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コラム「検察官がする事件処理とは?起訴・不起訴・略式命令の違いを弁護士が解説」

2026-02-27

「家族が逮捕された後、これからどうなるのか?」
「不起訴になる可能性はあるのか?」
「略式命令とは何か?」

刑事事件では、警察の捜査後、事件は検察官に送致されます。
その後の判断を行うのが検察官です。

本コラムでは、検察官が行う事件処理の種類と流れについて、仙台の弁護士がわかりやすく解説します。

1 検察官の事件処理とは何か

刑事事件は、原則として警察から検察官へ送致されます(刑事訴訟法246条)。

検察官は、

  • 追加捜査を行う(同法191条1項)
  • 証拠を精査する
  • 起訴するかどうかを判断する

という役割を担っています。

この一連の判断を「事件処理」といいます。

事件処理は大きく

  • ✅ 終局処分(起訴・不起訴)
  • ✅ 中間処分(中止・移送)

に分かれます。


2 中間処分とは(中止・移送)

(1)中止処分

以下のような場合に、いったん処理を見合わせます。

  • 犯人が不明
  • 被疑者の所在不明
  • 長期入院などで捜査不能

将来の処分を見据えた暫定措置です。

(2)移送処分(他管送致)

事件の管轄が他の検察庁にある場合、管轄庁へ送致されます(刑訴法258条)。


3 終局処分とは(起訴・不起訴)

(1)起訴とは

検察官が裁判を求める処分です。

判断にあたっては、

  • 公訴時効の有無
  • 犯罪の成立要件
  • 証拠の十分性
  • 処罰の必要性(刑訴法248条)

などを総合的に検討します。

(2)不起訴とは

裁判を起こさない処分です。

主な種類は:

  • 嫌疑なし
  • 嫌疑不十分
  • 罪とならず
  • 心神喪失
  • 起訴猶予

特に多いのが起訴猶予です。
これは犯罪の成立は認められるが、事情を考慮して起訴しない場合です。

👉 早期に弁護士が活動することで不起訴の可能性が高まるケースもあります。


4 略式命令とは?(約8割がこの手続)

比較的軽微な事件では、正式裁判をせずに処理されることがあります。

これが略式命令請求(刑訴法461条)です。

特徴

  • 書面審理のみ
  • 100万円以下の罰金・科料
  • 被疑者の同意が必要
  • 正式裁判の請求が可能(14日以内)

実際には、起訴事件の約8割が略式手続で処理されています。

⚠ 正式裁判を請求すると、より重い刑になる可能性もあります。


5 少年事件の場合

少年事件は、原則として家庭裁判所に送致されます(少年法42条)。

ただし、

  • 家庭裁判所が刑事処分相当と判断した場合
  • 検察官は原則起訴しなければならない

という例外もあります(少年法45条)。


6 心神喪失・医療観察制度

心神喪失などが認められ不起訴となった場合でも、「医療観察法」に基づき地方裁判所へ入院決定の申立てがなされることがあります。

刑事責任とは別に、医療的対応が検討される制度です。


7 処分結果の通知制度

(1)被疑者への通知

不起訴の場合、請求があれば通知されます(刑訴法259条)。

(2)告訴人・告発人への通知

起訴・不起訴の結果は通知義務があります(刑訴法260条)。

不起訴理由の告知請求も可能です(261条)。

(3)不服申立て制度

  • 付審判請求
  • 検察審査会申立て
  • 上級庁への申立て

などの制度があります。


8 被害者等通知制度

1999年から導入された制度で、

  • 処分結果
  • 公判期日
  • 判決結果

などを通知してもらうことが可能です。


刑事事件でお困りの方へ【仙台の弁護士に早期相談を】

刑事事件では、検察官送致後の対応が極めて重要です。

  • 不起訴を目指したい
  • 起訴猶予の可能性を高めたい
  • 早期釈放を目指したい
  • 略式命令に同意すべきか迷っている

このような場合は、できる限り早く弁護士にご相談ください。


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コラム「【消滅時効の完成猶予と更新とは?】― 催告6か月の落とし穴と、確実に時効を止める方法を弁護士が解説 ―」

2026-02-20

1 時効が迫っている!どうすればよいか?

「売掛金を整理していたら、消滅時効まであと3か月しかない債権が見つかった」
「請求書は送っているが、法的手続はしていない」
「催告を出せば安心だと思っている」

このようなご相談は、企業法務・債権回収の現場で非常に多く見られます。

✅ 結論

  • 催告(内容証明郵便など)だけでは6か月しか延命できません
  • 6か月以内に訴訟・支払督促等をしなければ時効は完成します
  • 確定判決等を取得して初めて「時効の更新(リセット)」が生じます

本記事では、改正民法(令和2年施行)に基づく「完成猶予」と「更新」の違いを、実務目線でわかりやすく解説します。


2 改正民法で何が変わった?「中断」はなくなった

平成29年改正民法により、従来の

  • 時効の「中断」
  • 時効の「停止」

という用語は廃止され、次の2つに整理されました。

用語意味効果
完成猶予一定期間、時効が完成しない時効は進行中
更新時効がゼロから再スタート完全リセット

👉 実務上、最も重要なのは「猶予」と「更新」の違いを誤解しないことです。


3 時効の「完成猶予」とは?

