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コラム「自己破産とは?仕組みや手続き、デメリットまで詳しく解説」

2025-06-06

自己破産とは何か

自己破産とは、借金などの返済ができなくなったときに、裁判所を通じて債務を整理する制度の一つです。債務者の財産を債権者に公平に分配するとともに、返済しきれなかった借金を「免責」によって帳消しにすることで、債務者の生活再建を支援します。

自己破産は、個人・法人を問わず、債務者自らが裁判所に申立てることで始まります。中でも、個人の破産の多くが自己破産によって処理されており、生活の立て直しを目的とした重要な制度といえます。

自己破産の手続きの流れと開始条件

自己破産が認められるための条件

自己破産をするには「支払不能」であること、つまり継続的に借金の返済ができない状態であることが必要です。これは、以下のような状態をいいます。

  • 財産や収入が借金の返済に足りない
  • 信用や労働力を使っても資金調達が困難
  • 一時的な資金不足ではなく、慢性的な返済不能

支払不能かどうかは、裁判所が個別に判断します。生活保護を受けている方など、収入や資産状況により支払不能と認定されるケースもあります。

破産手続開始決定と免責手続

支払不能と認められると、「破産手続開始決定」が下されます。しかしこの段階では、借金はまだ帳消しにはなりません。借金を免除されるには、さらに「免責許可決定」を受ける必要があります。

自己破産の目的は、この免責を得て借金の支払い義務から解放されることにあります。

免責とは?借金が帳消しになる仕組み

免責とは、自己破産によって処理できなかった借金の支払い義務を裁判所が免除する決定です。免責許可が下されると、原則としてすべての借金が帳消しになります。

個人の自己破産では、財産が少ないケースが多いため、「同時廃止」といって破産手続きと同時に免責に進む簡易な方法が選ばれることもあります。

免責が認められないケース(免責不許可事由)

以下のような行為がある場合、免責が認められない(=借金が帳消しにならない)可能性があります。

  • 故意に財産を隠したり処分したりした場合
  • 特定の債権者にだけ優遇した返済をした場合
  • ギャンブルや浪費により多額の借金をした場合
  • 虚偽の債権者名簿を提出した場合
  • 裁判所の調査に非協力的な態度をとった場合

ただし、事情によっては裁判所の裁量で免責が認められることもあります。

免責されない借金(非免責債権)とは

以下のような債権は、免責許可が下りても支払い義務が残ります。

  • 税金や罰金
  • 故意または重大な過失による損害賠償請求
  • 養育費や扶養義務に基づく請求
  • 使用人(従業員)からの給与や預り金の請求
  • 債権者名簿に記載されなかった債権 など

これらは「非免責債権」と呼ばれ、自己破産によっても支払い義務が免除されません。

自己破産のデメリット

一時的な資格制限

自己破産をすると、一定の資格や職業に就けなくなる場合があります。例えば以下のような職業です。

  • 弁護士、公認会計士、税理士などの士業
  • 宅建業者、警備業者、生命保険募集人など
  • 後見人、遺言執行者などの民法上の職務

ただし、免責が確定すればこれらの資格制限は解除されます。

旅行や転居の制限

破産管財人が選任されると、長期の旅行や転居には裁判所の許可が必要になります。また、郵便物が破産管財人に転送されるなどの不便もありますが、これも破産手続終了後に解消されます。

信用情報への登録

自己破産をすると、個人信用情報に事故情報として登録されます。そのため、5〜7年程度はクレジットカードの作成やローンの利用が難しくなります。ただし、借金を返済できなくなれば、破産しなくても事故情報は登録されます。

7年以内の再度の破産で免責が受けられない

過去7年以内に免責を受けたことがある場合は、再び破産しても原則として免責が認められません。

自己破産に対する誤解と真実

自己破産にはいくつかの誤解がありますが、以下のような心配は不要です。

  • 戸籍や住民票に記載される?
    → 記載されません。官報に公告されるだけで、一般の人の目に触れることはほとんどありません。
  • 就職や結婚に支障が出る?
    → 一般企業であれば自己破産によって就職が制限されることはありません。結婚にも法律上の制限はありません。
  • 会社に知られる?解雇される?
    → 給与の差押えなどがなければ会社に知られることは少なく、破産を理由に解雇されることも基本的にはありません。

