不幸にも交通事故の被害者となってしまった場合,被害者は,加害者に対して何を請求できるのでしょうか。
加害者が任意保険に加入している場合,その保険会社が窓口になり,交渉をするのが一般的となっていますが,「被害者は何を請求できるのか」を把握しておかないと,十分な損害賠償を受けることができない場合もありますので,注意が必要です。
以下,被害者が請求できる主な損害をご紹介いたします。
(1)物的損害(交通事故により自動車が破損した等の財産的損害が生じた場合)
① 車両損害
・修理費
→修理が可能なときは,必要かつ相当な修理費を請求できる。
・買替差額
→修理不能となったときや車両の本質的構造部分に重大な損傷が生じたため買替えが必要になったときは,事故当時の車両価格と売却代金の差額を請求できる。
・買替諸費用
→買替えが認められる場合,自動車取得税,自動車重量税,検査・登録法定費用,車庫証明法定費用等を請求できる。
② 代車使用料
③ 休車損
交通事故により営業車が損傷を受けた場合には,相当なる買替期間中もしくは修理期間中,その期間使用できなかったものとして,損害の請求が認められる。
④ 評価損
修理しても外観や機能に欠陥が残存したり,事故歴により車両の商品価値が下落するような場合には,事故当時の車両価格と修理後の車両価格との差額を損害として請求できる。
(2)人身損害(交通事故によって怪我をしたり,死亡した場合)
① 治療費
② 入院・通院付添費
→医師の指示または受傷の程度,被害者の年齢等により必要があれば認められる。
③ 将来介護費
→医師の指示または症状の程度により必要があれば認められる。
④ 入院雑費
⑤ 通院交通費
⑥ 装具・器具等購入費
⑦ 葬儀関係費用
⑧ 休業損害
→事故前の収入を基礎として,受傷によって休業したことによる収入減を損害として請求できる。
⑨ 後遺障害による逸失利益
→後遺障害が残った場合,労働能力が減少するため,将来発生するものと認められる収入の減少を,損害として請求できる。
⑩ 死亡による逸失利益
→被害者が死亡しなければその後就労可能な期間において得ることができたであろうと認められる収入の金額から,支出されたであろう生活費等を控除した金額が損害として認められる。
⑪ 慰謝料
→死亡慰謝料,後遺障害慰謝料,傷害慰謝料が認められる。ただし,物的損害のみの場合,慰謝料は原則として認められない。
以上の通り,被害者が加害者に対して請求できる損害は多岐に亘っており,また,その具体的な金額の算定も容易ではありません。
また,保険会社から提案された示談の金額は,最終的に裁判などで認められる金額よりも低いことが多いのが通常です。
そのため,保険会社から示談の提案があったとしても,請求できるものが全て含まれているかどうか,金額が妥当なのかどうかを判断するため,一度弁護士に相談することをお勧めいたします。
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