(1)催告(民150条)

もっとも多いのが「裁判外の催告」です。

  • 内容証明郵便などで請求
  • 効果:6か月間のみ時効完成をストップ

⚠ 注意
再度の催告には完成猶予の効力はありません(民150②)。

つまり、

催告 → 6か月以内に訴訟等をしない → 時効完成

となります。

「催告すれば安心」は大きな誤解です。


(2)仮差押え・仮処分(民149条)

  • 手続終了後6か月間のみ完成猶予
  • それ自体では「更新」にならない

⚠ 保全手続をしただけで安心していると、時効が完成する危険があります。


(3)裁判上の請求・支払督促等(民147条)

以下の手続を取ると、

  • 手続終了まで時効は完成しない
  • 却下・取下げの場合は終了から6か月猶予

対象例:

  • 訴訟提起
  • 支払督促
  • 調停
  • 即決和解
  • 破産手続参加

(4)強制執行等(民148条)

  • 強制執行
  • 担保権実行
  • 財産開示手続
  • 第三者からの情報取得

も同様の扱いです。


4 時効の「更新」とは?(完全リセット)

更新とは、

時効期間がゼロから再スタートすること

をいいます。


(1)確定判決等の取得(民147②)

裁判上の請求により、

  • 確定判決
  • 和解調書
  • 認諾調書
  • 調停調書
  • 仲裁判断確定

などで権利が確定すると、時効は更新します。

さらに重要なのは、

✅ 更新後の時効期間は原則10年(民169条)

となる点です。


(2)強制執行終了時(民148②)

強制執行が通常終了すれば更新します。


(3)債務の承認(民152条)

  • 一部弁済
  • 債務承認書の提出
  • 分割払い合意

などは直ちに更新事由になります。

🔎 最高裁令和2年12月15日判決

弁済充当指定のない一部弁済は、原則として全債務の承認となると判断。


5 実務で特に注意すべきポイント

① 催告だけでは不十分

→ 6か月以内に訴訟等が必須

② 保全手続は更新にならない

→ 本案提起を忘れると危険

③ 一部請求の残部に注意

→ 残部の時効が完成する可能性あり(最判平成25年6月6日)

④ 時効の効力は相対的

→ ただし、主債務者と保証人の関係に注意(民457条)


6 企業法務・債権回収での実践対応

次のような場合は、すぐに弁護士へ相談すべきタイミングです。

  • 売掛金の時効が迫っている
  • 取引先が支払いを先延ばしにしている
  • 催告だけで様子を見ている
  • 一部請求で提訴を検討している
  • 仮差押え後の対応に不安がある

時効が完成してしまえば、原則として請求できなくなります。

早期対応が最大のリスク回避策です。


7 まとめ

行為完成猶予更新
催告〇(6か月)
仮差押え
訴訟提起確定で〇
強制執行終了で〇
承認

👉 確実に時効を止めたいなら「更新」まで到達することが重要です。


8 債権回収のご相談は結の杜総合法律事務所へ

結の杜総合法律事務所では、

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コラム「【仙台の弁護士が解説】遺言無効の訴えとは?手続・判例・遺留分との関係をわかりやすく解説」

2026-02-13

「この遺言書は本当に有効なのか?」
「認知症だった親の遺言を争うことはできるのか?」
「公正証書遺言でも無効になることがあるのか?」

相続の現場では、遺言の有効性をめぐる争い(遺言無効確認訴訟)が少なくありません。

本記事では、

  • 遺言が無効になるケース
  • 遺言無効確認の訴えの手続
  • 被告の選び方
  • 立証責任
  • 遺留分侵害額請求との関係

について、判例を踏まえて解説します。

仙台・宮城で相続問題にお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。


1 遺言が無効になる場合とは?

(1)遺言は原則として尊重される

遺言は、遺言者の最終意思を尊重する制度です。
有効な遺言があれば、原則としてその内容どおりに遺産は承継されます。

しかし、一定の場合には遺言そのものが無効となります。


(2)方式違反による無効

遺言は「要式行為」です。
法律(民法960条以下)で定められた方式を守らなければなりません。

例えば、自筆証書遺言の場合、

  • 全文自書
  • 日付の自書
  • 氏名の自書
  • 押印

が必要です。

これらを欠く場合、遺言は無効となります。


(3)遺言能力の欠如(民法963条)

遺言作成時に遺言能力(事理弁識能力)がなければ、遺言は無効です。

典型例:

  • 重度の認知症
  • 意識障害
  • 精神疾患による判断能力の欠如

もっとも、「認知症=直ちに無効」ではありません。
診断書、カルテ、介護記録、作成経緯などを総合的に判断します。

実務上、最も争いが多いのがこの「遺言能力」の問題です。


(4)その他の無効原因

  • 公序良俗違反
  • 詐欺・強迫
  • 証人の欠格事由
  • 受遺者の先死亡
  • 民法総則による無効・取消事由

2 遺言無効確認の訴えとは?

遺言の有効性に争いがあり、話し合いで解決できない場合、最終的には遺言無効確認の訴え(民事訴訟)を提起します。


(1)まずは調停から

いきなり訴訟ではなく、

  • 遺言無効確認調停
  • 遺産分割調停

から開始することもあります。

しかし、当事者の主張が鋭く対立している場合は、訴訟による解決が必要になります。


(2)誰が原告になれるか?

遺言の無効を主張する者が原告になります。

「すでに生前贈与を受けており、法定相続分がない場合でも訴えられるのか?」

この点について、最高裁(最判昭56年9月11日)は、確認の利益は遺言内容で判断すれば足りるとして、原告適格を認めています。

したがって、生前贈与を受けていても原告になることは可能です。


(3)誰を被告にするべきか?