まとめ:自己破産は生活再建のための制度です

自己破産は「人生の終わり」ではありません。借金問題をリセットし、再スタートを切るための法的手段です。借金に悩んでいる方は、一人で抱え込まず、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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コラム「相続税の申告期限までに遺産分割が終わらないときの対処法とは?」

2025-05-31

「父が亡くなって相続が発生しましたが、相続人同士でもめており、相続税の申告期限までに遺産分割が終わりそうにありません。このような場合、相続税の申告はどうすればよいのでしょうか?」

結の杜総合法律事務所には、相続税の申告期限に関するこのようなご相談が多く寄せられています。
相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に行う必要がありますが、遺産分割が申告期限までに完了しないケースは少なくありません。

本記事では、相続税の申告期限までに遺産分割が終わらない場合の具体的な対処法や、適用できる相続税の特例制度について、弁護士・税理士の観点から詳しく解説いたします。


1. 遺産分割が終わっていない場合でも相続税の申告は必要

相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)までに遺産分割が完了していない場合でも、相続税の申告は必要です。

この場合、未分割の財産は、法定相続分に基づいて各相続人が取得したものとして課税価格を計算し、申告書を作成・提出します。

ポイント:

  • 期限を過ぎても申告書の提出は可能(期限後申告)。
  • ただし、無申告加算税などのペナルティが発生することがあります。

2. 遺産分割が終わっていないと適用できない相続税の特例

相続税の軽減措置として以下のような特例がありますが、これらは申告期限までに遺産分割が完了していることが条件です。

  • 配偶者の税額軽減
  • 小規模宅地等の特例
  • 特定計画山林の特例

ただし、「申告期限後3年以内の分割見込書」を申告書に添付すれば、分割完了後に特例を適用できる可能性があります。


3. やむを得ない事情による延長措置と承認申請

遺産分割が申告期限から3年以内にも終わらなかった場合でも、「やむを得ない事情」があると認められれば、特例の適用が可能になる場合があります。

「やむを得ない事情」とは

  • 遺産分割調停・審判・訴訟が継続している
  • 遺産分割が一時的に禁止されている
  • 相続人の重病や海外在住などで分割が困難

このような場合は、「承認申請書」を所轄税務署に提出する必要があります。


4. 分割後の対応:更正の請求・修正申告

遺産分割が後日完了した場合の対応は以下の通りです:

  • 相続税額が減額になる場合:「更正の請求」が可能
  • 相続税額が増額になる場合:「修正申告」が必要

いずれも、期限や提出書類に注意が必要ですので、早めに専門家へご相談ください。


5. 弁護士・税理士が在籍する結の杜総合法律事務所だから安心

結の杜総合法律事務所は、弁護士法人と税理士法人を一体運営しており、代表の髙橋は弁護士・税理士の両資格を有しています。東北エリアでこの形態は唯一です。

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【重要なお知らせ】お電話による新規ご予約・お問合せ専用番号の変更について

2025-05-28

平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
このたび、結の杜総合法律事務所では、業務の効率化およびサービス向上の一環として、お電話による新規ご予約・お問合せ専用番号を下記のとおり変更させていただくこととなりました。

【変更日】
令和7年6月2日(月)より

【新しい電話番号】
050-5527-9898

(※これに伴い、旧番号:050-3460-9152 はご利用いただけなくなりますのでご注意ください。)

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

『令和7年6月の土曜相談日』のお知らせ

2025-05-28

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月3回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料

令和7年6月の相談日は次の通りです。

① 6月 7日(土)(担当弁護士:三塚)

② 6月14日(土)(担当弁護士:原)

③ 6月28日(土)(担当弁護士:高橋)

お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。

相談場所は、原則として五橋本店となります。

(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)

また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。

皆様のご予約をお待ちしております。

コラム「カスタマーハラスメントとは?企業・事業主が取るべき具体的な対応策と予防法を徹底解説」

2025-05-23

近年、顧客による過剰なクレームや迷惑行為、いわゆる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が企業現場で深刻な問題となっています。従業員を守るためには、事業主が適切な対策を講じることが不可欠です。本コラムでは、企業に求められるカスタマーハラスメント対応の基本から、法的視点、具体的な対応策までを弁護士が解説します。

