コラム「国税不服申立制度とは」

2016-07-01

 国税不服申立制度は,税務署長等が行った処分(更正処分等)に不服のある方が,その処分の取消しや変更を求めて,不服を申し立てる制度です。

 平成26年に,行政不服審査法の抜本的見直しが行われ,国税通則法の改正により,国税不服申立制度についても改正が行われました。

 改正前後の手続の相違は,次の通りです。

 

【改正前】

① 税務署長等が行った処分に不服がある場合,原則として2か月以内に,税務署長等に対する「異議申立」

② 異議決定に不服がある場合,異議決定から原則として1か月以内に,国税不服審判所長に対する「審査請求」

③ 裁決に不服がある場合,裁決から原則として6か月以内「訴訟提起」

 

【改正後】

① 税務署長等が行った処分に不服がある場合,原則として3か月以内に,税務署長等に対する「再調査の請求」あるいは国税不服審判所長に対する「審査請求」

※ 改正により「異議申立」が「再調査の請求」に名称変更。

※ 改正により申立期間が2か月から3か月に延長。

※ 改正前は,原則として「異議申立」を行った後でなければ,「審査請求」ができなかったが,改正により自由選択とされた。

② 「再調査の請求」をした場合で,再調査決定に不服があるときは,再調査決定から原則として1か月以内に,国税不服審判所長に対する「審査請求」

 「審査請求」をした場合で,かつ,採決に不服があるときは,裁決から原則として6か月以内「訴訟提起」

③ 「再調査の請求」から「審査請求」を行い,かつ,その裁決に不服がある場合,裁決から原則として6か月以内「訴訟提起」

 

 改正による手続の大まかな変更は上記の通りですが,これ以外にも,審査請求において,証拠書類等の閲覧・写しの交付(改正前は閲覧のみ),口頭意見陳述における質問権の創設(口頭意見陳述の申立をした者は処分を行った税務署長等に質問をすることができる),審理手続の計画的遂行(担当審判官は審理関係人を招集して口頭意見陳述や証拠書類等の提出要求等の審理手続の申立に関する意見の聴取を行うことができる)等に関する規定が整備されました。

 

 改正後の制度は,平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されます

 

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