実務上重要なポイントです。

原則:

  • 遺言により利益を受ける受遺者

が被告になります。

最高裁(最判昭56年9月11日)は、単なる相続分指定などの場合は固有必要的共同訴訟にはならない(共同相続人全員を被告とする必要はない)と判示しています。

もっとも、遺産確認を求める場合(最判平成元年3月28日)は、共同相続人全員を当事者とすべきとされています。

遺言内容により判断が分かれるため、専門的検討が不可欠です。


(4)遺言執行者を被告にできるか?

最高裁(最判昭31年9月18日)は、遺言執行者を被告として無効を争うことを認めています。

ただし、既に所有権移転登記がなされている場合は、受遺者を被告とすべきとされています(最判昭51年7月19日)。


(5)立証責任の分配

非常に重要なポイントです。

■ 遺言の方式遵守
→ 遺言が有効と主張する側が立証責任(最判昭62年10月8日)

■ 遺言能力の欠如など
→ 無効を主張する原告側が立証責任

遺言能力の立証では、

  • 医療記録
  • 介護記録
  • 証人尋問
  • 作成経緯

などを総合的に主張立証します。


3 遺言無効と遺留分侵害額請求の関係【最重要ポイント】

(1)必ず遺留分請求を並行して検討すべき理由

遺言無効確認訴訟は、長期化することが少なくありません。

しかし、遺留分侵害額請求には、「相続開始および侵害を知った時から1年」という短い消滅時効(民法1048条)があります。

訴訟中に時効が完成してしまうリスクがあるのです。

したがって、

✔ 遺言無効を争う
✔ 同時に遺留分侵害額請求の意思表示を行う

ことが極めて重要です。

実務では、内容証明郵便で通知するのが安全です。


(2)同一訴訟で予備的請求を入れるべきか?

理論上は可能ですが、実務上は推奨されません。

理由:

  • 争点が複雑化する
  • 訴訟が長期化する
  • 裁判所の審理が混乱する

通常は、

① 遺言無効訴訟
② 必要に応じて遺留分訴訟

と段階的に進める方が合理的です。


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コラム「株主総会の招集手続と欠缺がある場合の争い方― 株主総会決議は取り消される?無効?経営者が押さえるべき実務ポイント ―」

2026-02-06

1 はじめに|株主総会の「招集ミス」は深刻な経営リスクになります

株式会社において、株主総会は最も重要な意思決定機関です。
もっとも、招集手続に不備(瑕疵)がある株主総会は、後になって

  • 株主総会決議取消し
  • 株主総会決議無効・不存在確認

といった訴訟を提起され、経営判断が根底から覆されるリスクがあります。

特に、非上場会社・同族会社では「全員知っているから大丈夫」「口頭で伝えたから問題ない」といった誤解からトラブルに発展するケースが少なくありません。

本コラムでは、株主総会の招集手続の基本から招集手続を欠いた場合の法的評価と争い方まで、実務上重要なポイントを分かりやすく解説します。


2 株主総会の招集手続の基本

⑴ 原則的な招集手続

取締役会設置会社において株主総会を招集する場合、

  1. 取締役会による招集決定
  2. 法定期間内での招集通知の発送

が必要です。

  • 招集通知期限:
    • 原則:会日の2週間前
    • 非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない場合:1週間前

この招集手続に違反した株主総会決議は、株主総会決議取消事由となります。

👉「通知を出し忘れた」「期限が1日足りない」といったミスでも、後から問題になる可能性がある点に注意が必要です。


3 招集手続は省略できる?|株主全員の同意がある場合

⑴ 招集手続省略が認められるケース

以下の要件をすべて満たす場合、招集手続の省略が可能です。

  • ① 取締役会による招集決定があること
  • ② 書面投票・電子投票を採用していないこと
  • 株主全員が事前に省略に同意していること

この場合、招集通知の発送や計算書類の提供を省略できます。

⑵ 実務上の注意点

✔「全員同意」が極めて重要
✔ 1人でも同意が欠けると違法となる
✔ 後日の立証のため書面で同意を残すことが不可欠


4 全員出席総会とは?|招集決定がなくても有効になる例

⑴ 全員出席総会の効力

招集決定や招集通知が欠けていても、

  • 株主全員が
  • 株主総会の開催に同意し
  • 出席している場合

その株主総会(全員出席総会)は有効に成立します。

⑵ 代理人出席の場合の注意

代理人出席も可能ですが、

  • 本人株主が議題を理解した上で委任していること
  • 委任の範囲内で決議が行われていること

が必要です。

👉「形式だけ整えた全員出席総会」は、後日無効とされるリスクがあります。


5 株主総会決議に瑕疵がある場合の争い方

株主総会決議に問題がある場合、以下の2類型があります。


【1】株主総会決議取消しの訴え

⑴ 取消しの原因

  • 招集手続・決議方法の法令・定款違反
  • 決議内容の定款違反
  • 特別利害関係人の議決権行使による著しく不当な決議

👉「著しく不公正」「著しく不当」かどうかは、具体的事案ごとに判断されます。

⑵ 提訴できる人

  • 株主
  • 取締役
  • 監査役
  • 清算人 など

⑶ 提訴期間

決議の日から3か月以内
※期間徒過すると原則として提訴不可

⑷ 実務上のポイント

  • 手続違反が軽微でも、重要議案の場合は取消されることがある
  • 「裁量棄却」が認められないケースも多い

【2】株主総会決議不存在・無効確認の訴え

⑴ 対象となる瑕疵

  • 決議が事実上存在しない
  • 招集手続の欠缺が極めて重大な場合
  • 決議内容が法令違反の場合

⑵ 特徴

  • 提訴期間の制限なし
  • 提訴権者の制限なし
  • 対世効・遡及効あり

👉 経営への影響は極めて大きい訴訟類型です。


6 こんな場合は早めに弁護士へ相談を

  • 招集通知を出さずに株主総会を開いてしまった
  • 一部の株主に通知が届いていなかった
  • 急いで総会を開いたが、手続が適法か不安
  • 株主から「決議は無効だ」と主張されている

