コラム「共同親権とは?【令和8年4月施行】離婚後の親権はどう変わるのかを弁護士が解説」

1 共同親権制度の導入とは【令和6年民法改正】

令和6年5月24日、「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号。以下「令和6年改正法」)が成立しました。
この改正法は、離婚後の子どもの養育の在り方を見直すものであり、その柱となるのが「共同親権制度」の導入です。

令和6年改正法は、令和8年4月1日から施行される予定です。

(1)これまでの制度(単独親権制)

現行民法では、未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、「父または母のどちらか一方のみが親権者となる(単独親権制)」とされていました。

そのため、協議離婚をするには、

  • 離婚すること
  • 子どもの親権者をどちらにするか

について合意しなければならず、親権者が決まらない限り、離婚届は受理されません(民法765条1項・819条1項)。

(2)改正後の制度(選択的共同親権制)

令和6年改正後民法では、

  • 単独親権
  • 共同親権

のいずれかを父母の協議により選択できる制度が導入されます。
つまり、共同親権が原則になるわけではなく、「選択制」である点が重要です。


2 親権者が決まらない場合でも協議離婚が可能に

(1)改正前の問題点

従来は、

離婚には合意しているが、親権者について折り合いがつかない

という場合でも、離婚調停・離婚訴訟を提起しなければならないという大きな負担がありました。

その結果、

  • 早期離婚を望むあまり、不本意に条件を受け入れてしまう
  • 十分な協議ができないまま親権を決めてしまう

といった問題も指摘されていました。

(2)改正後の取り扱い

令和6年改正後民法では、

  • 離婚についての合意がある
  • 親権(単独か共同か)について合意できない

という場合でも、親権者の指定を求める家事調停または家事審判を申し立てた上で離婚届を提出すれば、届出が受理されることになります。

これにより、

  • 離婚自体は早期に成立
  • 親権については家庭裁判所で冷静に判断

という形が可能になりました。


3 共同親権とは何か【具体的な内容】

(1)共同親権の基本的な意味

共同親権とは、未成年の子どもに対する親権を、父母が共同で行使する制度です。
具体的には、以下のような事項について、父母双方が権利と責任を負います。

  • 子どもの監護・養育
  • 教育方針の決定
  • 財産管理

離婚後であっても、父母双方が子どもの成長に継続的に関与することを目的としています。

(2)共同親権を選ぶ方法

改正後民法では、

  • 協議離婚の場合
     → 父母の合意で「単独親権」か「共同親権」を選択(改正民法819条1項)
  • 合意できない場合
     → 家庭裁判所が判断(改正民法819条2項)

とされています。

(3)DV・虐待がある場合はどうなる?

以下のような事情がある場合、共同親権は認められません

  • 配偶者からのDV
  • 子どもへの虐待
  • 著しい対立関係があり、子の利益を害するおそれがある場合

このようなケースでは、家庭裁判所は単独親権を指定します(改正民法819条7項)。


4 すでに離婚している場合でも変更できる?

すでに離婚が成立し、単独親権となっている場合でも、家庭裁判所に申し立てることで、単独親権から共同親権への変更を求めることができます(改正民法819条6項)。

もっとも、

  • 子どもの生活環境
  • 父母の協力関係
  • 子どもの意思や年齢

などを踏まえ、「子の利益」に反すると判断されれば認められません


5 共同親権でも「すべてを共同決定」するわけではない

共同親権であっても、次のような事項については、一方の親が単独で決定できるとされています。

  • 日常的な身の回りの世話
  • 緊急時の医療行為
  • 監護に必要な通常の行為

(改正民法824条の2)

そのため、実務上は監護者の指定や監護分担の取り決めが非常に重要になります。


6 共同親権と監護者の問題

改正後民法では、共同親権とした場合でも、監護者の指定は必須ではありません
しかし、離婚後は父母が別居するのが通常であり、

  • 誰が子どもと同居するのか
  • 面会交流をどうするのか
  • 養育費をどう分担するのか

といった点を明確にしなければ、新たな紛争の原因となります。

共同親権を選択する場合には、親権と監護の違いを正しく理解し、慎重に協議することが不可欠です。


7 共同親権導入後も「子どもの利益」が最優先

共同親権制度が導入されても、

  • 単独親権が適切なケース
  • 共同親権が適切なケース

は、事案ごとに異なります。

最も重要なのは、「どちらが有利か」ではなく、「子どもにとって何が最善か」という視点です。


8 最後に|離婚・親権でお悩みの方へ

共同親権制度の導入により、離婚・親権をめぐる判断は、これまで以上に専門的かつ慎重な検討が必要になります。

結の杜総合法律事務所では、

  • 共同親権・単独親権の違い
  • ご家庭の事情に応じた最適な選択
  • 離婚手続の流れ・弁護士費用

について、弁護士が直接、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

無理な勧誘は一切ございません。
まずはお気軽にご相談ください。

👉 「離婚・男女問題」について詳しくはこちら

keyboard_arrow_up

05055279898 問い合わせバナー 無料法律相談について