原則として全債務の承認となると判断。


5 実務で特に注意すべきポイント

① 催告だけでは不十分

→ 6か月以内に訴訟等が必須

② 保全手続は更新にならない

→ 本案提起を忘れると危険

③ 一部請求の残部に注意

→ 残部の時効が完成する可能性あり(最判平成25年6月6日)

④ 時効の効力は相対的

→ ただし、主債務者と保証人の関係に注意(民457条)


6 企業法務・債権回収での実践対応

次のような場合は、すぐに弁護士へ相談すべきタイミングです。

  • 売掛金の時効が迫っている
  • 取引先が支払いを先延ばしにしている
  • 催告だけで様子を見ている
  • 一部請求で提訴を検討している
  • 仮差押え後の対応に不安がある

時効が完成してしまえば、原則として請求できなくなります。

早期対応が最大のリスク回避策です。


7 まとめ

行為完成猶予更新
催告〇(6か月)
仮差押え
訴訟提起確定で〇
強制執行終了で〇
承認

👉 確実に時効を止めたいなら「更新」まで到達することが重要です。


8 債権回収のご相談は結の杜総合法律事務所へ

結の杜総合法律事務所では、

  • 売掛金・貸金回収
  • 支払督促・訴訟提起
  • 仮差押え・強制執行
  • 承認書作成
  • 時効管理体制の構築支援

まで、企業様の状況に応じて戦略的に対応しております。

✅ 費用は事前に明確にご説明

✅ 無理な勧誘は一切ありません

✅ 仙台・宮城の企業法務に強い法律事務所

時効が迫っている場合は特にお急ぎください。

債権回収について詳しくはこちら

『令和8年3月の土曜相談日』のお知らせ

2026-02-18

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月2回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料

令和8年3月の相談日は次の通りです。

① 3月 7日(土)(担当弁護士:髙橋)

② 3月14日(土)(担当弁護士:三塚)

お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。

相談場所は、原則として五橋本店となります。

(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)

また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。

皆様のご予約をお待ちしております。

コラム「【仙台の弁護士が解説】遺言無効の訴えとは?手続・判例・遺留分との関係をわかりやすく解説」

2026-02-13

「この遺言書は本当に有効なのか?」
「認知症だった親の遺言を争うことはできるのか?」
「公正証書遺言でも無効になることがあるのか?」

相続の現場では、遺言の有効性をめぐる争い(遺言無効確認訴訟)が少なくありません。

本記事では、

  • 遺言が無効になるケース
  • 遺言無効確認の訴えの手続
  • 被告の選び方
  • 立証責任
  • 遺留分侵害額請求との関係

について、判例を踏まえて解説します。

仙台・宮城で相続問題にお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。


1 遺言が無効になる場合とは?

(1)遺言は原則として尊重される

遺言は、遺言者の最終意思を尊重する制度です。
有効な遺言があれば、原則としてその内容どおりに遺産は承継されます。

しかし、一定の場合には遺言そのものが無効となります。


(2)方式違反による無効

遺言は「要式行為」です。
法律(民法960条以下)で定められた方式を守らなければなりません。

例えば、自筆証書遺言の場合、

  • 全文自書
  • 日付の自書
  • 氏名の自書
  • 押印

が必要です。

これらを欠く場合、遺言は無効となります。


(3)遺言能力の欠如(民法963条)

遺言作成時に遺言能力(事理弁識能力)がなければ、遺言は無効です。

典型例:

  • 重度の認知症
  • 意識障害
  • 精神疾患による判断能力の欠如

もっとも、「認知症=直ちに無効」ではありません。
診断書、カルテ、介護記録、作成経緯などを総合的に判断します。

実務上、最も争いが多いのがこの「遺言能力」の問題です。


(4)その他の無効原因

  • 公序良俗違反
  • 詐欺・強迫
  • 証人の欠格事由
  • 受遺者の先死亡
  • 民法総則による無効・取消事由

2 遺言無効確認の訴えとは?

遺言の有効性に争いがあり、話し合いで解決できない場合、最終的には遺言無効確認の訴え(民事訴訟)を提起します。


(1)まずは調停から

いきなり訴訟ではなく、

  • 遺言無効確認調停
  • 遺産分割調停

から開始することもあります。

しかし、当事者の主張が鋭く対立している場合は、訴訟による解決が必要になります。


(2)誰が原告になれるか?