放置すると、後から取り返しのつかない問題に発展することがあります。


7 結の杜総合法律事務所にご相談ください

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コラム「共同親権とは?【令和8年4月施行】離婚後の親権はどう変わるのかを弁護士が解説」

2026-01-30

1 共同親権制度の導入とは【令和6年民法改正】

令和6年5月24日、「民法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第33号。以下「令和6年改正法」)が成立しました。
この改正法は、離婚後の子どもの養育の在り方を見直すものであり、その柱となるのが「共同親権制度」の導入です。

令和6年改正法は、令和8年4月1日から施行される予定です。

(1)これまでの制度(単独親権制)

現行民法では、未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、「父または母のどちらか一方のみが親権者となる(単独親権制)」とされていました。

そのため、協議離婚をするには、

  • 離婚すること
  • 子どもの親権者をどちらにするか

について合意しなければならず、親権者が決まらない限り、離婚届は受理されません(民法765条1項・819条1項)。

(2)改正後の制度(選択的共同親権制)

令和6年改正後民法では、

  • 単独親権
  • 共同親権

のいずれかを父母の協議により選択できる制度が導入されます。
つまり、共同親権が原則になるわけではなく、「選択制」である点が重要です。


2 親権者が決まらない場合でも協議離婚が可能に

(1)改正前の問題点

従来は、

離婚には合意しているが、親権者について折り合いがつかない

という場合でも、離婚調停・離婚訴訟を提起しなければならないという大きな負担がありました。

その結果、

  • 早期離婚を望むあまり、不本意に条件を受け入れてしまう
  • 十分な協議ができないまま親権を決めてしまう

といった問題も指摘されていました。

(2)改正後の取り扱い

令和6年改正後民法では、

  • 離婚についての合意がある
  • 親権(単独か共同か)について合意できない

という場合でも、親権者の指定を求める家事調停または家事審判を申し立てた上で離婚届を提出すれば、届出が受理されることになります。

これにより、

  • 離婚自体は早期に成立
  • 親権については家庭裁判所で冷静に判断

という形が可能になりました。


3 共同親権とは何か【具体的な内容】

(1)共同親権の基本的な意味

共同親権とは、未成年の子どもに対する親権を、父母が共同で行使する制度です。
具体的には、以下のような事項について、父母双方が権利と責任を負います。

  • 子どもの監護・養育
  • 教育方針の決定
  • 財産管理

離婚後であっても、父母双方が子どもの成長に継続的に関与することを目的としています。

(2)共同親権を選ぶ方法

改正後民法では、

  • 協議離婚の場合
     → 父母の合意で「単独親権」か「共同親権」を選択(改正民法819条1項)
  • 合意できない場合
     → 家庭裁判所が判断(改正民法819条2項)

とされています。

(3)DV・虐待がある場合はどうなる?

以下のような事情がある場合、共同親権は認められません

  • 配偶者からのDV
  • 子どもへの虐待
  • 著しい対立関係があり、子の利益を害するおそれがある場合

このようなケースでは、家庭裁判所は単独親権を指定します(改正民法819条7項)。


4 すでに離婚している場合でも変更できる?

すでに離婚が成立し、単独親権となっている場合でも、家庭裁判所に申し立てることで、単独親権から共同親権への変更を求めることができます(改正民法819条6項)。

もっとも、

  • 子どもの生活環境
  • 父母の協力関係
  • 子どもの意思や年齢

などを踏まえ、「子の利益」に反すると判断されれば認められません


5 共同親権でも「すべてを共同決定」するわけではない

共同親権であっても、次のような事項については、一方の親が単独で決定できるとされています。

  • 日常的な身の回りの世話
  • 緊急時の医療行為
  • 監護に必要な通常の行為

(改正民法824条の2)

そのため、実務上は監護者の指定や監護分担の取り決めが非常に重要になります。


6 共同親権と監護者の問題

改正後民法では、共同親権とした場合でも、監護者の指定は必須ではありません
しかし、離婚後は父母が別居するのが通常であり、

  • 誰が子どもと同居するのか
  • 面会交流をどうするのか
  • 養育費をどう分担するのか

といった点を明確にしなければ、新たな紛争の原因となります。

共同親権を選択する場合には、親権と監護の違いを正しく理解し、慎重に協議することが不可欠です。


7 共同親権導入後も「子どもの利益」が最優先

共同親権制度が導入されても、

  • 単独親権が適切なケース
  • 共同親権が適切なケース

は、事案ごとに異なります。

最も重要なのは、「どちらが有利か」ではなく、「子どもにとって何が最善か」という視点です。


8 最後に|離婚・親権でお悩みの方へ

共同親権制度の導入により、離婚・親権をめぐる判断は、これまで以上に専門的かつ慎重な検討が必要になります。

結の杜総合法律事務所では、

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コラム「敷金の返還を請求したいときの注意点|原状回復費用・特約の有効性を弁護士が解説」

2026-01-23

1 はじめに|敷金が返ってこない…それは正当でしょうか?