1. 企業・事業主に求められるカスタマーハラスメント対策とは【法的視点】

2019年の労働施策総合推進法改正により、事業主には職場におけるハラスメント防止措置が義務化されました。2020年1月には厚生労働省から「職場におけるハラスメント防止指針(告示第5号)」が出され、カスタマーハラスメント対策もその対象となっています。

具体的に企業が求められる対策は以下の通りです:

  • 相談体制の整備(対応部署や相談窓口の設置)
  • 従業員の心身ケア(メンタルケア体制の整備)
  • ハラスメント防止の教育・研修

企業がこうした対策を行うことで、以下のようなメリットも期待できます:

  • 顧客対応の質の向上
  • 問題顧客の減少
  • 職場の士気向上・離職率低下

2. カスタマーハラスメントは犯罪に該当することも【違法性の具体例】

厚生労働省の調査でも、カスタマーハラスメントはパワハラやセクハラに次いで多いとされています。

カスタマーハラスメントに該当する言動の例:

要求内容が不当な場合(例):

  • サービスに非がないにも関わらず執拗に返金・補償を求める
  • サービス内容と無関係な個人的要求をする

手段・態様が不当な場合(例):

  • 暴力・脅迫・人格攻撃
  • 土下座の強要や居座り
  • 継続的な悪質クレーム
  • 従業員への個人攻撃

これらの行為は、刑法により暴行罪・脅迫罪・業務妨害罪等に該当する可能性があり、適切な対応が求められます。


3. 企業が行うべきカスタマーハラスメント対策【事前準備と事後対応】

【事前準備:起こる前に備える】

  • 基本方針の社内共有
  • 相談窓口や対応者の明確化
  • 対応マニュアル・研修の実施

【事後対応:発生後の対処】

  • 事実関係の正確な把握
  • サービスに不備があれば誠意ある対応
  • 従業員へのフォロー(精神面も含む)
  • 再発防止策の見直し・継続的改善

また、相談者のプライバシー保護不利益取扱いの禁止も重要な視点です。


結の杜総合法律事務所では労働問題のトータルサポートを行っています

カスタマーハラスメント、パワハラ、セクハラ、未払い残業代など、労働に関する法的トラブルはお任せください。

顧問契約による継続的なサポートも可能です。

弁護士が丁寧にご説明いたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。無理な勧誘は一切行っておりません。

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コラム「離婚時の『住宅ローン付き不動産』はどう分ける?財産分与の具体的な方法を解説」

2025-05-16

離婚を考える際、「住宅ローンが残っている自宅はどうすればよいのか?」という疑問を持つ方は非常に多くいらっしゃいます。住宅ローンが残る不動産は、財産分与の対象になるのか、また、分与の方法にはどのような選択肢があるのか――このコラムでは、法律的な観点から詳しく解説いたします。


1. 住宅ローン付き不動産は財産分与の対象になるの?

離婚時の財産分与では、不動産が「共有財産」として扱われるかどうかが重要です。以下のような点を総合的に判断する必要があります。

  • 不動産の取得時期や名義
  • 不動産の時価とローン残高のバランス
  • 売却か取得か、どちらの方法を取るか
  • 名義が単独か共有か
  • 履行(支払や引渡し)をどう確保するか

2. 財産分与の対象になるケースとならないケース

● 不動産の名義と取得の経緯がカギ

不動産の名義が夫・妻のいずれか一方であっても、取得資金が共有の財産(婚姻中の収入など)であれば、財産分与の対象になります。一方、親族からの援助で購入した場合、その割合に応じて対象部分が限定されることもあります。

● 住宅ローンの支払い実績も考慮される

婚姻期間中に支払った住宅ローンは、原則として夫婦双方の寄与として扱われ、通常は半々の割合で考えられます(東京高判平成10年2月26日等)。


3. 不動産の価値がローン残高より多い場合の対応

● 不動産を売却する場合

売却額からローン残高と諸経費(仲介手数料など)を引いた残額が財産分与の対象となります。たとえば、

  • 売却価格:3,000万円
  • ローン残高:1,800万円
    → 残り1,200万円を2分の1ずつ分与(600万円ずつ)

名義が単独である場合、仮登記や保全処分を用いて履行を確保する方法も検討が必要です。

● 一方が不動産を取得し、住み続ける場合

住宅ローン残高を控除した不動産の時価分を、取得者が相手に「清算金」として支払う形になります。この場合、公正証書を作成するなど、履行を確実にする措置が望ましいです。