遺言の無効を主張する者が原告になります。

「すでに生前贈与を受けており、法定相続分がない場合でも訴えられるのか?」

この点について、最高裁(最判昭56年9月11日)は、確認の利益は遺言内容で判断すれば足りるとして、原告適格を認めています。

したがって、生前贈与を受けていても原告になることは可能です。


(3)誰を被告にするべきか?

実務上重要なポイントです。

原則:

  • 遺言により利益を受ける受遺者

が被告になります。

最高裁(最判昭56年9月11日)は、単なる相続分指定などの場合は固有必要的共同訴訟にはならない(共同相続人全員を被告とする必要はない)と判示しています。

もっとも、遺産確認を求める場合(最判平成元年3月28日)は、共同相続人全員を当事者とすべきとされています。

遺言内容により判断が分かれるため、専門的検討が不可欠です。


(4)遺言執行者を被告にできるか?

最高裁(最判昭31年9月18日)は、遺言執行者を被告として無効を争うことを認めています。

ただし、既に所有権移転登記がなされている場合は、受遺者を被告とすべきとされています(最判昭51年7月19日)。


(5)立証責任の分配

非常に重要なポイントです。

■ 遺言の方式遵守
→ 遺言が有効と主張する側が立証責任(最判昭62年10月8日)

■ 遺言能力の欠如など
→ 無効を主張する原告側が立証責任

遺言能力の立証では、

  • 医療記録
  • 介護記録
  • 証人尋問
  • 作成経緯

などを総合的に主張立証します。


3 遺言無効と遺留分侵害額請求の関係【最重要ポイント】

(1)必ず遺留分請求を並行して検討すべき理由

遺言無効確認訴訟は、長期化することが少なくありません。

しかし、遺留分侵害額請求には、「相続開始および侵害を知った時から1年」という短い消滅時効(民法1048条)があります。

訴訟中に時効が完成してしまうリスクがあるのです。

したがって、

✔ 遺言無効を争う
✔ 同時に遺留分侵害額請求の意思表示を行う

ことが極めて重要です。

実務では、内容証明郵便で通知するのが安全です。


(2)同一訴訟で予備的請求を入れるべきか?

理論上は可能ですが、実務上は推奨されません。

理由:

  • 争点が複雑化する
  • 訴訟が長期化する
  • 裁判所の審理が混乱する

通常は、

① 遺言無効訴訟
② 必要に応じて遺留分訴訟

と段階的に進める方が合理的です。


4 遺言無効でお悩みの方へ【仙台・宮城対応】

遺言無効の争いは、

  • 感情対立が激しい
  • 医療証拠の収集が重要
  • 税務との連動が不可欠

という特徴があります。

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、

  • 相続・遺言紛争の豊富な実績
  • 税理士法人併設(東北地区で唯一の体制)
  • 弁護士・税理士が直接対応

により、法務・税務を一体でサポートしております。

✔ 遺言が無効かどうか知りたい
✔ 認知症の遺言を争いたい
✔ 公正証書遺言でも無効になるのか相談したい
✔ 遺留分請求も同時に検討したい

という方は、お早めにご相談ください。

初回相談で、

  • 見通し
  • 必要な証拠
  • 費用の目安
  • 手続の流れ

を丁寧にご説明いたします。

無理な勧誘は一切ありません。


▼ 遺言・相続の専門サイトはこちら

仙台の弁護士・税理士による遺言相続の無料法律相談

コラム「株主総会の招集手続と欠缺がある場合の争い方― 株主総会決議は取り消される?無効?経営者が押さえるべき実務ポイント ―」

2026-02-06

1 はじめに|株主総会の「招集ミス」は深刻な経営リスクになります

株式会社において、株主総会は最も重要な意思決定機関です。
もっとも、招集手続に不備(瑕疵)がある株主総会は、後になって

  • 株主総会決議取消し
  • 株主総会決議無効・不存在確認

といった訴訟を提起され、経営判断が根底から覆されるリスクがあります。

特に、非上場会社・同族会社では「全員知っているから大丈夫」「口頭で伝えたから問題ない」といった誤解からトラブルに発展するケースが少なくありません。

本コラムでは、株主総会の招集手続の基本から招集手続を欠いた場合の法的評価と争い方まで、実務上重要なポイントを分かりやすく解説します。


2 株主総会の招集手続の基本

⑴ 原則的な招集手続

取締役会設置会社において株主総会を招集する場合、

  1. 取締役会による招集決定
  2. 法定期間内での招集通知の発送

が必要です。

  • 招集通知期限:
    • 原則:会日の2週間前
    • 非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合:1週間前