「賃貸借契約が終了し、建物の明渡しも済ませました。
それにもかかわらず、敷金がほとんど返ってこない、あるいは追加請求を受けているのですが、これは妥当なのでしょうか?」

結の杜総合法律事務所では、敷金返還・原状回復をめぐるトラブルについて、賃借人・賃貸人双方から多数のご相談を受けています。
実際には、本来は返還されるべき敷金が、不適切な名目で差し引かれているケースも少なくありません。

本コラムでは、

  • 敷金が返還される条件
  • 差し引かれやすい費用の注意点
  • 特約の有効・無効の判断基準

について、弁護士が分かりやすく解説します。


2 まず確認すべき「そのお金は本当に敷金か」

敷金とは、未払賃料や原状回復費用などの債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に預ける金銭をいいます(民法622条の2)。

重要なのは、名称ではなく性質です。
「敷金」「保証金」「預り金」と記載されていても、すべてが敷金に該当するとは限りません。

敷金に該当しない可能性がある例

  • 保証金が「建設協力金」や「制裁金(早期解約ペナルティ)」の性質を持つ場合
  • 権利金が営業上の利益の対価や、賃料の前払にすぎない場合

このような場合、敷金としての返還請求ができない可能性があるため、契約内容の精査が不可欠です。


3 敷金返還請求権はいつ発生する?

賃借人が

  • 賃貸借契約を終了し
  • 建物を明け渡した

この時点で、敷金返還請求権は原則として発生します。

もっとも、賃貸人から
「特約に基づき差し引く」
「原状回復費用に充当する」

と主張されることが多く、特約の有効性が最大の争点になります。


4 よく問題になる特約と有効性の判断基準

⑴ 敷引特約

敷引特約とは、一定額を無条件で差し引く特約です。
もっとも、敷引額が

  • 通常損耗や経年変化の補修費として
  • 社会通念上、著しく高額

である場合には、無効と判断される可能性があります。


⑵ 通常損耗補修特約

通常損耗(経年劣化・日常使用による傷み)は、原則として賃貸人負担です。

賃借人に負担させるためには、

  • 通常損耗の範囲が契約書に具体的に明記されていること
  • 賃借人が内容を明確に理解・合意していること

が必要とされています。


⑶ ハウスクリーニング特約

「退去時クリーニング代は必ず借主負担」とする特約も多く見られますが、

  • どのような場合に
  • いくら負担するのか

が明確でなければ、無効または限定解釈される可能性があります。


5 原状回復費用として差し引かれた場合のチェックポイント

退去後、管理会社から

  • 修繕費用の明細
  • 敷金精算書

が送られてくるのが一般的です。

その際は、

  • 通常損耗まで含まれていないか
  • 特約が無効となる部分がないか
  • 修繕内容・金額が相当か

を一つずつ確認する必要があります。


6 原状回復義務の範囲|国交省ガイドラインが重要

賃借人は、故意・過失による損傷についてのみ原状回復義務を負います。
経年変化や通常使用による損耗は含まれません。

判断にあたっては、

  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
  • 自治体の条例・指針

が実務上、重要な判断材料となります。


7 弁護士に相談するメリット

敷金返還トラブルは、

  • 金額が比較的小さい
  • しかし感情的対立が激化しやすい

という特徴があります。

弁護士に依頼することで、

  • 不当な請求を的確に指摘
  • 交渉・内容証明・訴訟対応まで一貫対応

が可能です。


8 まとめ|敷金が返ってこないと感じたら

  • 敷金が返還されない
  • 原状回復費用が高額
  • 特約の内容がよく分からない

このような場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。


9 結の杜総合法律事務所へご相談ください

結の杜総合法律事務所では、
敷金返還・原状回復トラブルに関するご相談を多数解決してきました。

  • 弁護士が直接、丁寧にご説明
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コラム「相続税対策|暦年課税制度と配偶者控除特例を活用した生前贈与の実務ポイント」

2026-01-16

1 はじめに|「暦年贈与」と「配偶者控除」を正しく使えば相続税は大きく変わる

相続税対策として、生前贈与を検討される方は非常に多くいらっしゃいます。
なかでも代表的な制度が『暦年課税制度(年間110万円の基礎控除)』と、『贈与税の配偶者控除特例(最大2,000万円)』です。

もっとも、

  • 贈与の方法を誤ると思わぬ贈与税・相続税が課税される
  • 令和6年以降は生前贈与加算が「7年」に延長され、従来の感覚で対策すると失敗する

といった落とし穴も存在します。

本コラムでは、相続税を合法的に抑えるために知っておくべき暦年課税と配偶者控除特例のポイントを、法令・実務の両面から分かりやすく解説します。


2 暦年課税制度とは|毎年110万円まで非課税となる生前贈与

⑴ 暦年課税制度の基本

暦年課税制度とは、『1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与額について、110万円まで非課税(基礎控除)』となる制度です。

この制度を活用し、毎年計画的に贈与を行うことで、
➡ 将来の相続財産を減らし
➡ 結果として相続税の負担を軽減
することが可能です。


⑵ 一般税率と特例税率(直系尊属からの贈与)

暦年贈与の税率には、以下の2種類があります。

  • 一般贈与財産:配偶者・兄弟姉妹・子などからの贈与
  • 特例贈与財産:直系尊属(父母・祖父母)から、18歳以上の子・孫への贈与

特例贈与財産に該当する場合は、税率が緩和された特例税率が適用されます。


⑶ 暦年贈与の税額計算方法(概要)

