コラム「残業代(割増賃金)と固定残業代を徹底解説|未払い残業代の請求にも対応」

1 残業代(割増賃金)とは?

会社は、労働者に 時間外労働・休日労働・深夜労働 をさせた場合、法律で定められた割増率以上で計算した残業代を支払う義務があります(労働基準法37条)。
これは、働きすぎを防ぎ、労働者の生活と健康を守るための制度です。

したがって、たとえ 違法な時間外労働 であっても、会社は残業代を支払わなければなりません。労使間で「残業代を払わない」と合意しても、その取り決めは無効になります。

✅ ポイント

  • 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた労働に残業代が発生
  • 休日労働・深夜労働(22時~5時)にも割増が必要
  • 違法な残業でも未払い残業代は請求可能

2 残業代の計算方法

残業代は「基礎賃金 × 割増率 × 時間」で算出します。
基礎賃金には基本給や職務手当などが含まれますが、家族手当・通勤手当・住宅手当 など一部の手当は除外されます。

割増率は以下のとおりです。

  • 時間外労働:25%以上(月60時間超は50%以上)
  • 休日労働:35%以上
  • 深夜労働:25%以上
  • 重複した場合は割増率を合算

2023年4月以降、中小企業にも「月60時間超の残業は50%割増」が義務付けられています。


3 固定残業代(みなし残業代)とは?

実務上、残業代を「定額」で支払う制度があり、これを 固定残業代(みなし残業代)制度 といいます。
しかし、運用を誤ると「固定残業代が無効」とされ、追加で残業代を支払わなければならないリスクがあります。

固定残業代を導入する場合の注意点

  • 固定残業代を除いた「基本給」の額を明示する
  • 固定残業代に含まれる労働時間数を明示する
  • 固定時間を超えた場合は別途残業代を支払うことを明示する
  • 就業規則・雇用契約書・給与明細などに明確に記載して従業員に周知する

最高裁判所の判例でも、こうした要件を満たしていない場合には「残業代が支払われていない」と判断されるケースがあります。

✅ ポイント

  • 固定残業代を基本給に含める場合は区分を明確にする必要あり
  • 超過分を支払わないと「未払い残業代請求」の対象になる

4 未払い残業代の請求は弁護士へ相談を

「固定残業代だから残業代は請求できない」と思っている方も多いですが、実際には違法な運用となっているケースが少なくありません。
また、会社側にとっても、不適切な運用を続けると従業員からの訴訟リスクが高まります。

結の杜総合法律事務所では、

  • 労働者からの 未払い残業代の請求
  • 会社側の 固定残業代制度の適法な設計・見直し
  • 継続的な法的サポート(顧問契約)

など、労働問題全般について対応しています。

初回相談では、事案に応じて弁護士が丁寧にご説明し、解決までの流れをご案内いたします。無理な勧誘は一切ありませんので安心してご相談ください。


まとめ

  • 残業代(割増賃金)は法律で厳格にルールが決まっている
  • 固定残業代を導入する際は明確な区分と超過分の支払いが必要
  • 未払い残業代は労働者・使用者双方に重大なリスクとなる

労働問題でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

👉 [労働問題についてはこちら]
👉 [顧問弁護士サービスについてはこちら]

keyboard_arrow_up

05055279898 問い合わせバナー 無料法律相談について