この招集手続に違反した株主総会決議は、株主総会決議取消事由となります。

👉「通知を出し忘れた」「期限が1日足りない」といったミスでも、後から問題になる可能性がある点に注意が必要です。


3 招集手続は省略できる?|株主全員の同意がある場合

⑴ 招集手続省略が認められるケース

以下の要件をすべて満たす場合、招集手続の省略が可能です。

  • ① 取締役会による招集決定があること
  • ② 書面投票・電子投票を採用していないこと
  • 株主全員が事前に省略に同意していること

この場合、招集通知の発送や計算書類の提供を省略できます。

⑵ 実務上の注意点

✔「全員同意」が極めて重要
✔ 1人でも同意が欠けると違法となる
✔ 後日の立証のため書面で同意を残すことが不可欠


4 全員出席総会とは?|招集決定がなくても有効になる例

⑴ 全員出席総会の効力

招集決定や招集通知が欠けていても、

  • 株主全員が
  • 株主総会の開催に同意し
  • 出席している場合

その株主総会(全員出席総会)は有効に成立します。

⑵ 代理人出席の場合の注意

代理人出席も可能ですが、

  • 本人株主が議題を理解した上で委任していること
  • 委任の範囲内で決議が行われていること

が必要です。

👉「形式だけ整えた全員出席総会」は、後日無効とされるリスクがあります。


5 株主総会決議に瑕疵がある場合の争い方

株主総会決議に問題がある場合、以下の2類型があります。


【1】株主総会決議取消しの訴え

⑴ 取消しの原因

  • 招集手続・決議方法の法令・定款違反
  • 決議内容の定款違反
  • 特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議

👉「著しく不公正」「著しく不当」かどうかは、具体的事案ごとに判断されます。

⑵ 提訴できる人

  • 株主
  • 取締役
  • 監査役
  • 清算人 など

⑶ 提訴期間

決議の日から3か月以内
※期間徒過すると原則として提訴不可

⑷ 実務上のポイント

  • 手続違反が軽微でも、重要議案の場合は取消されることがある
  • 「裁量棄却」が認められないケースも多い

【2】株主総会決議不存在・無効確認の訴え

⑴ 対象となる瑕疵

  • 決議が事実上存在しない
  • 招集手続の欠缺が極めて重大な場合
  • 決議内容が法令違反の場合

⑵ 特徴

  • 提訴期間の制限なし
  • 提訴権者の制限なし
  • 対世効・遡及効あり

👉 経営への影響は極めて大きい訴訟類型です。


6 こんな場合は早めに弁護士へ相談を

  • 招集通知を出さずに株主総会を開いてしまった
  • 一部の株主に通知が届いていなかった
  • 急いで総会を開いたが、手続が適法か不安
  • 株主から「決議は無効だ」と主張されている

放置すると、後から取り返しのつかない問題に発展することがあります。


7 結の杜総合法律事務所にご相談ください

結の杜総合法律事務所では、

  • 非上場会社・中小企業の株主総会対応
  • 株主総会決議の有効性チェック
  • 決議取消し・無効訴訟への対応
  • 税理士事務所併設による税務との一体対応

をワンストップでサポートしています。

✔ 初回相談で丁寧に状況を整理
✔ 無理な勧誘は一切ありません
✔ 継続的に相談しやすい顧問契約プランあり

株主総会や会社運営で不安がある方は、お早めにご相談ください。

顧問契約についてはこちら

企業法務についてはこちら

コラム「共同親権とは?【令和8年4月施行】離婚後の親権はどう変わるのかを弁護士が解説」

2026-01-30

1 共同親権制度の導入とは【令和6年民法改正】

令和6年5月24日、「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号。以下「令和6年改正法」)が成立しました。
この改正法は、離婚後の子どもの養育の在り方を見直すものであり、その柱となるのが「共同親権制度」の導入です。

令和6年改正法は、令和8年4月1日から施行される予定です。

(1)これまでの制度(単独親権制)

現行民法では、未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、「父または母のどちらか一方のみが親権者となる(単独親権制)」とされていました。