贈与税額は、次の計算式で求めます。

贈与税額 =(贈与額 − 基礎控除110万円)× 税率 − 控除額

一般贈与財産と特例贈与財産が混在する場合は、法令に基づき按分計算を行う必要があります(措置法・通達)。

👉 税率表の正確な適用や有利不利の判断は専門的判断が不可欠です。


3 【重要】令和6年改正|生前贈与加算が「3年→7年」に延長

令和6年1月1日以後の贈与から、相続開始前7年以内の贈与が相続税に加算される制度に変更されました。

ただし、

  • 延長された4年間分については合計100万円まで非加算
  • 贈与の種類によっては加算対象外となる特例も存在

暦年贈与は「早め」「計画的」がこれまで以上に重要となっています。


4 配偶者控除特例|居住用不動産等の贈与は最大2,000万円まで非課税

⑴ 配偶者控除特例とは

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、

  • 居住用不動産
  • 居住用不動産を取得するための金銭

を贈与した場合、基礎控除110万円とは別に、最大2,000万円まで贈与税が非課税となる制度です(相続税法21条の6)。


⑵ 適用要件(チェックポイント)

以下すべてを満たす必要があります。

  • 婚姻期間20年以上
  • 国内の居住用不動産等であること
  • 翌年3月15日までに居住・取得
  • 過去に同一配偶者から配偶者控除の適用を受けていないこと

形式的要件を欠くと特例は適用不可となります。


⑶ 相続開始前7年以内でも「持ち戻し不要」

配偶者控除特例を適用した居住用不動産の贈与は、相続開始前7年以内であっても相続税に加算されません。

そのため、

  • 相続税対策
  • 配偶者の生活保障

の両面から、非常に有効な生前対策といえます。


5 相続開始年の贈与と「特定贈与財産」

相続開始年に行われた贈与は、原則として相続税の課税対象となります。

しかし、

  • 婚姻期間20年以上
  • 配偶者控除未使用
  • 居住用不動産の贈与

という要件を満たす場合、「特定贈与財産」として生前贈与加算の対象外となります。

👉 相続税申告・贈与税申告の双方が必要となるため、専門家の関与が必須です。


6 遺産分割との関係|配偶者への贈与は「特別受益の持ち戻し免除」が推定

民法改正により、婚姻期間20年以上の配偶者に対する居住用不動産の贈与・遺贈は、特別受益の持ち戻し免除の意思表示があったものと推定されます(民法903条4項)。

➡ 相続人間の紛争予防という観点でも重要な制度です。


7 相続税対策は「法務×税務」の同時検討が不可欠

生前贈与や相続税対策は、

  • 税務(贈与税・相続税)
  • 民法(遺産分割・特別受益)
  • 実務(名義・資金管理)

が複雑に絡み合います。

一部だけを見た対策は、後に大きなトラブルを招く可能性があります。


8 【結の杜総合法律事務所の強み】弁護士×税理士によるワンストップ相続対策

結の杜総合法律事務所では、税理士法人を併設し、弁護士・税理士である代表・髙橋が直接対応しております。

  • 相続税対策
  • 生前贈与の設計
  • 遺産分割・遺留分対応
  • 相続税申告

まで、一貫したワンストップ対応が可能です。
東北地区では数少ない体制で、実務に即したご提案を行っています。


9 まずは無料相談をご利用ください

制度を正しく使えば、相続税は大きく変わります
一方で、誤った判断は税務否認・相続トラブルにつながります。

「この贈与は大丈夫?」
「今から何をすべき?」

とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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コラム「【破産・廃業時】未払賃金立替払制度とは?|要件・対象・手続を弁護士が解説」

2026-01-09

会社が倒産して給料や退職金が支払われない
そのような状況で、労働者を救済する公的制度未払賃金立替払制度です。

本記事では、法人破産・廃業に直面した場合に問題となる未払賃金立替払制度の仕組み・利用要件・手続の流れを、弁護士がわかりやすく解説します。


未払賃金立替払制度とは【破産・廃業時の従業員救済制度】

未払賃金立替払制度とは、企業倒産により賃金や退職金が支払われないまま退職した労働者に対し、国が事業主に代わって未払賃金の一部を立替えて支払う制度です。

この制度は、

  • 「賃金の支払の確保等に関する法律(賃確法)」
  • 労働者健康安全機構

に基づき運用されています。


「解散・清算」と「倒産・廃業」の違いと制度の重要性

解散・清算の場合

会社が解散決議を行い清算する場合は、会社法に基づき官報公告・債権者への催告を行い、原則として公平に債務を弁済します。

倒産・廃業の場合

一方、破産や事実上の倒産では、

  • 資産がほとんど残っていない
  • 従業員に賃金・退職金を支払えない

というケースが多く、労働者が著しく不利になります。

👉 その救済制度として設けられているのが未払賃金立替払制度です。


対象となる「倒産」の種類【法律上・事実上】

未払賃金立替払制度は、次のいずれにも対応しています。

① 法律上の倒産

裁判所の決定・命令によるもの

  • 破産手続開始
  • 特別清算開始
  • 民事再生手続開始
  • 会社更生手続開始

② 事実上の倒産(中小企業)

  • 事業活動が停止
  • 再開の見込みがない
  • 賃金支払能力がない

※労働基準監督署長の「倒産認定」が必要です。


【最新データ】未払賃金立替払制度の利用状況(令和5年度)

  • 企業数:2,132件(前年比65.9%増)
  • 支給者数:24,300人(前年比71.1%増)
  • 立替払額:約86億円(前年比77.5%増)