4. 不動産の価値がローン残高より少ない場合の対応

● 売却してもローンが残るケース

例:不動産の売却額が2,000万円、ローン残高が3,000万円 → 残り1,000万円の債務が残る
この場合、債務の分担方法(債務引受など)を協議で決める必要があります。ただし、債権者との関係では、名義変更や保証人変更を行わなければ、法的な支払義務は変わりません。

● 一方が取得し、ローン全額を負担するケース

取得者がローン全額を負担する代わりに、不動産全体を引き継ぐ形が一般的です。その他、慰謝料や扶養的財産分与の形で、片方が一部ローンを負担する合意をすることもあります。


5. 弁護士に相談するメリットとは?

住宅ローン付き不動産の財産分与は、非常に複雑な問題を含んでいます。名義・債務・清算金の取り決め、履行確保の方法など、専門的な判断が不可欠です。


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結の杜総合法律事務所では、離婚・財産分与における住宅ローン問題について、経験豊富な弁護士が丁寧にアドバイスいたします。

  • 不動産の名義変更・清算金の算定方法
  • 財産分与協議書の作成
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コラム「【経営者・ビジネスオーナー必見】事業譲渡で新規事業・事業拡大を成功させるには?手続きの流れを解説」

2025-05-09

新規にビジネスを始めたいときや、既存事業をさらに拡大・発展させたいと考えたとき、ゼロから立ち上げるよりも、すでに実績やノウハウを持つ他社の事業を譲り受けることを検討する経営者の方も多いのではないでしょうか。

では、実際に事業を譲り受けるには、どのような手続きが必要になるのでしょうか?
今回は、事業譲渡の手続きと注意点について、わかりやすく解説します。


事業譲渡とは?ビジネス拡大・新規事業スタートに有効な手段

「事業譲渡」とは、ある会社が他社に対して事業の全部または一部を売却し、買い手がそれを引き継ぐ手続きです。
この方法を使えば、すでに顧客基盤やノウハウを持つ事業を手に入れることができ、スピーディーな事業拡大や新規事業立ち上げが可能になります。

ただし、手続きや法律上のポイントをしっかり押さえることが重要です。


事業譲渡の基本的な手続きの流れ

1. 基本合意書(覚書)の作成

まずは売り手・買い手双方で、譲渡する事業の範囲、金額、従業員の処遇、競業避止義務(売り手が同業で再スタートしない約束)などについて合意し、覚書を交わすのが一般的です。

2. 取締役会の承認

会社法上、重要な資産の取得にあたるため、取締役会で承認決議を行う必要があります(会社法362条4項1号)。

3. 事業譲渡契約書の締結

事業譲渡の具体的な内容を記載した契約書を締結します。契約書には、

  • 事業財産の範囲
  • 代金の支払い方法
  • 従業員・商号の引継ぎ
  • 債務の取り扱い

などを明記します。

4. 株主総会の特別決議

譲受けが会社全体に大きな影響を及ぼす場合、株主総会で特別決議を行う必要があります(会社法467条1項3号)。

※取引規模が小さい場合(純資産額の1/5以下)は「簡易手続き」が可能な場合もあります。


事業譲渡時に注意すべき「債権者への対応」

事業を引き継いでも、前の会社の借金(債務)を自動的に引き継ぐわけではありません
ただし、次のようなケースでは新しいオーナー(譲受会社)が債務を負担することになるため注意が必要です。

  • 商号(会社名)を引き継いだ場合(原則、全債務の責任を負う)
  • 債務を引き継ぐ旨を広告・通知した場合

特に、商号続用の場合には、すぐに「旧会社の債務は引き継ぎません」と登記や通知をしないと、知らないうちに債務を負うリスクも。
事前にしっかりと弁護士に相談して進めることが大切です。


公正取引委員会への届出が必要な場合も

一定規模以上(大型案件)の事業譲渡では、独占禁止法に基づき公正取引委員会への事前届出が必要になります。
届出後、原則30日間は譲渡手続きを実行できませんので、スケジュールにも注意しましょう。


まとめ:事業譲渡はスピード感のある成長戦略!しかし慎重な対応が必要

事業譲渡をうまく活用すれば、リスクを抑えながらビジネス拡大や新市場参入が実現可能です。
ただし、法律上の手続きや債務問題、税務リスクなど、慎重な対応が求められます。


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結の杜総合法律事務所では、事業譲渡に強い弁護士が、経営者の皆様のお話をじっくり伺ったうえで、最適なアドバイスとサポートをご提供しています。
さらに、税理士事務所も併設しており、法務・税務をワンストップ対応可能です!