そのため、協議離婚をするには、

  • 離婚すること
  • 子どもの親権者をどちらにするか

について合意しなければならず、親権者が決まらない限り、離婚届は受理されません(民法765条1項・819条1項)。

(2)改正後の制度(選択的共同親権制)

令和6年改正後民法では、

  • 単独親権
  • 共同親権

のいずれかを父母の協議により選択できる制度が導入されます。
つまり、共同親権が原則になるわけではなく、「選択制」である点が重要です。


2 親権者が決まらない場合でも協議離婚が可能に

(1)改正前の問題点

従来は、

離婚には合意しているが、親権者について折り合いがつかない

という場合でも、離婚調停・離婚訴訟を提起しなければならないという大きな負担がありました。

その結果、

  • 早期離婚を望むあまり、不本意に条件を受け入れてしまう
  • 十分な協議ができないまま親権を決めてしまう

といった問題も指摘されていました。

(2)改正後の取り扱い

令和6年改正後民法では、

  • 離婚についての合意がある
  • 親権(単独か共同か)について合意できない

という場合でも、親権者の指定を求める家事調停または家事審判を申し立てた上で離婚届を提出すれば、届出が受理されることになります。

これにより、

  • 離婚自体は早期に成立
  • 親権については家庭裁判所で冷静に判断

という形が可能になりました。


3 共同親権とは何か【具体的な内容】

(1)共同親権の基本的な意味

共同親権とは、未成年の子どもに対する親権を、父母が共同で行使する制度です。
具体的には、以下のような事項について、父母双方が権利と責任を負います。

  • 子どもの監護・養育
  • 教育方針の決定
  • 財産管理

離婚後であっても、父母双方が子どもの成長に継続的に関与することを目的としています。

(2)共同親権を選ぶ方法

改正後民法では、

  • 協議離婚の場合
     → 父母の合意で「単独親権」か「共同親権」を選択(改正民法819条1項)
  • 合意できない場合
     → 家庭裁判所が判断(改正民法819条2項)

とされています。

(3)DV・虐待がある場合はどうなる?

以下のような事情がある場合、共同親権は認められません

  • 配偶者からのDV
  • 子どもへの虐待
  • 著しい対立関係があり、子の利益を害するおそれがある場合

このようなケースでは、家庭裁判所は単独親権を指定します(改正民法819条7項)。


4 すでに離婚している場合でも変更できる?

すでに離婚が成立し、単独親権となっている場合でも、家庭裁判所に申し立てることで、単独親権から共同親権への変更を求めることができます(改正民法819条6項)。

もっとも、

  • 子どもの生活環境
  • 父母の協力関係
  • 子どもの意思や年齢

などを踏まえ、「子の利益」に反すると判断されれば認められません


5 共同親権でも「すべてを共同決定」するわけではない

共同親権であっても、次のような事項については、一方の親が単独で決定できるとされています。

  • 日常的な身の回りの世話
  • 緊急時の医療行為
  • 監護に必要な通常の行為

(改正民法824条の2)

そのため、実務上は監護者の指定や監護分担の取り決めが非常に重要になります。


6 共同親権と監護者の問題

改正後民法では、共同親権とした場合でも、監護者の指定は必須ではありません
しかし、離婚後は父母が別居するのが通常であり、

  • 誰が子どもと同居するのか
  • 面会交流をどうするのか
  • 養育費をどう分担するのか

といった点を明確にしなければ、新たな紛争の原因となります。

共同親権を選択する場合には、親権と監護の違いを正しく理解し、慎重に協議することが不可欠です。


7 共同親権導入後も「子どもの利益」が最優先

共同親権制度が導入されても、

  • 単独親権が適切なケース
  • 共同親権が適切なケース

は、事案ごとに異なります。

最も重要なのは、「どちらが有利か」ではなく、「子どもにとって何が最善か」という視点です。


8 最後に|離婚・親権でお悩みの方へ

共同親権制度の導入により、離婚・親権をめぐる判断は、これまで以上に専門的かつ慎重な検討が必要になります。

結の杜総合法律事務所では、

  • 共同親権・単独親権の違い
  • ご家庭の事情に応じた最適な選択
  • 離婚手続の流れ・弁護士費用

について、弁護士が直接、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

無理な勧誘は一切ございません。
まずはお気軽にご相談ください。

👉 「離婚・男女問題」について詳しくはこちら

コラム「敷金の返還を請求したいときの注意点|原状回復費用・特約の有効性を弁護士が解説」

2026-01-23

1 はじめに|敷金が返ってこない…それは正当でしょうか?