👉 倒産件数の増加とともに利用が急増している制度です。


未払賃金立替払制度を利用するための要件

① 事業主の要件

次のすべてを満たす必要があります。

  • 労災保険の適用事業所であること
  • 1年以上事業活動を行っていたこと
  • 法律上または事実上の倒産に該当すること

② 対象となる労働者

  • 倒産手続申立日(または認定申請日)の6か月前~2年以内に退職していること
  • 労働基準法9条の「労働者」に該当すること

※代表取締役などの役員、同居親族のみの事業などは対象外です。


③ 対象となる未払賃金の範囲と上限額

立替払の対象は、『未払賃金総額の80%(年齢別上限あり)』です。

退職時年齢未払賃金総額の上限立替払上限額
30歳未満110万円88万円
45歳未満220万円176万円
45歳以上370万円296万円

※賞与・解雇予告手当などは対象外です。


④ 請求できる期間

  • 法律上の倒産:裁判所決定日の翌日から2年以内
  • 事実上の倒産:倒産認定日の翌日から2年以内

立替払請求の具体的な手続の流れ

【法律上の倒産の場合】

  1. 破産管財人などから「証明書」を取得
  2. 必要書類を添付
  3. 労働者健康安全機構へ提出

【事実上の倒産の場合】

  1. 労働基準監督署へ倒産認定申請
  2. 認定後、「確認通知書」を取得
  3. 必要書類を提出し請求

【重要】会社側(経営者)が注意すべきポイント

  • 破産・廃業の判断が遅れると
    👉 従業員の立替払利用に影響する場合あり
  • 書類不備により
    👉 支給が遅延・不支給となるケースも多数

👉 法人破産・廃業は、早期に専門家へ相談することが極めて重要です。


法人破産・廃業のご相談は結の杜総合法律事務所へ

結の杜総合法律事務所は、弁護士法人と税理士法人を併設運営しており、弁護士・税理士である髙橋が代表を務めています。

  • 法人破産・廃業
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コラム「保釈とは?保釈の現状・要件・保証金を弁護士が解説」

2026-01-02

Ⅰ 保釈とは何か|刑事事件における重要性

保釈とは、起訴後に勾留されている被告人について、一定の条件のもとで身柄拘束を解き、社会生活を送りながら裁判を受けることを認める制度です。

刑事事件において身体拘束が長期化することは、仕事・家族関係・社会的信用に極めて大きな影響を及ぼします。そのため、
👉 早期に保釈を実現できるかどうかは、刑事弁護における最重要課題の一つ
といえます。


Ⅱ 保釈の現状|日本の保釈率は高いとは言えない

近年、日本における保釈率は緩やかに上昇しています。

  • 令和2年度
    • 勾留された人員:49,216人
    • 保釈された人員:15,431人
    • 保釈率:約31.35%

また、平成28年から令和元年までの推移を見ると、

  • 平成28年:30.47%
  • 平成29年:32.47%
  • 平成30年:33.35%
  • 令和元年:32.87%

と、30%台を維持しているものの、決して高い水準とは言えません。

保釈率を見る際の注意点

この保釈率には、

  • 第1回公判後の保釈
  • 結審後、判決前の短期間の保釈

も含まれています。

否認事件や裁判員裁判では、起訴から初公判まで長期間を要することも多く、実質的には長期間身体拘束が続くケースも少なくありません。

だからこそ、
弁護人による早期・的確な保釈活動が極めて重要
となります。


Ⅲ 保釈の要件|いつ・どのように認められるのか

1 保釈は「起訴後」に請求できる(刑訴法88条)

保釈は、起訴された後にはじめて請求可能です。
一般的な流れは次のとおりです。

  1. 保釈請求書の提出
  2. 検察官の意見聴取
  3. 裁判官との面接
  4. 保釈許可または却下の決定

Ⅳ 権利保釈とは|刑事訴訟法89条

刑事訴訟法89条各号の除外事由がなければ、保釈は「権利」として認められます。

主な除外事由(概要)

  • ① 重罪事件(死刑・無期・長期懲役が予定される罪)
  • ② 一定の前科がある場合
  • ③ 常習性が認められる場合
  • ④ 罪証隠滅のおそれ
  • ⑤ 被害者・証人への働きかけのおそれ
  • ⑥ 逃亡のおそれ

もっとも、これらに形式的に該当しても、直ちに保釈が不可能になるわけではありません。


Ⅴ 裁量保釈とは|平成28年改正で重要性が拡大

裁量保釈(刑訴法90条)

権利保釈の除外事由がある場合でも、
裁判所が「適当」と判断すれば、職権で保釈を許可できます。

平成28年の法改正により、裁判所が考慮すべき事情が明確化されました。

裁判所が考慮する主な事情

  • 逃亡・罪証隠滅のおそれの程度
  • 身体拘束が続くことによる
    • 健康上の不利益
    • 経済的影響
    • 社会生活への支障
    • 防御権行使への影響

裁量保釈を実現するために重要な主張例

  • 捜査がほぼ終了していること
  • 関係者との接触のおそれがないこと
  • 示談成立や被害回復の状況
  • 家族・雇用主などの身元引受人の存在
  • 定職・住居が安定していること
  • 偶発的犯行で再犯のおそれが低いこと