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コラム「【弁護士監修】相続放棄とは?借金相続を回避する方法と手続きの流れを解説」

2025-04-25

「親が亡くなった後、借金の請求が来た」そんなときの対処法とは?

Q:父が亡くなりましたが、多額の借金があるようです。相続放棄をすれば借金を相続しなくて済むのでしょうか?

A:相続放棄をすることで、借金を含むすべての相続財産を引き継がずに済みます。ただし、相続放棄には期限があるため、注意が必要です。


相続放棄とは?~借金も含めて一切の相続を断る手続き~

相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産や借金など一切の権利義務を引き継がないとする法律上の手続きです(民法第915条)。相続放棄をすると、最初から相続人でなかったものとみなされ、借金の支払い義務も免れます。

【注意】遺産分割協議で相続分を「0」にしても相続放棄にはなりません

相続放棄は家庭裁判所での手続きが必要であり、遺産分割協議で何も受け取らなかっただけでは、放棄とは扱われません。


相続放棄の手続きと期限(熟慮期間)

相続放棄の方法

相続放棄を希望する場合は、相続が開始されたことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所に申述を行う必要があります。この3か月を「熟慮期間」と呼びます。

3か月のカウントはいつから?

熟慮期間の起算点は以下の2点を知ったときからです:

  • 被相続人の死亡という事実
  • 自分が相続人になったこと

【例外】熟慮期間の延長も可能

借金の有無がすぐには分からない場合など、相続財産の調査に時間を要するケースでは、家庭裁判所に熟慮期間の延長申立てが可能です。弁護士などの専門家の助言を受けながら対応するのが安心です。


相続放棄が認められないケースとは?

以下の場合には、相続放棄が認められず、「単純承認(全てを相続する)」とみなされるので注意が必要です(民法第921条):

  • 相続財産の一部でも処分した場合
  • 熟慮期間内に相続放棄の手続きをしなかった場合
  • 放棄後に相続財産を隠す・使う・財産目録に記載しないなどの行為をした場合

相続放棄をしても受け取れるものとは?~生命保険金や死亡退職金など~

生命保険金は相続財産に含まれない

死亡保険金の受取人が特定されている場合は、その保険金は受取人固有の財産とされ、相続財産には含まれません。したがって、相続放棄をしても受け取ることが可能です。

死亡退職金も相続放棄しても受給可能な場合が多い

就業規則等により受取人が定められている場合、死亡退職金も相続財産とはみなされず、相続放棄の影響を受けません。ただし、ケースにより異なるため確認が必要です。


相続放棄と税務上の取扱い

準確定申告の義務

被相続人が生前に申告すべきだった所得税等については、相続人が準確定申告を行う義務があります。ただし、相続放棄をした人は最初から相続人でなかったとみなされるため、申告義務はありません

相続税の基礎控除に影響

相続税の非課税枠の計算では、相続放棄がなかったと仮定した相続人の数をもとに基礎控除額を算出します。また、生命保険金については、相続放棄をすると非課税枠の適用が受けられなくなる点にも注意が必要です。


弁護士による相続放棄のサポートを活用しましょう

相続放棄は、期限が短く、要件も複雑な手続きです。放棄の意思がある場合は、できるだけ早く専門家に相談することが重要です。

結の杜総合法律事務所では、

  • 相続放棄のご相談
  • 家庭裁判所への申述書の作成
  • 手続全般の代理申請

まで、弁護士が丁寧に対応いたします。初回相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。

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『令和7年5月の土曜相談日』のお知らせ

2025-04-23

弁護士法人結の杜総合法律事務所では、原則として毎月3回、土曜日も法律相談を受け付けております(完全予約制)。土曜相談をご希望の方は、直近の営業日までに、お電話またはお問い合わせフォームからお申し込みください【新規のお客様は初回1時間無料

令和7年5月の相談日は次の通りです。

① 5月10日(土)(担当弁護士:原)

② 5月24日(土)(担当弁護士:三塚)

③ 5月31日(土)(担当弁護士:高橋)