「賃貸借契約が終了し、建物の明渡しも済ませました。
それにもかかわらず、敷金がほとんど返ってこない、あるいは追加請求を受けているのですが、これは妥当なのでしょうか?」

結の杜総合法律事務所では、敷金返還・原状回復をめぐるトラブルについて、賃借人・賃貸人双方から多数のご相談を受けています。
実際には、本来は返還されるべき敷金が、不適切な名目で差し引かれているケースも少なくありません。

本コラムでは、

  • 敷金が返還される条件
  • 差し引かれやすい費用の注意点
  • 特約の有効・無効の判断基準

について、弁護士が分かりやすく解説します。


2 まず確認すべき「そのお金は本当に敷金か」

敷金とは、未払賃料や原状回復費用などの債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に預ける金銭をいいます(民法622条の2)。

重要なのは、名称ではなく性質です。
「敷金」「保証金」「預り金」と記載されていても、すべてが敷金に該当するとは限りません。

敷金に該当しない可能性がある例

  • 保証金が「建設協力金」や「制裁金(早期解約ペナルティ)」の性質を持つ場合
  • 権利金が営業上の利益の対価や、賃料の前払にすぎない場合

このような場合、敷金としての返還請求ができない可能性があるため、契約内容の精査が不可欠です。


3 敷金返還請求権はいつ発生する?

賃借人が

  • 賃貸借契約を終了し
  • 建物を明け渡した

この時点で、敷金返還請求権は原則として発生します。

もっとも、賃貸人から
「特約に基づき差し引く」
「原状回復費用に充当する」

と主張されることが多く、特約の有効性が最大の争点になります。


4 よく問題になる特約と有効性の判断基準

⑴ 敷引特約

敷引特約とは、一定額を無条件で差し引く特約です。
もっとも、敷引額が

  • 通常損耗や経年変化の補修費として
  • 社会通念上、著しく高額

である場合には、無効と判断される可能性があります。


⑵ 通常損耗補修特約

通常損耗(経年劣化・日常使用による傷み)は、原則として賃貸人負担です。

賃借人に負担させるためには、

  • 通常損耗の範囲が契約書に具体的に明記されていること
  • 賃借人が内容を明確に理解・合意していること

が必要とされています。


⑶ ハウスクリーニング特約

「退去時クリーニング代は必ず借主負担」とする特約も多く見られますが、

  • どのような場合に
  • いくら負担するのか

が明確でなければ、無効または限定解釈される可能性があります。


5 原状回復費用として差し引かれた場合のチェックポイント

退去後、管理会社から

  • 修繕費用の明細
  • 敷金精算書

が送られてくるのが一般的です。

その際は、

  • 通常損耗まで含まれていないか
  • 特約が無効となる部分がないか
  • 修繕内容・金額が相当か

を一つずつ確認する必要があります。


6 原状回復義務の範囲|国交省ガイドラインが重要

賃借人は、故意・過失による損傷についてのみ原状回復義務を負います。
経年変化や通常使用による損耗は含まれません。

判断にあたっては、

  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
  • 自治体の条例・指針

が実務上、重要な判断材料となります。


7 弁護士に相談するメリット

敷金返還トラブルは、

  • 金額が比較的小さい
  • しかし感情的対立が激化しやすい

という特徴があります。

弁護士に依頼することで、

  • 不当な請求を的確に指摘
  • 交渉・内容証明・訴訟対応まで一貫対応

が可能です。


8 まとめ|敷金が返ってこないと感じたら

  • 敷金が返還されない
  • 原状回復費用が高額
  • 特約の内容がよく分からない

このような場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。


9 結の杜総合法律事務所へご相談ください

結の杜総合法律事務所では、
敷金返還・原状回復トラブルに関するご相談を多数解決してきました。

  • 弁護士が直接、丁寧にご説明
  • 費用・見通しを事前に明確化
  • 不動産鑑定士・司法書士との連携によるワンストップ対応

無理な勧誘は一切ありません。
まずはお気軽にご相談ください。

👉 敷金返還に関するお問い合わせはこちら

« Older Entries

keyboard_arrow_up

05055279898 問い合わせバナー 無料法律相談について