👉 具体的な事実・資料を示して説得的に主張できるかが、結果を大きく左右します。


Ⅵ 保釈保証金はいくらか|相場と減額の可能性

一般的な相場

  • 約150万円~300万円程度

ただし、刑事訴訟法93条2項により、

  • 犯罪の性質・内容
  • 被告人の資産・収入
  • 性格・生活状況

などを考慮し、「相当な金額」でなければならないとされています。

そのため、

  • 資力が乏しい
  • 逃亡のおそれが低い

といった事情を丁寧に主張・立証すれば、
👉 150万円未満となるケースも実際に存在します。


Ⅶ 保釈が却下された場合の対応

保釈が却下されても、

  • 準抗告
  • 抗告
  • 再度の保釈請求

など、引き続き身体解放を目指す手段は残されています。

あきらめず、状況の変化や追加資料を踏まえて再チャレンジすることが重要です。


Ⅷ 弁護士に早期相談する重要性

保釈は、

  • 弁護士の経験・判断力・主張の組み立て方
  • 裁判官・検察官への説明力

によって、結果が大きく左右されます。

特に、
「起訴直後の初回保釈請求」
が極めて重要です。


Ⅸ 最後に|刑事事件・保釈のご相談はお早めに

保釈は、被告人本人だけでなく、
ご家族の生活・将来を守るためにも極めて重要な制度です。

結の杜総合法律事務所では、

  • 刑事事件の今後の見通し
  • 保釈の可能性
  • 費用・手続の流れ

について、弁護士が直接・丁寧にご説明いたします。

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コラム「破産するおそれのある会社から事業譲渡を受ける際のリスクとは― 倒産前M&A・事業譲受で必ず押さえるべき法的注意点 ―」

2025-12-26

1 はじめに|「安く買える事業」には落とし穴がある

物価高や景気低迷が続く中、資金繰りに苦しむ企業が事業の一部を譲渡するケースは年々増えています。
一方で、譲受側から見れば、

  • 「有望な事業を安価に取得できるのではないか」
  • 「同業他社の顧客・ノウハウを引き継げるのではないか」

と考え、前向きに検討されることも少なくありません。

しかし、譲渡元の会社が破産に近い状態にある場合
事業譲渡そのものが後から覆される、極めて重大なリスクが潜んでいます。

本コラムでは、
破産するおそれのある会社から事業譲渡を受ける際に問題となる主な法的リスクと注意点を、実務・裁判例を踏まえて解説します。


2 破産管財人による「否認権」とは|事業譲渡が無効になるリスク

(1)否認権の概要

譲渡会社が破産した場合、
破産管財人は、破産手続開始前に行われた一定の取引を「否認」する権限を有します(破産法160条以下)。

事業譲渡が否認されると、

  • 譲り受けた事業・資産の返還
  • 返還できない場合は金銭による価額償還

を求められる可能性があります。

つまり、正規の手続きを踏んで契約したとしても、安全とは限らないのです。


(2)事業譲渡で問題となりやすい否認類型

事業譲渡との関係で、特に問題となるのは以下の類型です。

① 詐害行為否認(破産法160条1項1号・2号)

  • 破産者が債権者を害することを知りながら行った行為
  • 支払停止後などに行われ、債権者に不利益を与える行為

👉 譲受会社が「資金繰り悪化」や「破産の危険」を知っていた場合、否認される可能性が高まります。

② 無償否認(破産法160条3項)

  • 無償、または無償と同視できるほど不当に低廉な価格での譲渡

👉 「格安での事業譲受」は、極めて危険です。


(3)裁判例から見る否認リスク

裁判例では、

  • 実質的に無償で取引先関係を移転させた事案につき無償否認を認めた例
  • 事業譲渡について詐害行為否認を認め、価額償還を命じた例

など、譲受会社に厳しい判断が数多く示されています。


3 破産していなくても要注意|債権者の「詐害行為取消権」

(1)民法上の詐害行為取消権

譲渡会社がまだ破産していない場合でも、
債権者は民法424条以下に基づき、事業譲渡の取消しを求めることができます。

  • 債務者が債権者を害することを知ってした行為
  • 譲受人も害意を知っていた場合

には、取消しが認められる可能性があります。

(2)期間制限にも注意

  • 債権者が事実を知ってから2年
  • 行為時から10年

を経過すると行使できなくなりますが、
取引後、長期間リスクが残る点は看過できません。


4 商号続用による責任|社名を引き継ぐリスク

事業譲受後、譲渡会社の商号を引き続き使用する場合
譲受会社が譲渡会社の債務についても責任を負う可能性があります(会社法22条)。

  • Webサイト
  • 商品パッケージ
  • 名刺・看板

などの扱いには、特に注意が必要です。


5 詐害的事業譲渡における譲受会社の責任(会社法23条の2)

譲渡会社が、

  • 債権者を害することを知りながら事業譲渡を行った場合

には、
譲受会社は、承継した財産の価額を限度として責任を負う可能性があります。

もっとも、破産・再生等の法的倒産手続が開始されている場合には、
この責任が否定されるケースもあり、事案ごとの精緻な判断が不可欠です。


6 まとめ|倒産前事業譲渡は「専門家関与」が不可欠

破産するおそれのある会社からの事業譲受は、

  • 否認権
  • 詐害行為取消権
  • 商号続用責任
  • 譲受会社の直接責任

といった複数の重大リスクを伴います。

特に、

  • 不当に安い価格
  • 無償に近い譲渡
  • 譲渡会社の資金繰り悪化を認識している場合

には、後日、事業を失う可能性すらあることを十分理解しておく必要があります。


【経営者の皆様へ】事業譲渡・M&Aは事前相談が重要です

結の杜総合法律事務所では、

  • 事業譲渡・M&Aにおける法的リスク分析
  • 倒産・破産を見据えた事業再編の助言
  • 税理士事務所併設による税務面を含めたワンストップ対応

を行っております。

「この事業譲渡は安全なのか?」
「後から責任を追及されることはないか?」

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