お時間については、ご予約時にご希望をお伺いして決めさせていただきます。

相談場所は、原則として五橋本店となります。

(なお、ご予約状況によってはご希望に添えない場合もございますので、予めご了承ください。)

また、当事務所では、直接面談形式の法律相談に加え、「zoom」アプリを利用したテレビ電話形式での法律相談も行っております。こちらもぜひご活用ください(詳しくはこちら)。

皆様のご予約をお待ちしております。

コラム「財産管理・相続対策としての民事信託の活用法【弁護士が解説】」

2025-04-18

1.民事信託とは?高齢者・障がい者の財産管理や相続対策として注目

民事信託(家族信託とも呼ばれます)は、近年、超高齢社会の進展により、高齢者や障がいのある方の財産管理や、遺言書に代わる柔軟な相続対策の手段として注目を集めています。

これは、親(委託者)が子(受託者)などに対し、自身の財産管理・承継を託し、信頼できる相手に財産を託す仕組みです。
信託は、「委託者」が自身の財産を「受託者」に託し、「受益者」がその利益を受けるという三者関係により構成されます。


2.民事信託の3つの設定方法とその違い

(1)信託契約による信託(遺言代用信託)

最も一般的な方式です。委託者と受託者が契約を結び、財産の管理や承継について取り決めます。
**委託者死亡後に効力を生じる「遺言代用信託」**として設計することで、遺言書なしで円滑な相続が可能になります。

メリット:

  • 受託者が契約内容を把握
  • 遺言方式の制約なし
  • 柔軟な設計が可能

(2)遺言信託

遺言書によって信託を設定する方式です。公正証書遺言での作成が推奨されます。
ただし、遺言の方式違反や検認手続が必要となるリスクもあります。

(3)信託宣言(自己信託)

自身が受託者となる方式です。特定の要件を満たせば設定可能ですが、やや特殊な形式であるため、実務ではあまり一般的ではありません。


3.遺留分侵害と民事信託の関係|注意すべき法的リスク

遺留分侵害額請求(民法1042条以下)は、民事信託にも適用されるため注意が必要です。

信託によって遺留分を侵害する場合、信託の設定が無効となるリスクや、受益権の価値が争点となる可能性があります。
実際の裁判例でも、経済的利益の分配が想定されない信託が公序良俗違反で無効とされたケースがあります。

※民事信託の設計には、遺留分を含めた相続全体のバランス調整が不可欠です。


4.民事信託と課税関係|相続税・贈与税・譲渡所得税との関係

民事信託には以下のような税務リスクが伴います。設計段階から税理士・弁護士と連携することが重要です。

  • 受益者が信託財産を取得したとみなされる場合の贈与税・相続税
  • 信託期間中の所得に対する課税(原則受益者に課税)
  • 受益権の譲渡時の譲渡所得課税
  • 信託終了時の課税処理

信託の形態(自益信託・他益信託)や、受益者の属性(個人・法人)によって課税内容が変わるため、税務面の適切な対応が必須です。


5.民事信託の活用事例|実際の設計例から学ぶ

【ケース1】配偶者の生活を保障しつつ、特定の親族へ不動産を承継

目的:妻に賃料収入を確保しつつ、将来的には親族(弟の子)へ不動産を承継
方法:受益者連続型の信託契約(遺言代用信託)

ポイント

  • 遺言書では実現できない「二次承継」が可能
  • 妻の生存中は生活費として賃料を取得
  • 妻死亡後に弟の子へ資産をスムーズに承継

【ケース2】認知症による判断能力低下を見越したアパート経営の引継ぎ

目的:高齢化による判断能力の低下に備え、アパート経営を円滑に継続
方法:長男を受託者とする信託契約でアパート管理を委任

ポイント

  • 認知症発症後もアパートの修繕・建替えが可能
  • 法定後見制度では対応困難な経営判断にも対応
  • 最終的な資産承継者として長男を設定可能

6.まとめ|民事信託は相続・財産管理の有力な選択肢

民事信託は、柔軟な財産管理・承継手段として大変有用な制度です。
ただし、遺留分や税務、法的要件など、専門知識が必要な場面が多く存在します。

結の杜総合法律事務所では、相続や信託の専門知識を有する弁護士が、信託契約書の作成・設計・相談までトータルでサポートしております。

お気軽にご相談ください。

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